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光回線の無線速度の目安や速くする方法を解説

WiFi

皆さんの生活圏に、いつも渋滞している場所はありませんか?

 

解っている渋滞箇所なら、出来れば避けたいところですが・・・他に合理的に避けられるルート無いからこそ、渋滞するわけですよね。

 

神奈川県の国道134号線は、湘南の海沿いを走る、気持ちの良い絶好のドライブルートです。それだけに交通量も普段から多いのですが、小田原方面から藤沢江ノ島方面に軽快に走行していても、決まって平塚に入ると大渋滞で進まない事が日常茶飯事でした。

 

渋滞の原因はハッキリしています。平塚に入ると、それまで片側2車線だった道路が、数キロにわたって片側1車線になるからです。茅ヶ崎に入ると再び片側2車線になり、スムーズに流れるようになります。

 

10年位前に同エリアでも片側2車線化されて、この「ボトルネック」は解消しています。高速な光回線を使用していても、使っている利用環境の中に「ボトルネック」が存在していれば、充分な回線速度を楽しむ事が出来ません。

 

スマートフォンやタブレット・パソコン・ゲーム機など、光回線を使ってインターネットの利用時に、Wi-Fi接続で無線利用する事はとても便利です。しかし、同じように見えるWi-Fiにも種類があり、これが「ボトルネック」になって、速度が充分に出ない環境になっているケースが多々有ります。

 

「ボトルネック」を解消する事が出来れば、無線速度は向上できます。インターネットの無線利用であるWi-Fi接続の、速度の目安や速くする方法を解説します。

 

速度について

回線速度の「遅い」「速い」は数値で表すことが出来ます。

 

回線速度の単位

通信速度の単位は「bps」という単位で、数値が大きくなるほど高速になります。bpsはBit per secondの略語で、1秒間にどれだけのデータ量を転送出来るかという意味です。1,000bpsは1kbpsであり、1,000kbpsが1Mbpsになり、1,000Mbpsは1Gbpsになります。

 

現在の、光回線の主力になっている回線速度は1Gbpsです。

 

回線速度にある「上り」と「下り」

通信速度には「上り」と「下り」があります。同じ回線でも、この2つは通信速度が異なることが大半です。「上り」と「下り」は、自分を起点に考えます。

 

「上り」は、アップロード時(メール送信や写真や動画のアップ等)の完了までの時間に影響して、「下り」は、ダウンロード時(ブラウザ閲覧等のネットサーフィン・動画視聴等)の快適さや表示時間に影響します。

 

Wi-Fiって何?

インターネットを無線で利用する場合に、Wi-Fiは速度に大きな影響を与えます。

 

Wi-Fiを簡単にご説明します。

 

Wi-Fiは国際標準規格

日常会話の中に自然に出てくるほど、一般的に定着しているWi-Fi「ワイファイ」。

 

無線LANと、どう違うのか?普段から何となく疑問に思っていた方もいらっしゃると思いますが、Wi-Fiは無線LANに関する登録商標です。

 

米国に本拠地を置く、業界団体「Wi-Fi Alliance」が商標を保有しています。

 

無線の規格がバラバラではユーザーに不利益が多く、国際標準規格IEEE802.11規格を遵守したものだけを、Wi-Fiと呼ぶ事が出来ます。

 

これは世界共通の規格で、この規格が有る事で、接続する機器のメーカーを問わずに、無線で繋がる便利さが享受出来ます。

 

Wi-Fiの意味と語源は?

Wi-Fiの語源・意味は諸説有りますが、特に意味は無く、「ハイファイ」の語呂合わせでワイファイ(ワイにはワイヤレスの意味があったと思われます)になったと言われています。

 

Wi-Fiは時代と共に進化しています

「無線を使ってインターネット回線と端末を繋ぐ」事自体は、今も昔も変わっていません。しかし、時代の進化と共に端末の性能は向上して処理能力が上がり、インターネット回線もアナログ接続28,800bpsからISDNを経て、ADSLの時代から現在の光回線の1Gbpsへと進化しています。

 

これを接続するWi-Fiも、時代と共に充分な性能を発揮できる速度の規格に進化しています。

 

規格名 名称 周波数帯 最大通信速度 電波干渉 障害物
IEEE802.11 2.4GHz 2Mbps 弱い 強い
IEEE802.11b 2.4GHz 11Mbps 弱い 強い
IEEE802.11a 5GHz 54Mbps 強い 弱い
IEEE802.11g 2.4GHz 54Mbps 弱い 強い
IEEE802.11n Wi-Fi 4 2.4GHz 600Mbps 弱い 強い
5GHz 600Mbps 強い 弱い
IEEE802.11ac Wi-Fi 5 5GHz 6.9Gbps 強い 弱い
IEEE802.11ax Wi-Fi 6 2.4GHz 9.6Gbps 弱い 強い
5GHz 9.6Gbps 強い 弱い

表1

 

Wi-Fi規格の正式な名称表記は、「IEEE802.11+アルファベット」になります。

 

Wi-Fiを利用する時に、「g」とか「a」に見覚えのある方もいらっしゃるでしょう。

 

たとえば、NEC製のルーターでは「aterm-×××-g」と「aterm-×××-a」、バッファロー製のルーターでは「Buffalo-G-×××」と「Buffalo-A-×××」が出てきます。

 

表1では、時代の進化と共に最大速度が向上している順番で並べています。

 

「IEEE802.11+アルファベット」は一般的に馴染みが薄く、「11g」「11a」と省略されて使われる事も多かったのですが、携帯電話の電波4G(第4世代)と5G(第5世代)の様に、一目で解りやすい時代を表す表記を求める声が強くなり、「IEEE802.11ax」の設定時に「Wi-Fi 6」と呼ばれる事が決まりました。

 

Bitly

 

同時に時代の前後を明快に示すため、それ以前の「n」を「Wi-Fi 4」・「ac」を「Wi-Fi 5」にする事も決まりました。

 

それ以前の規格では、同様の名称は付きません。

 

アルファベットの付かない最古参の「IEEE802.11」を第一世代とするなら、一つずつズレてきそうですが、一般的に普及したのは「b」からなので、ものの数に入れなかったか、第0世代という事かもしれません。

 

古いルーターを継続利用していませんか?

ルーターは基本的に電源を24時間入れっぱなしで利用しますが、充分な耐久性を持つ製品が殆どで、意外と長持ちする機器です。

 

総務省が令和2年6月に発表した、電気通信市場の分析結果によれば、10年以上光回線を継続利用しているユーザーは、33.2%と最も大きな数字になっています。

 

 

 

(出典:総務省

 

時代でWi-Fiの速度は大幅に変わっています

「まだ壊れていないから、充分利用出来る」と、以前から利用しているWi-Fiルーターを使い続けていれば、インターネットを利用する端末全ての「ボトルネック」になり、回線速度に影響が出ている可能性が有ります。

 

IEEE802.11nが策定されたのは2009年で、本格的に普及したのは2010年頃からでIEEE802.11acが策定されたのは2014年で、本格的な普及は2015年頃です。

 

IEEE802.11gとIEEE802.11nには、Wi-Fiの通信速度に大きな開きがあります。

 

IEEE802.11bを使用している場合には、1Gbpsの光回線を利用していても、最大で11Mbpsの速度しか出ません。実際の数値は概ね一桁Mbpsになります。

 

Wi-Fiルーターには互換性があります

深く考える事無く、同じWi-Fiルーターを使い続けていたユーザーが、Wi-Fiルーターを新しく変えただけで、同じ光回線・同じ端末を使っているのに、回線速度が劇的に改善して、インターネット利用環境が快適になるケースが数多く有ります。

 

Wi-Fiルーターを新しく購入しても、利用している端末を変える必要はありません。

 

新しい「ax」規格のWi-Fiルーターを購入しても、従来から利用している端末が「g」や「n」でも問題無く接続出来ます。Wi-Fiルーターは複数規格に対応していて、規格の異なる端末を同時利用しても、何の問題も有りません。

 

基本的には規格の上限が決まっているだけで、それ以前の規格にしか対応していない機器でも、それまでと同様にWi-Fiは利用出来ます。

 

まだ、スマートフォンで「ax」規格に対応している機種は少ないですが、徐々に対応する機種が増えています。

 

今後に購入するスマートフォンが「ax」規格に対応していれば、「ax」規格の「Wi-Fi6」ルーターを使用する事で、速度性能をフルに発揮することが出来ます。

 

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Wi-Fiにある2つの周波数

表1を見ると、2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯がある事が解ります。Wi-Fiで周波数帯が2つ用意されているのは、電波特性が異なるためです。

 

その違いを見ていきましょう。

 

2.4GHz帯

5GHz帯よりも電波が遠くまで届き、比較的障害物があっても届く事からWi-Fi基地局の有る部屋と別の部屋で利用するのに向いています。

 

同じ周波数帯に、電子レンジ・ブルートゥース・コードレス電話があり、電波干渉を受けると通信が不安定になります。

 

5GHz帯よりも通信速度は遅くなります。

 

5GHz帯

2.4GHz帯よりも通信速度が速く、同じ周波数帯を利用する機器が無く安定しています。壁や天井などの障害物に弱く通信距離も短いため、Wi-Fi基地局の有る部屋と別の部屋での利用には向きません。

 

Wi-Fi電波を吸収して、弱くする物

Wi-Fiを利用する環境は様々で、影響を与える内容も様々です。利用していて遅いと感じたり、調子が悪かったりする時には、端末の設定から別規格のWi-Fiに接続先を変更してみる事も検討して下さい。

 

具体例を挙げればキリが有りませんが、一例としてWi-Fiを吸収する物を挙げます。

 

金属はWi-Fi電波を吸収します。金属製の棚の中やラックに収納する状態にある基地局は、不安定になります。最も避けたいのは水です。水は電波を吸収しやすい特性が有り、水槽や花瓶の近くへ設置する事は避けるべきです。

 

Wi-Fiルーターから距離がある場合

Wi-Fiの電波は、距離があるほどに低下して、速度も遅くなります。

 

Wi-Fiルーターの置いてある部屋以外で利用する場合、5GHzの電波よりも2.4GHzの方が遠くまで届く特性があるため、5GHz に接続しても不満が有る場合でも、2.4GHzに接続詞直すことで、問題が解決する場合があります。

 

インターネットが利用出来る端末が増えると、すべての機器がWi-Fiルーターの置いてある部屋や、近くだけの利用や設置は無理があります。

 

自宅の複数の部屋でWi-Fiを利用するには、別の機材を追加する事で、快適な利用が可能になります。

 

中継機の導入

中継機は、利用する端末とWi-Fiルーターの間に設置して使います。Wi-Fiルーターの電波を中継機が受信すると、中継機で改めて電波を出力する事でWi-Fiの利用出来るエリアを広げる機器です。

 

部屋の構造や建材にもよって範囲は変わりますが、複数台の中継機を設置することも可能で、コンセントがある場所なら何処にでも置く事が出来て、自宅の何処に居ても快適にWi-Fiが利用出来る、速度が出る環境を構築出来ます。

 

中継機も「IEEE802.11」の規格に準ずるものなら、メーカーがWi-Fiルーターと異なっても利用することが可能です。

 

「WPSボタン」が有る機種では、機器同士も簡単に接続設定が可能です。

 

NECでは「らくらくスタートボタン」・バッファローでは「AOSSボタン」も同様です。

 

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メッシュWi-Fiの導入

メッシュ(Mesh)Wi-Fiは、新しい技術と考え方でWi-Fiエリアを拡大するものです。

 

中継機では各の機器が独立していて、コントロールする事は出来ません。接続は常に固定されていて、環境の変化や端末の移動には能動的な対応が出来ず、不具合が生じる事が有ります。

 

メッシュWi-Fiは、能動的に通信経路を構成して、安定感のあるWi-Fiエリアの拡大が出来ます。メッシュWi-Fiの規格には標準規格が存在しない時代が続き、メーカー間で互換性が保てない弊害があり、普及に繋がっていませんでした。

 

現在では「IEEE802.11」と同じように、前述の「Wi-Fi Alliance」が標準規格である「Wi-Fi EasyMesh(イージーメッシュ)」を発表しましたが、この規格が普及するのは、まだこれからです。

 

Wi-Fiが苦手とする、鉄筋コンクリート構造・金属や温水を床に張り巡らせる床暖房の場合や、広大なお住まいのユーザーには、経路を自動で能動的に変化させるメッシュWi-Fiが向いています。

 

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基本を見直す

光回線を利用しているのに、Wi-Fi接続する機器の速度に不満が有る場合は、基本的な事を確認しながら見直してみましょう。

 

機器の再起動

比較的新しいWi-Fiルーターを利用しているなら、再起動を試して下さい。Wi-Fiルーターだけで無く、関係する機器の全てを再起動する事が効果的です。

 

特にスマートフォンやタブレットは、充電する事は有っても電源は入れっぱなしのユーザーも多く、速度の回復にも効果的な場合があります。

 

OFFにする順番としては

 

端末(パソコン・スマホなど) - Wi-Fiルーター - ONU

 

の順序で電源を切っていきます。

 

ゆっくりと10数えたら

 

ONU - Wi-Fiルーター - 端末(パソコン・スマホなど)

 

の順番で電源を入れていきます。

 

LANケーブルの確認

利用する端末がすべてWi-Fi接続でも、光回線とWi-Fiルーターは有線のLANケーブルで繋がれています。

 

同じように見えるLANケーブルですが、規格によって性能が異なります。古いケーブルをずっと利用し続けているなら、脱線等の不具合が無い場合でも、LANケーブルが「ボトルネック」になって、回線速度が出ない事が有ります。

 

LANケーブルはカテゴリごとに最大速度が異なります。

 

主な種類と最大速度は

 

カテゴリ5(CAT5)  100MB

カテゴリ5e(CAT5e) 1GB

カテゴリ6(CAT6)  1GB

カテゴリ6A(CAT6A) 10GB

カテゴリ7(CAT7)   10GB

 

になっています。

 

カテゴリ5(CAT5)を利用していれば、1Gの回線を利用していても、ケーブルの規格100MB以上の回線速度は出ません。

 

ケーブルを確認して、CAT5もしくはANSI/TIA/EIA-568-B.1の記述が有るなら、新しい上位のLANケーブルに交換することで、回線速度は本来のポテンシャルを取り戻し改善します。