インターネットの優れた利便性を、多くの人が手軽に利用できるようにしたのはスマートフォンの功績です。興味のある事柄について調べたり、ネットショッピングでお目当ての商品を探しているうちに、思わぬ商品との出会いがあったり、SNSやYouTubeなどで面白動画を次々に視聴していたりすると、時間を忘れて没頭してしまいますよね。
スマホで自由にインターネットを利用するために、現在は多くの人が3大キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の無制限プランなどの、大容量プランを契約しているユーザーが多くなっています。スマホでインターネット利用の便利さは解っていても、毎月の支払い額が負担になっている方は決して少なくありません。
そんな方は、自宅にインターネットが利用できる固定回線を導入して、Wi-Fiが利用できる環境を整えれば、毎月の通信費の支払いを大幅に抑えられる可能性があります。快適な利用環境になる固定回線導入と併せてスマホプランを見直すことで実現する、コスパ抜群のプランについて解説していきます。
なぜ?固定回線の導入でコスパが向上するのか?
現在支払っているスマホ代だけでも負担が大きいのに、新たにインターネットの固定回線を導入してその月額料金の支払いが増えたら、コスパは悪くなるのでは?という疑問を抱く方も多いと思います。なぜ?固定回線でWi-Fiを利用できる環境の構築が、通信費の削減に繋がるのかについてご説明しましょう。
インターネットのデータ消費は自宅が多い
(出典:ソフトバンク)
このグラフは、ソフトバンクの「全国1,200人に聞く、スマホの通信利用に関する実態調査」からの引用です。
スマホを利用する場所は、自宅が圧倒的に多く94.6%になっています。特に短時間で容量を消費する動画視聴などは、腰を落ち着けて利用ができる自宅が多くなる傾向になっています。
自宅で自由にインターネットを利用するために、家族で個々に通信キャリアの無制限プランを使っていれば、支払い額は無制限プランに家族の人数を乗じた金額になります。無制限に利用ができる固定回線を導入して、自宅ではWi-Fiでインターネットの利用をするようになれば、契約しているスマホプランのギガを消費することが無くなり、スマホの無制限プランを使う必要が無くなります。
固定回線導入でスマホプランは小容量プランが最適になる
このグラフは、MM総研による「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態」(2025年1月調査)のデータを可視化したもので、契約しているスマホプランの毎月のギガ消費量の調査内容です。
最も多いのは月に1GB未満の利用者で、中央値になる3GB未満を利用しているユーザーが大半です。数値には自宅でWi-Fiが利用できるユーザーとできないユーザーが混在していますが、自宅にWi-Fiがあれば概ねスマホプランの容量は3GB未満程度で賄う事ができるユーザーが多くなることが推察できます。
3GB程度の小容量スマホプランは、3大キャリアの無制限プランよりも大幅に安く利用ができるものが多く、家族の人数にもよりますが、その差額で固定回線の月額料金を賄うことができるだけでなく、通信費トータル費用を削減することが可能になります。
コスパ抜群を実現するポイントは「セット割」
通信費トータル費用を節約してコスパ抜群を実現するためには、固定回線と特定のスマホプランを併用することで毎月のスマホ代の割引が適用される、「セット割」が利用できる組み合わせにすることがポイントです。
3大キャリアでも小容量プランは用意されていて、「セット割」を適用することもできますが、コスパは決して良いとは言えません。
通信キャリアの通信品質を利用することができて、安価な月額料金で提供されている「サブブランド」のスマホプランがおすすめで、「セット割」の適用も受けられます。サブブランドならコスパは抜群でも、通信品質を犠牲にすることなく外出先でインターネットの利用ができます。
固定回線と併用して「セット割」が適用できる「サブブランド」は?
自宅の固定回線と併用して「セット割」が適用されて安価に利用ができる、通信キャリアが提供している「サブブランド」には、auの「UQモバイル」と、ソフトバンクの「ワイモバイル」があります。
UQモバイル
(出典:UQ mobile公式サイト)
自宅に固定回線でWi-Fiが利用できる場合に最適な、3GB/月程度の小容量スマホプランは、UQモバイルでは4GBの「ミニミニプラン」をおすすめします。
プラン名 | ミニミニプラン |
容量 | 4GB |
基本月額料金 | 2,365円 |
セット割 | 1,100円 |
割引後 | 1,265円 |
auの無制限プランの月額料金は、家族割などの各種割引を適用しても6,000円程度ですから、UQモバイルのミニミニプランにセット割を適用させた月額1,265円の料金はコスパ抜群です。
注意が必要なのは、UQモバイルはプラン改定を発表していて、2025年6月2日までしか加入契約をすることができません。6月3日以降の新プランでは、ミニミニプランが廃止されることが明らかになっています。*既存の契約者は継続して利用ができますが、既存プランの値上げも併せて発表されています。(2025年5月15日時点で内容は未定)
2025年6月3日以降の新プランでは、トクトクプラン2が自宅の固定回線との併用で最適になります。
プラン名 | トクトクプラン2 | |
容量 | 5GB未満 | 30GB |
基本月額 | 2,948円 | 4,048円 |
セット割 | 1,100円 | 1,100円 |
割引後 | 1,848円 | 2,948円 |
月額料金はミニミニプランと比較して上がりますが、「セット割」を適用すれば容量が5GBに増えて月額1,848円で利用できます。
ワイモバイル
(出典:ワイモバイル公式)
自宅に固定回線でWi-Fiが利用できる場合に最適な、3GB/月程度の小容量スマホプランは、ワイモバイルでは4GBの「プランS」をおすすめします。
プラン名 | S |
容量 | 4GB |
基本月額 | 2,365円 |
セット割 | 1,100円 |
割引後 | 1,265円 |
ソフトバンクの無制限プランの月額料金は、家族割などの各種割引を適用しても6,000円程度ですから、ワイモバイルのプランSにセット割を適用させた月額1,265円の料金はコスパ抜群です。
自宅の固定回線の種類には何がある?
自宅でインターネットが利用できる固定回線の種類には、「光回線」と「ホームルーター」があります。
自宅に固定回線を導入することで、家族で利用するインターネット回線の一本化ができてコスパの向上に繋がるだけでなく、パソコンやテレビなどのスマホ以外の機器でインターネットが利用できるようになります。
「光回線」と「ホームルーター」それぞれのメリット・デメリットは?
固定回線の「光回線」「ホームルーター」の月額料金に大きな差は無く、マンションでの利用は光回線が安い傾向にあり、一戸建て利用ではホームルーターが安くなる傾向になっています。どちらも「セット割」が適用できるスマホプランがあるサービスはありますし、家族みんなで無制限にインターネットが利用できるという点でも同じです。
それ以外の、「光回線」「ホームルーター」のメリット・デメリットを見ていきましょう。
光回線のメリット〇
通信速度が速く、安定した通信環境を利用できる
サービスを提供している会社が公表している通信速度は、「公称値」と呼ばれている理論上の数値でしかありません。光回線で最も普及している公称値の通信速度は1Gbpsで、ホームルーターにはより速い公称値を標榜しているサービスもありますが、実際に利用できる通信速度は無線回線のホームルーターよりも、有線の光ファイバーケーブルを使う光回線の方が利用環境など外部の影響を受けにくく、より速い通信速度を高いレスポンスで利用できます。
利用者が通信速度を計測している「みんなのネット回線速度」で、「光回線」「ホームルーター」の直近3ヶ月の平均値データを比較すると、以下になります。
回線 | Ping | 下り | 上り |
光回線 | 18.3ms | 506.2Mbps | 433.2Mbps |
ホームルーター | 43.0ms | 219.9Mbps | 29.2Mbps |
*通信速度には上りと下りがあり、数値が大きいほど速い
*Ping値は数字が小さいほど、反応速度レスポンスが良い
光回線のデメリット×
導入工事が必要で利用できない住居がある
光回線を利用するためには、立ち会いが必要な回線の導入工事が必要になります。光回線の申し込みをしても工事が完了するまでは利用することができず、2週間から1ヶ月程度が開通までに概ねかかるので、即座に利用することはできません。
戸建てで光回線を利用する場合、近くまで来ている(提供エリア)光回線を自宅に引き込むので、提供エリアになっていないお住まいでは利用することができません。マンションなどの集合中宅では、建物の共有スペース内まで導入工事が完了している光回線しか、原則として利用することができない制約があります。
ホームルーターのメリット〇
導入工事が必要無くコンセントに挿せば直ぐ使える
ホームルーターは無線回線を遣うため導入工事の必要が無く、申し込みをしてから数日で機器が到着すれば、コンセントに挿すだけで、直ぐに自宅のインターネット利用をWi-Fiで使えるようになります。引っ越しをする場合に、光回線は引っ越し先での新たな導入工事が必要になりますが、ホームルーターは使用場所の登録変更を行うだけで、引っ越し当日からWi-Fiが利用できます。
ホームルーターのデメリット×
通信速度は光回線に及ばない
先の「みんなのネット回線速度」データを見ても明らかなように、ホームルーターの通信速度は光回線に及びません。特に上りの通信速度には大きな差があり、web会議の利用や大きなデータを扱う在宅ワーク利用や、動画のアップロードを頻繁に行うユーザーは、効率が大幅に落ちることを承知しておく必要があります。
固定回線には「光回線」がおすすめ
自宅で利用するWi-Fiの固定回線には、導入工事を行ってでも、安定した高速通信が利用できる「光回線」がおすすめです。
年々利用するインターネットのデータ量は増加していて、今後もその傾向は変わらないと考えられています。光回線なら家族で利用しても余裕を持って快適に使うことができます。
光回線でコスパ抜群の併用プラン2選
自宅の固定回線として光回線を導入して、併用して「セット割」が適用できるコスパ抜群のプランを具体的にご紹介しましょう。
通信品質とキャンペーンで選ぶなら「ビッグローブ光」+「UQモバイル」
(出典:ビッグローブ光申込サイト)
光コラボの「ビッグローブ光」は、全国に幅広い提供エリアを持ち、多くの建物の共有スペース内まで導入工事が完了しているNTT東西の光回線フレッツ光を利用するので、日本中の多くの住居で利用することができて、申し込みから開通までの期間も早ければ概ね2週間程度で工事が完了します。
「UQモバイル」の併用で「セット割」が適用されて、通信費トータル費用の節約が可能になります。
ビッグローブ光の月額料金は、マンション集合住宅4,378円・一戸建て住宅5,478円です。
キャッシュバックキャンペーン
ビッグローブ光を契約すると、キャッシュバックが受け取れるキャンペーンを行っています。

工事費無料キャンペーン
ビッグローブ光を新規導入する場合には、導入工事の費用が発生します。最大で28,600円の標準工事費がかかりますが、今なら工事費が実質無料になるキャンペーンが行われています。

引っ越し移転時の工事費用が無料
転勤族の方や引っ越しする予定がある方にも、ビッグローブ光がおすすめです。
ビッグローブ光では何度引っ越しを行っても、その都度必要になる工事費が無料になる、お得に継続利用ができる光コラボです。
通信費トータル費用
ビッグローブ光とUQモバイル(ミニミニプラン)を併用して、「セット割」を適用した場合の通信費トータル費用は以下の通り、コスパ抜群です。
単身利用の場合
ビッグローブ光 | UQモバイル | 家族 | 光電話 | 合計 | |
マンション | 4,378円 | 1,265円 | 1人 | 550円 | 6,006円 |
戸建て | 5,478円 | 1,265円 | 1人 | 550円 | 7,106円 |
*auPAYカードで支払う場合、合計請求額より187円割引(表には適用済み)
*セット割の適用には固定電話の光電話オプション契約が必要になります
家族4人で利用の場合
ビッグローブ光 | UQモバイル | 家族 | 光電話 | 合計 | |
マンション | 4,378円 | 1,265円 | 4人 | 550円 | 9,801円 |
戸建て | 5,478円 | 1,265円 | 4人 | 550円 | 10,901円 |
*auPAYカードで支払う場合、合計請求額より187円割引(表には適用済み)
*セット割の適用には固定電話の光電話オプション契約が必要になります
「ニフティ光」+「UQモバイル」にセット割の適用もおすすめ
(出典:ニフティ光申し込みサイト)
光コラボの「ニフティ光」も、ビッグローブ光と同様にNTTの光回線フレッツ光を使うため、日本中の多くの住居で利用が可能になっています。ニフティ光と「UQモバイル」の併用で「セット割」が適用されて、通信費トータル費用の節約が可能になります。
ニフティ光の月額料金は、マンションタイプ4,378円・一戸建てタイプ5,720円です。
キャッシュバックキャンペーン
ニフティ光を契約すると、キャッシュバックが受け取れるキャンペーンを行っています。

月額料金22ヵ月間割引キャンペーン
ニフティ光を新規契約すると、契約時から22ヵ月間月額料金が1,100円の割引が受けられます。
引っ越し移転時の工事費用が無料
転勤族の方や引っ越しする予定がある方にも、ニフティ光がおすすめです。
ニフティ光では何度引っ越しを行っても、その都度必要になる工事費が無料になる、お得に継続利用ができる光コラボです。
通信費トータル費用
ニフティ光とUQモバイル(ミニミニプラン)を併用して、「セット割」を適用した場合の通信費トータル費用は以下の通り、コスパ抜群です。
単身利用の場合
ニフティ光 | UQモバイル4GB | 家族 | 光電話 | 合計 | |
マンション | 4,378円 | 1,265円 | 1人 | 550円 | 6,006円 |
戸建て | 5,720円 | 1,265円 | 1人 | 550円 | 7,348円 |
*auPAYカードで支払う場合、合計請求額より187円割引(表には適用済み)
*セット割の適用には固定電話の光電話オプション契約が必要になります
家族4人で利用の場合
ニフティ光 | UQモバイル4GB | 家族 | 光電話 | 合計 | |
マンション | 4,378円 | 1,265円 | 4人 | 550円 | 9,801円 |
戸建て | 5,720円 | 1,265円 | 4人 | 550円 | 11,143円 |
*auPAYカードで支払う場合、合計請求額より187円割引(表には適用済み)
*セット割の適用には固定電話の光電話オプション契約が必要になります
光回線が利用できない場合は「ホームルーター」コスパ抜群なのは?
固定回線として最もおすすめするのは「光回線」ですが、光回線が利用できない住居にお住まいの方や、今後に引っ越すことを予定されている方には、「ホームルーター」が最適です。
ホームルーターは、通信キャリア4社から提供されています。
2年間の支払い費用総額を比較
ホームルーターの月額料金は各社で異なり、利用年数によって異なることもあります。また、ホームルーターを利用するためには端末代の料金が発生しますが、金額や扱いが異なっています。加えてキャッシュバック特典を出しているケースと、出していないケースがあります。
そのためホームルーターを比較するには、単純な開始時の月額料金だけではなく、一定の期間に発生する費用を加算して、キャッシュバック特典などを減算して比較するのがフラットです。2年間の費用総額を4社のホームルーターで比較してみましょう。
提供企業 |
ドコモ |
KDDI | ソフトバンク |
楽天モバイル |
|
サービス名 | ドコモ home 5G HR02 |
HOME 5G L13 | ソフトバンクエアー Airターミナル5 |
ソフトバンクエアー Airターミナル6 |
楽天モバイル Rakuten Turbo5G |
基本月額 1年目 | 5,280円 | 4,268円 | 3,674円 | 4,950円 | 6,572円 |
基本月額 2年目 | 5,280円 | 4,950円 | 5,368円 | 4,950円 | 6,572円 |
機種代実質 | 0円 | 5,940円 | 0円 | 0円 | 41,568円 |
2年間合計金額 | 126,720円 | 116,556円 | 108,504円 | 118,800円 | 157,728円 |
キャッシュバック | 20,000円 | 0円 | 30,000円 | 30,000円 | 0円 |
2年間実質合計 | 106,720円 | 116,556円 | 78,504円 | 88,800円 | 157,728円 |
実質月額料金 | 4,447円 | 4,857円 | 3,271円 | 3,700円 | 6,572円 |
*ドコモHR02のキャッシュバックは、Amazonギフト券 *ドコモHR02は2025年7月以降の改定後月額料金 *ソフトバンクエアー Airターミナル5の1年目料金は年間の平均月額 *楽天モバイル Rakuten Turbo5Gの月額料金は、24回分割の月額1,732円を含む |
最もコスパが良いのは「ソフトバンクエアー」
(出典:ソフトバンクエアー申込サイト)
最もコスパが良いホームルーターは、「ソフトバンクエアー」です。
「Airターミナル5」の実質月額支払いは、キャッシュバック特典30,000円があることと、利用開始から6ヶ月間は月額1,980円で利用ができること、機種本体料金が36回払いにすると毎月の分割費用の1,980円が割り引かれることが効いて、月額3,271円というコスパの良さで収まります。
次世代の高速Wi-Fi規格である「Wi-Fi7」がホームルーターで唯一利用ができる、「Airターミナル6」も、実質月額支払いが3,700円で他社を圧倒しています。
ソフトバンクエアーは、ソフトバンクのサブブランド「ワイモバイル」を併用することで、「セット割」が適用されます。
ソフトバンクエアー+ワイモバイルで毎月の通信費トータル費用は?
自宅にホームルーターが利用できるようになれば、光回線と同様に最適なのは3GB/月程度の小容量プランであり、ワイモバイルでは4GB/月のプランSをおすすめします。
ソフトバンクエアーを自宅の固定回線として使い、ワイモバイルのプランS(4GB/月)を併用してセット割を適用した場合の、毎月の通信費トータル費用を計算してみましょう。(*ソフトバンクエアーの月額料金は基本の5,368円で割引なしの計算)
単身利用の場合
ソフトバンクエアー | ワイモバスマホ 4GB |
家族 | 合計 |
5,368円 | 1,265円 | 1人 | 6,446円 |
家族4人で利用の場合
ソフトバンクエアー | ワイモバスマホ 4GB |
家族 | 合計 |
5,368円 | 1,265円 | 4人 | 10,241円 |
抜群のコスパで固定回線のホームルーターと、ソフトバンクと同様の通信品質のスマホが利用できます。