ドコモは、日本で最大の利用者数を誇る携帯電話会社です。全国津々浦々までショップを展開して、地域密着で手厚いービスを提供しています。
そのショップに来店した時に
「自宅に光回線未導入なら、ドコモ光がお得ですよ!」
と、勧誘を受けた方も多いでしょう。
資本主義に存在する企業として、売上拡大を追いかけるのは当然の事です。新規顧客獲得のコストは、既存ユーザーの維持に比べて5倍以上のコストが掛かると言われています。シンパシーを感じてくれている既存顧客への、新しい提案は日夜行われています。
別のサービスを加入してもらうことで、長期的に安定した囲い込みに繋がる事も、理由にあります。
国の方策として「自由競争は奨励するが、過度な顧客の囲い込みは否」が明快になっています。自社の回線でしか使う事の出来ない、SIMロックと呼ばれる携帯電話機種の販売が、事実上禁止されました。SIMフリーと呼ばれる、どの会社でも使うことを問わない機種の販売に変わっています。
既存のプランよりも明らかに安価な新プラン「ahamo」は、オンライン契約限定で、従来からあるdocomoの割引きを受ける事が出来ません。制約が少なくなって、自由に選べる環境になれば、本質的なメリットを自分で見極めることが出来ます。
品質をダウンさせる事無く、通信費全体をトータルで安価にするオススメの方法を、ドコモ光ユーザーの方々に解説いたします。
ドコモ光ユーザーになったきっかけ
「そろそろ自宅に光回線の導入をしたいなぁ~」
と漠然と思っているタイミングに、ドコモショップで
「光回線をお使いですか?まだならドコモ光がお得ですよ!手続きも簡単で今できます」
と勧誘を受けてドコモ光を導入した方が、ドコモ光ユーザーの割合の中では、とても多いです。そのまま光回線を利用し続けても、何ら問題はありません。しかし、お得の本質を理解するためには、光回線の実態から見ていきましょう。
光回線はNTTだけ?
ドコモ光の回線は、NTTの敷設した光ファイバーケーブル「フレッツ光」を利用しています。光回線サービスを行っている会社は、数多く有ると思いがちですが、実際に敷設されている光回線は、それほど多くありません。
ICT市場専門のリサーチ会社、株式会社MM総研の2020年9月発表のデータによれば(下図の左側の円グラフです)全国的に広く普及しているのは、NTTグループ(NTT東日本+NTT西日本)であり、そのシェアは半数を大きく超える64.9%です。
(出典:MM総研)
グラフ中のその他は、限られたエリアでのサービス展開です。
KDDIもNTTグループに続くシェアですが、実際に施設した光ファイバーケーブルのエリアは限られていて、大半のエリアはNTTの光ファイバーケーブルを使用していて、ダークファイバーと呼ばれるNTTで使われていない部分を利用しています。
NURO光を売り出し中のソニーネットワークコミュニケーションズも、KDDIと同様にNTTの敷設した光ファイバーケーブルで、ダークファイバーを利用しています。
いち早く全国に向けて光回線の整備に乗り出し、普及を進めてきたNTTグループは、資本力や技術力でも他社を圧倒しています。
NTTフレッツ光の利用2形態
フレッツ光回線の利用には、別途でプロバイダと呼ばれる接続業者との契約が必要です。
「え!?ドコモとしか契約してないんだけど?」
というドコモ光ユーザーの方、その通りです。光回線の普及した時期の、一般的な契約方法は「フレッツ光+プロバイダ」の契約でした。
(出典:NTT西日本*一部改変)
しかし、この形態では2箇所と契約を結ぶ必要があり、支払い先も2箇所になります。
トラブル時には対応窓口が2つ有ることになり、ユーザーにとっては不利益でした。
NTTがユーザーと直接契約する回線事業で、大きなシェアを持ち続けることが、競争の起こらない要因になって、光回線の普及が進まなくなる事を懸念した国は、多くの企業が扱う事で活性化する事を狙い、光回線の卸売りをNTTに要請します。
解りやすいシンプルな契約を望むユーザーの声もあって、2015年2月より「光コラボ」サービスが始まりました。
(出典:NTT西日本*一部改変)
「光コラボ」は光コラボレーションの略称です。
NTT東西から光回線の卸提供を受けた事業者が、光回線にプロバイダを組み合わせてワンストップサービスを行う形態です。これらの事業者は、光コラボ事業者と呼ばれます。
ドコモ光は「光コラボ」の一つです。そのため、NTTの回線フレッツ光を使用していますが、契約先はドコモ一社になります。
フレッツ光回線をNTT東西から卸し供給され、そのまま利用するので、光コラボで提供されるエリア・通信速度はフレッツ光と同じになります。
ドコモ光ユーザーが支払う全体の通信費
スマートフォンにdocomoを利用するユーザーは、光回線でドコモ光を利用する事で、携帯料金の割引が受けられます。
通信費全体は、光回線+携帯電話利用料金の合計金額になっているケースが多く、携帯電話の割引きが受けられるのは、通信費全体のトータルコストを下げる効果があります。
スマートフォンの契約プランに応じて、割引き金額は変わってきます。
家族5人で契約している仮定で、通信費全体をシミュレーションしてみます。
○ギガホプレミアプラン 容量60GB/月 月額7,205円
携帯電話ショップにお任せで契約すると、勧められるプランです。
事実上は外出時に容量を気にする事無く、快適にネット利用が出来ます。
家族で3回線以上docomoを利用すれば、1,100円の割引きが受けられます。
家族5人と仮定すれば
月の支払料金は(7,205円-1,100円)×5人=30,525円
になります。
ギガホプレミアプラン契約者は、ドコモ光の利用で月額1,100円の割引きが受けられます。
30,525円-(1,100円×5人)=25,025円
・戸建ての場合 (スマートフォン料金)25,025円+(ドコモ光)5,940円=30,965円
・マンションの場合(スマートフォン料金)25,025円+(ドコモ光)4,620円=29,645円
*OCNをプロバイダ利用した場合
通信費全体は
ギガホプレミアプランを家族5人で利用して、光回線にドコモ光を利用している場合の通信費全体の金額は、戸建てで30,965円・マンションで29,645円になります。
まず、プランを見直しましょう
通信費全体のトータルコストを下げるのには、携帯電話のプランを見直す事を最初に行いましょう。
2021年2月に、ICT市場調査コンサルティングの株式会社MM総研が発表した2020年12月時点での調査によれば、スマートフォン利用者の月々のデータ通信量は7.56GBでした。
(出典:MM総研)
平均数値は7.56GBですが、グラフを見ても明らかなように、7GBから8GB程度の利用者は多く有りません。
最も多いのは、1GB以下で30%を超えています。次は2GB未満で、それに続くのは3GB未満です。多くの方のデータ使用量は3GBまでで収まっている事を考えれば、先述の60GBプランを必要としていない方が大半であることを、ご理解頂けると思います。
光回線が導入されていてWi-Fiを利用する場合は、スマートフォンを自宅でどれだけ使っても、携帯電話会社のデータ量を消費しません。
光回線を引く前に使っていたプランがそのままなら、データの消費量が大きく変わっている可能性があるため、契約プランの見直しをオススメします。
実際に消費しているデータ量は、マイページを開けば、簡単にオンラインで見る事が出来ます。
では、docomoのデータ量が小さなプランへ、契約変更した場合を計算してみましょう。
ギガライトプラン
1GBまで 月額3,465円
3GBまで 月額4,565円
家族で3回線以上利用すれば、1,100円の割引きが受けられます。
家族5人と仮定すれば
1GBまでの月の支払料金は(3,465円-1,100円)×5人=11,825円
3GBまでの月の支払料金は(4,565円-1,100円)×5人=17,325円
になります。
ギガライトプラン契約者は、ドコモ光の利用で月額最大1,100円の割引きが受けられます。
1GBまで11,825円-(割引き額550円×5)=9,750円
3GBまで17,325円-(割引き額1,100円×5)=11,825円
になります。
通信費全体は
○1GBまで
・戸建ての場合 (スマートフォン料金)9,750円+(ドコモ光)5,940円=15,690円
・マンションの場合(スマートフォン料金)9,750円+(ドコモ光)4,620円=14,370円
○3GBまで
・戸建ての場合 (スマートフォン料金)11,825円+(ドコモ光)5,940円=17,765円
・マンションの場合(スマートフォン料金)11,825円+(ドコモ光)4,620円=16,445円
*OCNをプロバイダ利用した場合
になります。
ギガホプレミアプランと比較すれば、自分にとって適正なプランにする事で、通信費全体のトータルコストは大幅に安くなります。
ahamo 20GBまで 2,970円 5分かけ放題込み
2021年の春から登場した、話題の新プランです。
外出時にも通信データを消費する使い方をしている場合は、メリットが有ります。
オンライン契約に限定されていることと、今まで×××@docomo.ne.jpのメールアドレスを使っていた方はデメリットが有りますが、オンライン契約に抵抗がなく、メールもGmail等がメインの方なら問題ありません。
家族割やドコモ光割はありません。
2,970円×5人=14,850円
になります。
通信費全体は
・戸建ての場合 (スマートフォン料金)14,850円+(ドコモ光)5,940円=20,790円
・マンションの場合(スマートフォン料金)14,850円+(ドコモ光)4,620円=19,470円
*OCNをプロバイダ利用した場合
になります。
割引が無くても、ギガホプレミアプランと比較すれば、通信費全体のトータルコストが大幅に安くなります。
ドコモ光の特徴
通信費全体の費用を考える上で、携帯電話の料金について検証してきました。
次は、ドコモ光の回線について考えてみましょう。
ドコモ光は、光コラボ事業者の中では、少々形態が変わっています。光コラボ事業者の多くは接続業者プロバイダですが、ドコモ光では用意されたプロバイダから、一つを選択することが必要になります。
数社有るプロバイダの中で人気が有るのは、「ドコモnet」と「OCN」です。どちらもNTTグループの企業で、安心感から多くのユーザーが選択しています。純粋にプロバイダ業務を行っているのはOCNで、ドコモnetはOCNから技術供与を受けて運営されています。
ドコモ光でプロバイダにOCNを選ぶプランは、「ドコモ光 for OCN」ですが、これはフレッツ光回線を、OCNをプロバイダとして利用しているという事です。
ドコモ光 for OCNとOCN光の違い
同じ光回線のフレッツ光を利用しても、プロバイダの能力によって回線品質・速度は変わります。しかし、同じフレッツ回線を使い、同じプロバイダOCNを使えば、回線品質・速度は全く同じになります。
では、月額料金を比較してみましょう。
○ドコモ光 for OCN
・マンションの場合 4,620円
・戸建ての場合 5,940円
○OCN光
・マンションの場合 3,960円
・戸建ての場合 5,610円
になります。
基本的に同じサービスでも、月額料金はマンション・戸建て共にOCN光が安くなります。しかし、docomoユーザーにとっては、ドコモ光 for OCNに有った割引きが、OCN光では受けられなくなります。
通信費全体のトータルコストを考えた場合、回線月額料金の差額だけでは、「ドコモ光 for OCN」から「OCN光」に乗り換えるのは一見するとメリットが無い様に思います。でも、通信費全体のトータルコストを考えれば、「OCN光」に乗り換えた方がメリット大です。
OCNモバイルONEとは?
「OCN光」契約者にはdocomoの割引きはありませんが、格安SIM「OCNモバイルONE」で割引きが受けられます。
(出典:OCNモバイルONE公式)
OCNモバイルONEの料金は、1GB/月で月額770円・3GB/月で月額990円・6GB/月で月額1,320円・10GB/月で月額1,760円です。
上記の金額から、OCN光契約者は家族全員分の割引きが受けられます。
(出典:OCNモバイルONE公式)
同様に、家族5人で1GBプランを契約した場合のシミュレーションをしてみます。
○1GBプラン 1GBまで 月額770円
家族5人で利用した場合は、人数分だけ各220円の割引きが受けられます。
(770円-220円)×5人=2,750円
OCN光のマンションタイプ月額料金は、3,960円・戸建てタイプは5,610円です。
通信費全体は
・戸建ての場合 (スマートフォン料金)2,750円+(OCN光)5,610円=8,360円
・マンションの場合(スマートフォン料金)2,750円+(OCN光)3,960円=6,710円
になります。
ドコモ光で割引きを受けた、1GBの通信費全体のトータルコストを比較すると
・戸建ての場合
ドコモ光 15,690円 vs OCN光 8,360円
・マンションの場合
ドコモ光 14,370円 vs OCN光 6,710円
家族5人の通信費全部の料金は、戸建てで月額7,330円・マンションで月額7,660円の差額が出ます。
ドコモ光 for OCNからOCN光に乗り換える事で、年間にすると戸建てで87,960円・マンションで91,920円の通信費削減が可能になります。
格安SIMは不安?
「年間9万円前後も安くなるのは魅力だけど、よく解らないけど格安SIMって大丈夫?」という不安の有る方に、格安SIMをご説明します。
OCNモバイルONEは、docomo回線の一部を間借りしています。自分のところでアンテナなど大規模な投資をしていないことで、安価に提供が可能になっています。
通話はdocomo回線を利用するので、通話品質やエリア等は基本的に同じです。データ通信に関しては、一部の回線を間借りしているため、docomoほどの速度は出ません。
しかし、実用上の問題は殆どありません。
スマホがサクサク動くと言われる快適な下り速度は
メール・LINEで128kbps~1Mbpsです。
ウェブを閲覧する為にはテキスト中心のサイトで1Mbps程度です。
大きな写真が混在しているサイトで10Mbps程度です。
動画は解像度にもよりますが、5Mbpsから20Mbpsの速度があれば快適に視聴出来ます。このスピードを下回ると使えないという事ではありません。
あくまで快適にサクサク使うために必要なスピードです。
実際にその回線を使っているユーザーが、計測している「みんなのネット回線速度」を見てみましょう。理論上ではない、リアルな数値が出てきます。
「OCNモバイルONE」の、直近3ヵ月に計測された601件の測定結果の平均値は
下り平均速度 60.98Mbps
と、なっています。

数値を見てご理解頂けるように、快適に使える通信速度を充分に上回っています。
「ドコモ光 for OCN」から別の「OCN光」に乗り換える手順
「ドコモ光 for OCN」を現在契約している方が、「OCN光」へ乗り換える事を「事業者変更」と言います。
*上記2つに限らず、光コラボ契約者が事業者を乗り換える事を事業者変更と言います。
出典:NTT東日本公式
フレッツ光回線はそのまま利用するので、別途工事も必要ありません。
事業者変更前に利用していた光アクセスサービスの「お客さまID」「ひかり電話番号」は、事業者変更後も変更なく使う事が出来ます。
事業者変更の手順
- 事業者変更承諾番号の収得を、契約中の光コラボ事業者へ申し込む
- 新しい光コラボ事業者に、「事業者変更」として申し込む
- 事業者変更の手続きが完了(概ね1週間から2週間程度)すれば、利用できる様になります。
通信費全体のトータルコストで考えれば、OCN光がオススメ!
(出典:OCN光申込サイト)
「OCN光」にして、スマートフォンの契約も同時に見直せば、通信費全体の大きな節約に繋がる事をご説明してきました。
積極的に「OCN光」に変更をオススメする理由は、価格だけでは有りません。
技術力
NTTのグループ会社であるNTTレゾナントが運営(2022年7月にNTTコミュニケーションズから移管)する「OCN」は、世界的なTier1 IPバックボーンを保有しています。Tier1とは、インターネットの品質を自らコントロール出来る世界規模の広帯域IPバックボーンを有するISPグループの事で、世界で数社しかありません。アジアでは唯一のステータス保持社です。

接続方式
OCNは、IPoE標準対応していて、次世代の規格を誰でも享受出来ます。爆発的に増加するネット人口によって、現在の渋滞しがちなネット環境を改善するのが、次世代方式IPoEです。
キャッシュバック等の特典
事業者変更は、正規代理店での手続きを行った方が、多くのメリットが有ります。
公式の特典にプラスして、代理店独自のメリットを享受出来るからです。お得なキャンペーンの詳細は、以下のリンクを御確認ください。
