インターネット回線として光回線を使っている人は多く、しかもその多くが数年単位で契約を放置している傾向があります。
総務省が公表する「令和6年 通信利用動向調査の結果」では、スマートフォンの世帯保有率が90.5%に達するなど、通信環境に対する関心が引き続き高いという結果が示されています。
その一方で、光回線契約を長く見直さずに使い続けると、実は損をしているケースも少なくありません。
本記事では、「光回線を乗り換えるメリット」を中心に、なぜ見直しが重要か、そしてどうすれば快適かつ安い回線に切り替えられるかを具体的に説明します。
光回線を乗り換える3つのメリット
光回線を乗り換える理由としてまず挙げられるのが、月額料金の削減と通信品質の向上です。加えて、各社が強力なキャンペーンや特典を打ち出していて、乗り換えるだけで得をするケースも多くあります。
以下では、「節約」「速度・品質」「特典活用」の3つの要素から、光回線を乗り換えるメリットについて詳しく見ていきます。
メリット①:月額料金の節約につながる
光回線は毎月の固定費に直結するため、1,000円~3,000円程度の差が積もると、年間で数万円の差になることもあります。特にスマホとのセット割を提供している回線を選ぶと追加割引を受けられ、費用をさらに抑えられます。
仮に、現在使っている回線がセット割非対応で月額6,000円だった場合は、スマホキャリアセット割込みで月額4,500円になる回線に乗り換えたとすると、年間で18,000円の節約になります。
長期にわたって固定費を見直すことで、家計に大きく寄与するのがこの節約面の最大のメリットです。
メリット②:通信速度や品質の向上が期待できる
月額が安くても速度や回線品質が劣ると意味がありません。
乗り換えを機に、混雑しにくい回線、またIPv6/IPoE対応のプロバイダを選べば、夜間などの混雑時間帯でも速度低下を抑えられる可能性が高くなります。
たとえば、旧来型のIPv4+PPPoE方式は回線混雑時に速度が落ちやすいですが、IPoE方式(IPv6対応)であれば経路混雑を回避できる可能性が高いです。
また、プランによっては10Gbpsや5Gbpsクラスの高速回線が選べる事業者もあります。
通信性能の観点で不満を抱えているなら、乗り換えでストレスのない利用体験を手に入れられる可能性があります。
メリット③:キャンペーンや特典を活用できる
現在、光回線各社は新規契約や乗り換え向けに強力なキャンペーンを展開しています。
たとえば、工事費の実質無料または完全無料、乗り換え時の違約金の負担、月額割引などが代表的です。そして、正規代理店から申し込むと、高額なキャッシュバックやルーターレンタル無料といった特典が受けられることもあります。
上記のような特典を賢く活用すれば、乗り換え初期の費用負担を抑えつつ、実質的な支出を抑えることが可能です。
光回線の利用状況と見直しの必要性
「手続きが面倒」「みんな同じ光回線を使い続けている」といったように、見直しをためらうことは珍しくなく、実は長期利用者が多数を占める統計データがそれを裏付けています。
総務省や政府の統計からは光回線を含むインターネット契約の「放置傾向」が明らかであることから、契約見直しには十分な意義があります。
光回線の長期利用者の割合
総務省「固定ブロードバンドサービスの継続利用年数」において、2019年度に行ったアンケートによると、10年以上同一の事業者のサービスを継続して利用している利用者が33.2%と最も多いことがわかっています。
(総務省「固定ブロードバンドサービスの継続利用年数」を基に作成)
上記の調査結果からも、「乗り換えずに長く使う」傾向が強いのが現状と言えますが、契約を見直す余地が十分にあると判断できます。
契約を放置すると損をする理由
光回線やプロバイダの割引制度・キャンペーンは時間とともに変化します。
長期契約者向けの特典が縮小されたり、新規契約者向けの魅力が強化されたりするケースがあります。その差分を放置し続けると、結果的に割高な支払いを続けることになります。
また、スマホとのセット割を後から導入した新回線に乗り換えれば、通信総費用を下げられる可能性が高くなります。
定期的な見直しで得られるメリット
契約更新のタイミングで乗り換え先を比較すれば、より有利なプランやキャンペーンを取り逃さずに済みます。
例えば、乗り換え違約金をキャッシュバックしてくれる回線もあり、実質的な負担を抑えて移行可能な場合もあります。さらに、通信品質に不満が出れば途中で乗り換えることでストレスを回避できます。
こうした定期的な見直しを習慣にしておけば、常に最適な回線を選び続けられます。
光回線を乗り換える際の基本ステップ
光回線を乗り換える際には、あらかじめ「全体の流れ」を把握しておくことで、無駄なトラブルを避けてスムーズに進められます。解約金の有無や契約期間などを知らずに動くと、思わぬ費用が発生するケースもあります。
さらに、新しい回線を選ぶときには料金や速度だけでなく、スマホとのセット割を意識することが重要です。
ここでは、光回線を乗り換える基本ステップを順を追って解説します。
ステップ①:現在の契約内容を確認する
乗り換えの第一歩は、現在契約している光回線の内容を正確に把握することです。特に確認すべきは、以下の3つです。
- 契約期間
- 解約金
- 割引適用の有無
たとえば、多くの光回線は2年契約や3年契約の自動更新型を採用しており、更新月以外で解約すると数千円〜1万円程度の違約金が発生することがあります。さらに、工事費を分割払いしている場合、残債が請求されるケースもあります。
加えて、現在のプランでスマホとのセット割が適用されているかどうかも要チェックです。乗り換え後に割引がなくなると、逆に支出が増えてしまうこともあるためです。
ステップ②:乗り換え先を比較・選定する
契約状況を確認したら、次は乗り換え先を比較検討します。比較の基準としては以下の4つが重要です。
- 月額料金
- 通信速度
- スマホセット割の有無
- キャンペーン特典
フレッツ光や光コラボ利用者であれば「同じ光コラボへの転用・事業者変更」が可能で、工事なし・短期間で乗り換えられるメリットもあります。
おすすめの光回線とスマホの組み合わせについては、あとで詳しくご紹介します。
ステップ③:申し込みから開通までの流れ
実際に申し込んでから利用開始までには、いくつかの手続きと確認事項があります。ここでは流れをステップごとに整理します。
流れ①:新規申し込みとキャンペーン確認
まずは公式サイトや代理店経由で申し込みを行い、同時に適用できるキャンペーンを確認しましょう。多くの事業者が「工事費無料」や「キャッシュバック最大◯万円」といった特典を用意しています。
流れ②:工事の有無を確認
フレッツ光や光コラボから同じ回線に乗り換える場合は工事が不要なケースが多いですが、新規回線や別回線に変更する場合は宅内工事が必要です。
工事日は申し込みから2〜3週間程度かかるのが一般的です。
流れ③:回線切替のタイミング調整
新回線の開通と同時に旧回線を解約できるよう調整するのが理想です。切り替え時期を誤ると、一時的にネットが使えない期間が生じたり、二重に料金が発生する可能性があります。
流れ④:違約金負担制度の利用
一部の回線事業者では「違約金負担サービス」を用意しており、他社の解約違約金を最大で数万円まで負担してくれます。これを活用すれば、更新月を待たずに乗り換えることも可能です。
キャリア別おすすめ光回線
光回線を選ぶ際は「スマホとのセット割」を活用することで、通信費を大幅に節約できます。特に大手キャリア系の光回線は、割引額が毎月1,000円前後になるケースが多く、長期的に見ると年間で1万円以上お得になることも少なくありません。
ここでは、主要キャリアごとにおすすめの光回線を紹介します。
【auユーザーにおすすめ】ビッグローブ光 × UQモバイル
(出典:ビッグローブ光申し込みサイト)
auを利用している人には「ビッグローブ光」と「UQモバイル」がおすすめです。
ビッグローブ光はKDDI系列の回線を使っており、UQモバイルとの相性が良いのが特徴です。UQモバイルはauのサブブランドであり、auと同じ回線でありながら安価に利用できる点が魅力です
これらの組み合わせで「自宅セット割」を適用すると、スマホ1回線あたり月額最大1,100円(税込)の割引が最大10回線まで受けられます。家族で複数回線を契約している場合は、月額だけで数千円単位の節約が可能です。
正規代理店からビッグローブ光を申し込むと、最大97,000円のキャッシュバックが受け取れる点もおすすめする大きな理由です。
おすすめポイント
✅「自宅セット割」でスマホ代が月額最大1,100円の割引
✅正規代理店からビッグローブ光を申し込むと最大97,000円
✅「工事費無料キャンペーン」で工事費が無料になる

【ソフトバンクユーザーにおすすめ】ソフトバンク光 × ワイモバイル
(出典:ソフトバンク光申し込みサイト)
ソフトバンク利用者には「ソフトバンク光」と「ワイモバイル」が最適です。
ソフトバンク光は乗り換え時のサポートが充実していて、工事費や乗り換え時の違約金や撤去費用などを負担してくれます。また、ワイモバイルはソフトバンクのサブブランドであり、ソフトバンク回線を安価に利用できる点が魅力です。
2つの組み合わせにより「おうち割 光セット(A)」が適用可能になり、スマホ1回線につき毎月最大1,650円(税込)が割引されます。さらに、ソフトバンク光を正規代理店経由で申し込むと、最大28,000円のキャッシュバックを受け取れます。
おすすめポイント
✅乗り換え時のサポートが充実
✅「おうち割 光セット(A)」でスマホ代が毎月最大1,650円割引
✅正規代理店からソフトバンク光申し込みで最大28,000円

【ドコモユーザーにおすすめ】ドコモ光 × ドコモmini
(出典:ドコモ光申し込みサイト)
ドコモを利用している人に最も適しているのが「ドコモ光」です。
ドコモ光は「ドコモ光セット割」を活用することで、ドコモのスマホ料金が1回線あたり月額最大1,210円(税込)割引されます。通信品質が同じライトユーザー向けの「ドコモmini」でも、セット割は適用されます。
また、下記サイトからドコモ光を申し込むと最大55,000円のキャッシュバックを受け取れます。
おすすめポイント
✅「ドコモ光セット割」の適用でスマホ代が最大1,210円割引
✅ 新規にドコモ光を申し込むと最大55,000円
✅「新規工事料実質0円特典」で工事費用相当のdポイントが還元される

おすすめ光回線3社の工事費・特典まとめ
組み合わせ | 工事費の割引 | セット割の割引額 | 工事費用 | キャッシュバック | |
戸建て | マンション | ||||
ビッグローブ光×UQモバイル | 全額 | 最大1,100円 | 28,600円 | 最大97,000円 | |
ソフトバンク光×ワイモバイル | 全額 | 最大1,650円 | 派遣あり:31,680円
派遣なし:4,620円 |
最大28,000円 | |
ドコモ光×ドコモmini | 全額
※dポイント |
最大1,210円 | 19,800円〜22,000円 | 16,500円 | 最大55,000円 |
※料金はすべて税込み
※キャッシュバックは、正規代理店から申し込んだ場合の金額
フレッツ光・光コラボからの乗り換えは簡単
フレッツ光や光コラボをすでに利用している方は、「光コラボ間の乗り換え」であれば工事不要で簡単に手続きできます。通常の回線変更と比べて開通までの待ち時間も短く、スムーズに利用開始できるのが特徴です。
光コラボ間乗り換え(事業者変更)の仕組み
光コラボ同士の乗り換えは「事業者変更承諾番号」を取得し、新しい回線業者に申し込むだけで完了します。番号の有効期限は15日間で、手続きはオンラインで完結可能。工事不要なので、数日で切り替えられるケースがほとんどです。
メリットと注意点
工事不要で電話番号や光回線をそのまま使えるのが最大のメリット。ただし、事務手数料や初月の重複請求が発生する点には注意が必要です。
他回線への乗り換えとの違い
フレッツ光系以外の回線(NURO光やauひかりなど)に乗り換える場合は、回線工事が必要で開通まで1〜2か月かかることがあります。光コラボ間なら、最短数日で切替が可能です。
光回線乗り換えで失敗しないための3つの注意点
光回線は料金だけで選ぶと後悔することがあります。ここでは、よくある失敗例を押さえ、安心して乗り換えるための注意点を3つご紹介します。
注意点①:契約期間や違約金の確認不足
光回線には契約期間が設定されており、更新月以外で解約すると違約金が発生する場合があります。事前に契約書やマイページで確認しておきましょう。
注意点②:セット割の適用条件の見落とし
スマホとのセット割は対象プランや家族の回線数に条件があります。申し込み前に、自分の契約内容が割引対象か必ずチェックしてください。
注意点③:回線品質の口コミや評判を確認する
同じ光回線でも地域や時間帯で品質は変わるので、契約前には利用者の口コミを確認・参考にしましょう。
光回線乗り換えで実現する節約と快適な通信環境
光回線の乗り換えは、単なる事業者変更ではなく、日々の通信環境を大きく改善できるチャンスです。最新のキャンペーンやスマホとのセット割を活用すれば、毎月の固定費を抑えられ、長期的には数万円規模の節約も期待できます。
また、回線速度や安定性の向上により、在宅勤務や動画配信、オンライン学習など家族全員が快適に利用できる点も大きな魅力です。
光回線を賢く乗り換えることで、経済的にも通信環境の面でも、より充実した生活が手に入るでしょう。