テレワーク・リモートワークを導入する企業が増えています。
総務省が令和4年5月27日づけで発表した「令和3年通信利用動向調査の結果」では、導入企業の割合が、半数を超える51.9%になったことを伝えています。
テレワークには、自宅を勤務先とする「在宅勤務」・自宅近くや通勤途中の場所に設けられた「サテライトオフィス勤務」・自由に働く場所を選択出来る「モバイル勤務」がありますが、その中で「在宅勤務」の割合が 91.5%を占め、事実上はテレワーク・リモートワーク=在宅勤務の図式が定着しつつあります。
テレワークの導入は産業別で差が有りますが、「情報通信業」97.7%・「金融・保険業」82.4%・「不動産業」75.1%など、大きな広がりを見せていて、今後もその流れは大きく変わらないと考えられています。
それを裏付ける数値として、クラウドコンピューティングサービスを導入している企業の割合が、70.4%にも上ることが挙げられます。
統計上には出てきませんが、クラウドサービス以外でも自社のファイルサーバーを導入している企業も加算すれば、場所を選ばずに、何処からでも必要なファイル情報にアクセス出来る、テレワークの円滑な運用に必要なペーパレス化が、着々と進行していると考えられます。
テレワークやクラウドなど、利便性の高いシステムと働き方を可能にしているのは、それを繋ぐインターネット回線です。
現代のビジネスにおいては、不可欠なツールになっているインターネット回線ですが、個人がプライベートに利用するものと、法人・事業所などビジネスで利用するものでは、必要なニーズが異なってきます。
事業所にオススメのインターネット回線には何が良いのか?解説いたします。
事業所に導入されているインターネット回線は?
一般的なインターネットの回線手段としては、「モバイルルーター」「ホームルーター」「光回線」がありますが、企業のインターネット回線導入の実態を見てみましょう。
(出典:総務省令和3年通信利用動向調査の結果)
ブロードバンド回線(高速回線)を利用する企業が、100%に迫る勢いです。
ナローバンド回線(低速回線)を利用する企業の数値を加えると、100%を超える事から、ブロードバンドを導入している企業の中に、以前から使っていた古い回線契約が残っていると考えられます。
ここに出てくるブロードバンド回線を、簡単にご説明しましょう。
光回線
事業所においてのインターネット接続で、圧倒的な導入割合なのが光回線です。
光ファイバーケーブルを利用して、通信を行います。
高速通信で大量のデータをやり取りする事が出来て、安定しています。
コストパフォーマンスも高い事から、多くの事業所に導入されています。
専用線
光回線では、単一の事業所だけの利用では無く、多くの企業や個人と1本の回線を共有して利用するのに対して、専用線では自社で独占してネットワーク回線を利用します。
単独使用のためセキュリティレベルが高く、大容量の送受信も他のユーザーの影響を受けないことから、高速の安定した通信環境が保障されています。
専用線は拠点間の距離に応じて維持費用が変わるなどコストが高く、2つの拠点(本社と支社などの拠点)のみで通信が可能なため、その他の場所では専用線を利用が出来ないなど、制約も大きい事から、導入する事業所は限られています。
ケーブルテレビ回線
限られた地元エリアで展開するサービスのケーブルテレビ回線は、従来の銅線ケーブルから光回線への変更が進んでいて、契約先がケーブルテレビというだけで、実際は光回線を利用しているというケースも多くなっています。
DSL回線
DSLはDigital Subscriber Lineを略したもので、従来からあった電話線に利用してる銅線ケーブルを利用して、常時接続を可能にした、ブロードバンドの幕開けを告げた回線です。普及が進んだのは、非対称DSLのADSLサービスです。
すでに新規の加入者は停止されていて、過去の技術だと言えます。
基地局の距離からによって、通信環境が大幅に変わるなどデメリットも多く、それまでADSLを利用していた事業所でも、光回線の利用に置き換わっています。
固定無線回線
FWA(Fixed Wireless Access)と呼ばれる、無線通信規格です。
1対1で最長4kmを最高156Mbpsの速度で繋ぐP-P(Point-to-Point)方式と、基地局が複数の相手と通信を最長1km最高46Mbpの速度で繋ぐ、P-MP(Point-To-Multipoint)方式があります。
指向性が高く、アンテナ同士が見通せる位置にある必要が有り、利用されるのは人口密度の極めて少ない一部のエリアに限られています。
BWAアクセスサービス
地域広帯域移動無線アクセス(Broadband Wireless Access)を略したものが、地域BWAと呼ばれる無線通信です。
地域の公共サービスの向上やデジタルや、ディバイド(条件不利地域)の解消に用いるため、限られたエリアで展開されています。
その他
ホームルーター・モバイルルーターが、その他に入っていると考えられます。
両者は手軽に利用出来るインターネット回線の手段ですが、事業所でビジネスに利用する回線としては、極めて少ない数値になっています。
通信速度や安定感などで、プライベート利用には支障が無くても、業務効率等を考慮すれば、お金に直結するビジネスの現場では、これらのインターネット回線は向いていないと、多くの事業所では判断しています。
事業所に導入する光回線サービスは何が最適?
数多いサービスがあると感じる光回線ですが、実際に敷設されている回線は多くありません。
これは、法人など事業所向けという事では無く、光回線全般に言える話です。
今までに無かった新しい光ファイバーケーブルを、幅広いエリアに敷設するためには、豊富な資金力だけではなく、配線するための環境を既に持っている企業に限られます。
具体的には、NTT東西(電話線)・電力系(電線)・有線放送ケーブルテレビ系(有線ケービル)です。
光回線のシェア
ICT市場専門のリサーチ会社、株式会社MM総研の2021年9月発表のデータによれば、全国的に広く普及しているのは、NTTグループ(NTT東日本+NTT西日本)の2303.4万件であり、そのシェアは半数を大きく超える7割弱に達しています。
(出典:MM総研)
先々の事を考えればNTT東西のフレッツ光
事業所で光回線を利用する多くの場合で、電話もワンセットで契約するケースが殆どです。
フレッツ光以外のau系や電力会社系などで作成した電話番号は、事業が拡大していくのに従って、手狭になった事業所の引っ越しを考えた場合、移転先で同じ回線が利用出来ない場合では、継続して電話番号を利用することが出来ません。
事業所では幅広く電話番号の周知を進めている事も多く、様々な変更手続きを考えても、大きなデメリットになります。
NTT東西のフレッツ光のシェアが圧倒的なのは、その利便性やサービスにもありますが、幅広いエリアをカバーしていて、多くの建物の共有スペースまで引き込まれている事を示しています。
ビルやマンションなどの建物では、共有スペースまで引き込み工事が完了している光回線しか、利用する事が出来ません。
フレッツ光の利用形態は2つ
フレッツ光に限らず、インターネットの利用には接続業者プロバイダが必要です。
フレッツ光を利用する契約形態は2つ有ります。
光コラボ
個人契約で多い利用形態が、NTT東西から回線の卸をしてもらうプロバイダが、一括して契約を請け負う「光コラボ」です。
出典:NTT西日本*一部改変
この契約形態が始まったのは、2015年からと比較的新しいのですが、回線とプロバイダを別契約するよりも月額料金が安く、従来の契約スタイルで2箇所に契約していたユーザーも、「転用」で光コラボに乗り換えるケースが増えています。
デメリットとしては、NTT東西の回線を利用するのにも拘わらず、NTT東西と直接付き合いが無くなるという事です。
個人利用の場合は、基本的に大きなデメリットにはなりませんが、事業所などの法人利用の場合では、NTT東西の豊富なサービスが一部しか利用出来ない事や、トラブル時の対応を直接NTTに申し入れをする事が出来ず、プロバイダ経由になってしまうことで時間が掛かる事などが、大きなデメリットになる可能性があります。
SOHOや個人事務所では、NTT東西と直接付き合う事に大きなメリットは無いと考えられ、価格メリットが享受出来る光コラボの選択が最適です。
「光コラボ」を扱う事業者は、NTT東日本エリアで530社・NTT西日本エリアで235社が有ります。
フレッツ光が利用出来るエリアや建物では、光コラボを利用する事が可能です。
数多い光コラボの中から、スマホとのセット割など、事業所にとってメリットのあるサービスを選択する事が出来ます。
ひかり電話の利用も出来ます。
しかし、通話+FAXの2回線までの制約があるので、それ以上の回線数になるビジネスフォンを導入する等の場合は、光コラボを選べません。
フレッツ光+プロバイダ契約
光回線サービスが始まった時からある契約形態で、光回線とプロバイダを別に2箇所で契約します。
出典:NTT西日本*一部改変
事業所や店舗などの法人契約は、こちらの契約が主流です。
一番のポイントは、直接NTT東西と付き合う事で得られる対応力です。
NTTの豊富なノウハウは、トラブル時などでも早急な解決が望めますし、電話回線等とまとめて、オフィスの通信環境の一切を相談できる窓口を得られるメリットがあります。
光コラボよりも割高になる傾向の契約形態を、敢えて多数の事業所が選択して、法人契約するのには多くの理由があります。
そのいくつかを、ピックアップしてみましょう。
「フレッツ光+プロバイダ」の契約が事業所に選ばれる理由
(出典:フレッツ光申込サイト)
フレッツ光の法人契約は、法務局に登録した法人各を有していない個人事業主やSOHOでも、行う事が可能です。
フレッツ光の法人月額料金
最も多く利用されているのは、最大通信速度1Gbps回線サービスである「フレッツ光ネクスト」です。
戸建て料金
東日本エリア 5,940円
西日本エリア 2年間4,730円・3年目以降4,521円(*自動更新2年契約等の割引きを加味した料金)
マンション料金
東日本エリア 3,355円〜4,455円
西日本エリア 2年間2,475円〜4,345円・3年目以降 2,288円~4,092円(*自動更新2年契約等の割引きを加味した料金)
*マンション内の契約数や配線方式に応じて価格が変動します
上記は光回線の回線料だけで、別途プロバイダ料金が必要です
NTT東西の提供する豊富なオプションが利用出来る事が、フレッツ光を法人契約する大きなメリットです。具体的に見ていきましょう。
オフィスまるごとサポート
月額1,100円から
テレビCMをご覧になったことがある方も多いと思いますが、光回線だけに限らず、パソコンの業務への活かし方や、情報漏洩対策の相談・まるごと見える化機能まで、幅広いITへの疑問や業務効率アップツール等を、プロに相談する事が出来ます。
情報通信企業の雄であるNTT東西のノウハウが、自社に活かす事が可能です。
24時間出張修理オプション
月額2,200円から
回線が繋がらないトラブルは、仕事に大きな支障が出ます。
24時間対応の修理サービスを利用すれば、レンタルした通信機器も含めて、365日24時間いつでもフォローが受けられます。
オプションの24時間サポートを申し込まない場合でも、豊富なノウハウを持つNTTが直接対応してくれるので、トラブル時にも安心です。
固定IPの利用
フレッツ光の法人契約では、「固定IPアドレス」が利用出来ます。
固定IPのサービスの利用には、対応しているプロバイダの契約が必要です。
多くの法人契約が出来るプロバイダで、サービスを提供されています。
代表的なプロバイダとしては、OCN・GMOとくとくBB・ASAHIネット・インターリンクなどが有ります。
(出典:インターリンク公式)
固定IPは、インターネット上の住所が固定される事です。
個人契約の場合は、接続する度にIPアドレスが割り振られて変わります。
通常のネット閲覧をするだけなら、IPアドレスを固定するメリットは有りません。
社外から社内のサーバーにアクセスする場合や、自社サーバーでホームページの構築等、自社サーバーを運営する場合には、固定IPが必要になります。
固定IPは、セキュリティの面でも貢献します。
プロバイダが簡単に後で変更可能
何らかのシステムを運営している場合、新しく出てきた技術を投入したい事案が出てきても、利用しているプロバイダが対応していない場合、事業の伸展に大きな足枷になります。
「フレッツ光+プロバイダ」契約の場合は、プロバイダだけを変更する事が可能で、一体化して契約している「光コラボ」よりも、後の対応柔軟性が高くなります。
VPNの利用
VPN(Virtual Private Network)とは、仮想の専用回線構築の事です。
データが暗号化されることでセキュリティが大きく高まり、社外から社内ネットワークに安全に接続するテレワークにも必須の機能です。
専用線を利用する事が困難な場合、VPNを利用する事業所が多くなっています。
同時接続機器の台数
フレッツ光の個人契約では、端末の接続台数は10台までが推奨の範囲です。
しかし、法人契約のオプション契約(NTT東日本ではフレッツ光ネクスト プライオ1やフレッツ光ネクスト プライオ10・NTT西日本では、フレッツ光ネクスト ビジネスタイプの利用で、同時接続台数には制限が無くなります。
ギガらくWi-Fi
月額4,180円から
オフィスや店舗向けのWi-Fiサービスで、幅広い活用が出来ます。
回線占有・帯域優先機能
光スプリッターを経由せずに、光ファイバーケーブルを占有する機能や、優先的にパケットを転送する機能があります。
通常の光回線利用よりも高額な費用が掛かりますが、事業所で大人数の利用がある場合、安定した通信回線品質が担保出来ます。
経費として計上し易い
フレッツ光の法人契約は、請求書での支払いが可能です。会社や事業の経費として税務処理計上する場合には、請求書と支払い領収書が必要になります。
コラボ光やフレッツ光でも個人契約の場合には、クレジットカードでの支払いが一般的で、請求書・領収書の発行は出来ません。
豊富な電話オプション
フレッツ光の「ひかり電話」は、一般の固定電話と比べて、通話料に大きなメリットが有りましたが、従来の通信網からIP網に切り替わることで、大きなメリットが無くなります。
しかし、法人利用に最適な豊富なオプションは健在です。
一例を見てみましょう。
サービス名 | 説明 | 月額料金 |
ナンバー・リクエスト | 電話番号非通知の相手には自動音声で電話を取らずに応対 | 月額220円 |
ナンバー・ディスプレイ | 電話に出る前に、電話をかけてきた相手の番号を表示 | 月額440円 |
迷惑電話お断りサービス | 迷惑電話は自動メッセージによる応答でしっかり遮断できます。無駄な対応が不要 | 月額220円/1電話番号 |
キャッチホン | 簡単な操作で、お話中でも別の電話に出ることができる機能 | 月額330円 |
ボイスワープ | かかってきた電話を外出先の電話で受けられる | 月額550円/1電話番号 |
着信お知らせメール | 自宅や会社に相手から連絡があったら、ご指定のメールアドレスに着信のお知らせを通知 | 月額110円 |
Wチャネル | 「ひかり電話」が同時に2回線分使えます。たとえば、電話中にFAXの送受信ができる | 月額220円 |
フリーアクセス・
ひかりワイド |
かかってきた電話の通話料を着信者側が負担 | 月額1,100円 |
FAXお知らせメール | 自宅や会社にFAXがあったことを、あらかじめ指定したパソコンや携帯電話のメールへお知らせし、パソコンからFAX内容を確認することができるサービス | 月額220円 |
追加番号 | 「ひかり電話」契約で、複数の電話番号を取得。電話とFAXで電話番号を使い分けたり、自宅用/仕事で別々の電話番号を割り当てたりすること可能 | 月額110円/1電話番号ごと |
ひかり電話A
月額1,650円
ひかり電話の基本機能やナンバーディスプレイ、電話転送・不在着信お知らせメール・迷惑電話対策・キャッチホン・ナンバーリクエストの、人気のオプションを一纏めにして、通話料528円分を加えて、ひかり電話がお得に利用が出来ます。
キャッシュバックが充実
光回線の契約では、公式が行っていないキャッシュバック特典を、オンライン代理店が行っているケースがあります。
多くの場合、光コラボは個人契約が対象で、フレッツ光は個人事業主や法人だけが対象になっています。
特典内容は、多くの場合で法人契約の方が大きくなっています。
フレッツ光加入キャンペーンの詳細は、以下をご覧ください。
事務所のニーズに対応した光コラボ
光回線とプロバイダをセットにした「光コラボ」は、法人契約が出来ても提供出来るサービスは基本的に個人向けになりますが、事業所のニーズに合えば、合理的にかつ安価に利用する事が出来ます。
個人事務所やSOHOなどの小規模事業者や、インターネット接続が出来れば良く、他の機能やサービスを必要としていない事業者なら、「光コラボ」がオススメです。
法人名や屋号で契約出来る、料金もお得なオススメの光コラボをご紹介します。
事業所におすすめの光コラボ @TCOMヒカリ
(出典:@TCOMヒカリ申込サイト)
@TCOMヒカリは自社データセンターを保有し、自社光ファイバーケーブルを運用するなど、単にプロバイダとしてだけで無く、豊富な技術力があります。
@TCOMヒカリの月額料金は、一戸建てタイプで5,610円・マンションタイプで4,180円です。
法人名義でも契約出来ますが、特に支障が無いなら代表者が個人契約する事をオススメします。
個人契約ならキャッシュバック特典を受け取る事が出来ます。
詳細は以下をご覧下さい。