インターネットは、今や生活に欠かせないインフラのひとつ。
動画視聴、テレワーク、オンラインゲーム、ショッピングなど、日常のさまざま場面で高速・安定した通信が求められるようになりました。そんな中で、長年にわたって多くのユーザーから支持されているのが「フレッツ光」です。
しかし、フレッツ光はそのまま契約すると決して「安くなる」とは限りません。では、どうすればフレッツ光をもっとお得に、もっと賢く使うことができるのでしょうか。
本記事では、フレッツ光の基本的な特徴から、安く使うための契約方法、さらに通信費を抑える裏技まで徹底的に解説します。
「フレッツ光」って何?
「フレッツ光」は、NTT東日本およびNTT西日本が提供する光回線インターネットサービスのブランド名です。
日本全国に広く展開されていて、特に地方部にもエリアが広がっている点が大きな特徴です。通信インフラとしての歴史が長く、多くのユーザーにとって信頼できるサービスといえるでしょう。
フレッツ光の光回線でのシェアは?
2024年月12月末時点での光回線の契約数は全体で4090万件であり、フレッツ光は617.6万件(15.1%)、自社ブランドであるドコモ光は781.2万件でした。
【光回線主要サービスのシェア】
グループ | サービス名 | 契約件数 | シェア |
NTTグループ | ドコモ光 | 781.2万件 | 19.1% |
フレッツ光
【NTT東日本】 |
306.8万件 | 7.5% | |
フレッツ光
【NTT西日本】 |
310.8万件 | 7.6% | |
ソフトバンク | ソフトバンク光 | 486.7万件 | 11.9% |
KDDI | auひかり | 102.3万件 | 2.5% |
ビッグローブ光 | 177.8万件 | 4.4% | |
コミュファ光 | 110.4万件 | 2.7% | |
ソニーネットワークコミュニケーションズ | NURO光 | 220.9万件 | 5.4% |
オプテージ | オプテージ | 159.5万件 | 3.9% |
楽天モバイル | 楽天ひかり | 53.2万件 | 1.3% |
その他 | 1378.3万件 | 33.7% |
※総務省「FTTHの契約数における事業者別シェアの推移(サービス提供主体別)」
光回線市場におけるフレッツ光のシェアは、近年の成熟期では横ばい傾向にあるものの、依然として高い水準を維持しています。
理由はシンプルであり、NTTが保有する全国規模の回線網をベースに提供されているので、カバー率が他社と比べても圧倒的だからです。
フレッツ光のメリットは?
フレッツ光には、いくつかの明確なメリットがあります。
- 提供エリアが全国に広がっている
- 回線品質の高さと安定性
- 多用なプロバイダから選べる柔軟性
- 光コラボで料金が安くなる可能性がある
上から順番に詳しく説明していきます。
メリット①:提供エリアが全国に広がっている
一部の光回線は、対応エリアが都市部に限定されている場合があります。しかも、その限られた狭い範囲内に住んでいたとしても、「自宅のある場所はエリア外」というケースも珍しくありません。
一方のフレッツ光は、都市部だけでなく地方や山間部などでも広範囲にサービスが行き届いているため、他社の光回線が未対応の地域でも利用できる可能性が高いといえます。
メリット②:回線品質の高さと安定性
NTTが長年にわたり構築してきた回線インフラを使っているため、最新のIPv6接続であれば通信の安定性が非常に高く、時間帯によって速度が不安定になるケースも少ないです。

メリット③:多用なプロバイダから選べる柔軟性
フレッツ光では、回線部分とプロバイダ契約が分かれているため、自分の使い方に合ったプロバイダを選べます。料金重視、サポート重視といったように、ニーズに応じた選択肢があるのは、大きな魅力です。

メリット④:光コラボで料金が安くなる可能性がある
後述しますが、「転用」や「事業者変更」を行って光コラボに移行することで、料金面によるメリットがあります。
こうしたメリットがある一方で、「料金体系が分かりにくい」「プロバイダ選びに迷う」といった声もあります。こうしたデメリットも踏まえたうえで、自分に合った使い方を見極めることが重要です。

フレッツ光と他社光回線の違いは?
フレッツ光と他社の光回線の大きな違いは、次のとおりです。
- 契約形態の自由度
- 事業者間の切り替えやすさ
フレッツ光は光回線とプロバイダを分けて契約できるため、プロバイダ変更が柔軟に行えます。また、光コラボへの転用や他社光コラボ回線への変更(事業者変更)も可能なので、長期的に自分に合ったサービスに移行しやすいのです。
上記のような柔軟性が「フレッツ光ならではの強み」といえます。
フレッツ光を安く利用する契約方法は?
ここまでは、フレッツ光の特徴や他社との違いについて触れました。特にフレッツ光は、契約形態に柔軟性があり、長く使っていくうえで「自分仕様」に整えられる点が魅力です。
では、そのフレッツ光をどのようにすれば今より安く利用できるのか。ここからは、見直すべき仕組みについて、具体的に説明していきます。
オプションサービスを見直す
最初に確認したいのが、現在契約しているオプションサービスです。知らないうちに不要なサービスが月々の請求に含まれているケースは少なくないからです。
たとえば、セキュリティソフトやメールアドレスの追加、サポートパックなど、利用頻度が少ないにもかかわらず、毎月数百円から千円近く課金されていることがあります。オプション単体の金額は大きくなくても、契約が複数になると大きなコスト差になります。
一度、マイページや明細を確認して「本当に必要なものだけが契約されているか」を見直してみましょう。サポート内容が不明なまま継続しているサービスがあるなら、思い切って解約することで、毎月の費用を手軽に削減できます。
安くフレッツ光を利用するなら「光コラボ」
フレッツ光をそのまま契約し続けるよりも、もっとお得に利用できるのが「光コラボレーション(光コラボ)」です。光コラボとは、NTTの回線を使いつつ、回線とプロバイダを一体化した形で提供される他社サービスのことです。
代表的なサービスに、ドコモ光、ソフトバンク光、ビッグローブ光などがあります。
フレッツ光と比べて、光コラボの方が月額料金1,000円ほど安くなるケースもあります。料金体系もシンプルで、回線とプロバイダ料の請求が一元化されることもメリットです。通信品質はフレッツ光と変わらず、同じ回線を使っているので安心です。
コストを抑えたい人は、まず光コラボのプランをチェックしてみましょう。
フレッツ光は「転用」で光コラボに乗り換えると安くなる
すでにフレッツ光を契約している人が光コラボへ乗り換える場合、「転用」という仕組みを利用することで、工事不要でスムーズに移行できます。
「転用」とは、現在利用中のNTT回線をそのまま活かしつつ、契約先を光コラボ事業者に切り替える手続きのことです。回線や電話番号はそのままで、料金だけが安くなるメリットがあります。
(出典:NTT西日本 フレッツ光)
転用の手続きには「転用承諾番号」の取得が必要ですが、NTTの専用窓口やWebで簡単に取得できます。ただし、契約中のプロバイダが変更になるとメールアドレスの引き続きや解約違約金が発生することもあるので、事前に確認しておきましょう。
「今の回線に不満はないけれど、料金は下げたい」という人にとって転用は、非常に効率的な節約術になります。
転用承諾番号の取得に必要なもの
「転用承諾番号」には、15日間の有効期限が設けられているため、期限内に光コラボの申し込みを行いましょう。
転用承諾番号を取得するためには、以下のものを準備してください。
- 「お客さまID」「ひかり電話番号」「契約時の連絡先電話番号」のいずれか
- 契約者名
- フレッツ光を利用している場所の住所
- フレッツ光の利用料金支払い方法
そして、光コラボへの乗り換え時には、乗り換え先の光コラボ事業者に転用承諾番号を伝えて、手続きを行います。
キャッシュバックやキャンペーンを活用する
光回線を安く使いたいなら、契約時のキャンペーンを活用するのも有効な手段です。多くの光コラボ事業者では、Web申し込み限定で1万円~5万円以上のキャッシュバックを実施している場合もあります。
キャッシュバックの適用条件は事業者によって異なりますが、「数か月間の継続利用」「特定のプロバイダオプションの加入」といった達成しやすい内容である場合も多いです。中には、オプションなしで現金を受け取れるシンプルな特典もあります。
ただし注意点として、専用ページからのエントリーや受け取り手続きに期限が設定されている場合もあるため、事前に細かく確認することが重要です。
初期費用や工事費を実質無料にできるキャンペーンもあるので、複数の事業者を比較して自分に合ったサービスや特典を選びましょう。
通信費トータル費用を安くするなら「セット割」
インターネット料金そのものだけでなく、スマホやタブレットといった通信費全体を安くするなら「セット割」の活用がおすすめです。
たとえば、ソフトバンク光ならワイモバイルとのセットで最大1,100円の割引が適用されますし、ドコモ光ならドコモのスマホ契約者に対して「ドコモセット割」が適用されます。ビッグローブ光やニフティ光はUQモバイルとのセット割で毎月のスマホ代が安くなります。
このように、家庭内のスマホ契約をひとつのキャリアにまとめることで、インターネット料金もスマホ代も節約可能です。ただし、割引額や適用条件はキャリアで異なるので、家族構成やスマホの利用状況を含めて、最適な組み合わせを検討することが大切です。
おすすめの「セット割」をご紹介
先ほどもお伝えしたとおり、インターネット料金だけでなくスマホ代も一緒に見直すことで、家計全体の通信費を大きく削減できます。ここでは、特にコスパの良い「光コラボ×スマホキャリア」の組み合わせを3つピックアップします。
ビッグローブ光 × UQモバイル
(出典:ビッグローブ光申込サイト)
「ビッグローブ光」は、NTT回線を使用した光コラボのひとつです。
通信品質はフレッツ光と変わらず、月額料金は戸建てプランで5,478円から(税込)、マンションプランで4,378円から(税込)とリーズナブルです。しかも、セット割によってUQモバイルの料金が毎月最大1,100円割引になります。
【おすすめポイント】
✅代理店経由の申し込みで最大97,000円のキャッシュバック
✅引っ越し先での工事費が何度でも無料(代理店経由)
✅初期工事費が無料(代理店経由)

ニフティ光 × UQモバイル
(出典:ニフティ光申込サイト)
「ニフティ光」も同様に、フレッツ光の回線を使った光コラボ事業者です。
通信の安定性や信頼性に定評があるほか、サポート体制も手厚い点が高く評価されています。戸建て月額4,620円から(税込)、マンション月額3,278円から(税込)と安く、セット割の「auスマートバリュー」が適用されると、UQモバイルの代金が月額1,100円割引になります。
【おすすめポイント】
✅光回線の利用料金が安い
✅代理店経由の申し込みで、最大55,000円のキャッシュバック
✅移転工事費が無料(代理店経由)

ソフトバンク光 × ワイモバイル

ソフトバンク光は、大手キャリアが提供する光回線でありながら、実はNTTのフレッツ光をベースにした「光コラボ」のひとつです。戸建てプランは月額5,720円から(税込)、マンションプランは月額4,180円から(税込)利用できます。
ワイモバイルとのセット割「おうち割 光セット」を適用すると、スマホの月額料金が最大1,100円割引されます。
【おすすめポイント】
✅代理店経由の申し込みで、最大28,000円のキャッシュバック
✅他社への解約違約金・撤去工事費満額負担(代理店経由)
✅開通までの期間、モバイルWiFiルーターレンタルが無料(代理店経由)

フレッツ光を安く使うための注意点
フレッツ光をお得に利用するためには、以下の点に注意しましょう。
- 割引やキャンペーンの条件を確認する
- オプションの自動付帯に注意する
- 長期的なコストを比較する
セット割やキャッシュバックには「〇ヶ月継続」といった条件があるため、事前に必ず内容を確認しましょう。契約時に不要なオプションが自動で追加されている場合があるため、申し込み画面や契約内容をよく確認しておくことです。
一時的な割引に惑わされず、2~3年間利用した場合の総額で比較して本当に安くなるのかを見極める必要があります。
ポイントを押さえて賢く節約しよう!
フレッツ光は、回線の安定性や全国エリア対応といったメリットがある一方で、契約内容やサービスの選び方によっては料金に大きな差が生じることもあります。
特にスマホとのセット割は、通信費全体を節約できる大きなポイントです。自分や家族のスマホキャリアに合った光回線を選ぶことで、毎月の出費を減らせます。
ポイントを押さえて賢く契約すれば、フレッツ光はコストと品質のバランスに優れた使いやすい光回線です。定期的な見直しと比較検討を忘れず、あなたにとって最適なインターネット環境を整えましょう。