『高速インターネット=10ギガ時代』へと突入した今、光回線選びで迷っていませんか?
主要3回線の10Gbpsプランは一見似ていますが、速度や料金、対応エリア、スマホのセット割の有無など、違いが意外と多く存在しています。
本記事では、人気の光回線3社の10ギガプランを徹底的に比較します。さらに、スマホとの組み合わせで通信費を削減できるおすすめのサービスまでご紹介します。
そもそも『10ギガ光回線』ってどんなもの?

光回線の「10ギガ(10Gbps)」とは、従来の主流だった1Gbps回線の10倍の最大通信速度を実現する超高速インターネット回線のことです。
10ギガ回線は、一部の大手光回線事業者のみが提供していて、現在は「ドコモ光」「auひかり」「NURO光」などが代表的な選択肢です。
通信環境の高度化により、リモートワークや動画配信、大容量データのクラウド保存など、インターネットに求められるスペックは年々上昇しています。そんな中、10Gbps回線は「将来を見据えた高速回線」として注目されています。
1Gbpsとの違い
現在では1Gbpsでも十分な速さがあるという認識が一般的ですが、実際には回線の混雑や同時接続台数の増加により、体感速度が落ちることも少なくありません。
10Gbps回線は、こうした課題を一気に解消し、複数人が同時にオンラインゲームや4K動画を楽しんでも快適な通信を維持できます。また、データ転送速度も大きく向上するため、クラウドを使った大容量ファイルのアップロードやダウンロードもスムーズに行えます。
10ギガ光回線のメリット
- 複数端末の同時接続に強い
- 高画質動画やクラウド作業に最適
- オンラインゲームやVRとの相性がいい
10Gbpsの帯域を複数で分けても余裕があり、家庭内の端末が増えても通信や速度が安定します。4K/8Kといった高画質な映像の配信や、クラウド上での動画編集・開発作業などにも対応できる速度と安定性があります。
Ping値(応答速度)も低く、高速かつ安定した通信が求められるオンラインゲームやVRといった用途にも最適です。
10ギガ光回線のデメリット
- 月額料金が高め
- 提供エリアが限定的
- 専用機器が必要な場合もある
10Gbpsの月額料金は6,000~7,000円前後なので、1Gbpsより1,000~2,000円ほど高くなってしまいます。全国エリアに対応できておらず、都市部や一部エリアのみが対象になる場合があります。
また、10Gbps対応のルーターやLANケーブル(CAT6A以上)を別途用意する必要があります。
光回線・主要3社の10ギガプランを比較
光回線を選ぶ際、まず確認すべきなのが料金・提供エリア・通信方式といった基本情報です。
ここでは、人気の「ドコモ光」「auひかり」「NURO光」の10Gbpsプランを比較します。光回線10Gの比較・検討をするうえで、最初に押さえておくべきポイントを踏まえて、それらをまとめました。
サービス提供エリア
10Gbpsプランは、全国どこでも利用できるわけではなく、エリアによっては非対応になる場合もあります。以下は、提供エリアの目安です。
ドコモ光 | auひかり | NURO光 | |
北海道 |
札幌市など一部 | × |
主要都市の一部 |
東北 | 宮城、福島、山形の一部 | × |
宮城、福島、山形の一部 |
関東 |
〇 | 東京、神奈川、埼玉、千葉の一部 |
〇 |
中部 |
〇 | × |
〇 |
関西 |
〇 | × | 〇 |
中国 | 岡山、広島の一部 | × |
岡山、広島の一部 |
四国 |
愛媛の一部 | × | × |
九州・沖縄 | 福岡、佐賀の一部 | × |
福岡、佐賀の一部 |
※〇=エリア内全県対応(ただし県内の一部地域のみ)
※×=未対応
引っ越し予定がある人や地方在住の人は、公式サイトで詳細を確認しましょう。
基本料金・工事費・契約年数
各社で月額料金や初期費用に差がありますが、以下の表でわかりやすくまとめました。
ドコモ光 | auひかり | NURO光 | ||
月額料金 | 戸建て | 期間なし:8,030円
2年:6,380円 |
期間なし:8,338円
2年:7,128円 3年:6,468円 |
5,700円 |
マンション |
– |
4,400円 |
||
工事費用 |
戸建て | 22,000円 | 41,250円 |
44,000円 |
マンション |
– |
|||
契約期間 |
戸建て | 期間なし/2年 | 期間なし/2年/3年 | 期間なし/3年 |
マンション | – |
期間なし |
||
契約解除料 |
戸建て |
5,500円 | 2年:4,460円
3年:4,730円 |
4,400円 |
マンション |
4,180円 | – |
なし |
|
セット割の対象キャリア |
ドコモ、LIBMOなど | au、UQモバイル |
NUROモバイル |
※すべて税込み
※月額料金や工事費の割引・無料などの特典は含めない
※更新月または契約期間なしの解約は、契約解除料が不要
ドコモ光は、料金や契約解除料がやや高めですが、工事費用が安くポイント還元によってコストが抑えられます。auひかりは対応エリアが狭く工事費用が高い傾向にありますが、3年契約にすれば月額料金を安く抑えられるほか、通信品質も優れています。
NURO光は月額料金が安く通信品質も優れていますが、3年を前提としていることやauやドコモといった大手キャリアのセット割には対応していません。
使用するルーターや接続方式
10Gbpsを最大限活かすためには、回線側だけでなくルーターや接続方式の対応も重要です。
ドコモ光 | auひかり | NURO光 | |
接続方式 |
デュアルスタック方式 | デュアルスタック方式 | デュアルスタック方式 |
ルーター | 専用ルーターまたは自前で用意 | ONU一体型の専用ホームゲートウェイ標準装備 | 10Gbps対応ONU一体型ルーターが標準装備 |
ルーターレンタル料 |
月額550円 | 無料 | 無料 |
※料金は税込み
デュアルスタック方式とは、IPv6とIPv4のどちらの通信も可能な接続方式のことです。
各社とも基本的には専用のルーターが提供されますが、auひかりとNURO光は無料で利用できます。ドコモ光では、自前のルーターを希望した場合やタイプC(プロバイダを自分で選ぶプラン)を契約した場合に、自前のルーターが必要になります。
速度と実測値で見る『本当に速い』10ギガの光回線は?
光回線を選ぶ際、「最大10Gbps」という理論上のスペックだけを見てしまいがちですが、実際の利用環境では理論値通りの速度は出ません。そこで重要なのが、実際にユーザーが体感している「実測値」です。
特にオンラインゲームや動画配信、リモートワークを快適に行うには、「下り速度・上り速度・Ping値(応答速度)」のバランスが重要になります。ここでは、主要3回線の実測データをもとに、「本当に速い10ギガ回線」がどれなのかを比較していきます。
理論値と実測値の違い
理論値(最大10Gbps)は、光回線が持つ最大限の通信能力を示すスペックです。しかし、これは回線の混雑や設備状況、宅内にある機器類の性能などの影響を受けずに、理想的な条件下で測定された数値です。(ベストエフォート値とも呼ばれる)
一方で実測値は、実際のユーザーが日常的に利用している中で記録された通信速度であり、よりリアルな性能評価として信頼性があります。たとえ理論値が10Gbpsであっても、実測が常時500Mbpsしか出ない回線と、常時1.5Gbps以上出る回線とでは、体感速度に大きな差が生まれます。
上り下りの実測値(平均速度)
以下は、10Gbpsプランを対象にした全国ユーザーによる実測平均値の比較です。
ドコモ光 | auひかり | NURO光 | |
下り平均(Mbps) | 578.82 | 3890.66 | 1055.07 |
上り平均(Mbps) | 768.67 | 4789.97 | 1240.26 |
(出典:みんなの回線速度を基に筆者が集計)
10ギガプランの通信速度の平均値が最も高かったのは、下り上りともに「auひかり」でした。auひかりの最大値は下り6390.1Mbps、上り5781.73Mbpsであり、他社と比べると圧倒的な速さであるといえます。
実測値で見る回線ごとの特徴
- ドコモ光:速度はやや遅いが、対応エリアや工事費が安い
- auひかり:価格は高めだが、速度の速さと安定性が圧倒的に優れる
- NURO光:価格と速度のバランスがいい
価格が高めでも快適なインターネット環境を手に入れたい人には「auひかり」

価格と速度の両方を重視したい人には「NURO光」
都市部以外にお住まいの人には「ドコモ光」がおすすめです。

スマホとセットならどの光回線(10ギガプラン)がベスト?
通信費を抑えるうえで、光回線単体の料金だけを見るのは不十分です。
実は、スマホとのセット割を活用することで、月々の通信コストを大幅に節約できるケースが多くあります。特に10Gbpsといった高額プランでは、セット割の恩恵がより大きくなるため、スマホのキャリアとの相性を見極めることが重要です。
ここでは、注目すべきお得な組み合わせを2パターンご紹介します。
ドコモユーザーなら『ドコモ光 × ドコモmini』がお得
(出典:ドコモ光申し込みサイト)
ドコモのスマホを使っているなら、「ドコモ光」とのセットがおすすめです。
特に最近登場した新料金プラン「ドコモmini」との組み合わせで「ドコモ光セット割」を適用できます。ドコモのスマホ代が最大20回線まで毎月最大1,210円(税込)割引になるため、高品質なネットとスマホの料金を手頃に抑えることができます。
正規代理店からの申し込みで、最大55,000円のキャッシュバックが受け取れる点も大きな魅力です。
ドコモminiの料金
(出典:NTTドコモ公式サイト)
月間データ容量 |
月額料金 | 国内通話料 |
4GB |
2,750円 |
22円/30秒 |
10GB |
3,850円 |
※料金はすべて税込み
その他、「かけ放題オプション」が月額1,980円(税込)、「5分通話無料オプション」が月額880円(税込)で利用できます。
「ドコモ光 × ドコモmini」のおすすめポイント
✅正規代理店からドコモ光の申し込みで最大55,000円のキャッシュバック
✅他社からの乗り換えで、違約金のうち最大25,000pt還元(dポイント)
✅新規工事費が実質無料

au・UQモバイルユーザーなら『ビッグローブ光 × UQモバイル』
(出典:ビッグローブ光申し込みサイト)
au回線のスマホを使っている人、特にUQモバイルユーザーには「ビッグローブ光+UQモバイル」のセットがおすすめです。UQモバイルはauのサブブランドであり、auと同等の高い回線品質を持ちながら低価格な料金に設定されています。
ビッグローブ光は、au系列の光コラボ回線であり、UQモバイルとの組み合わせで「自宅セット割」を適用できます。最大10回線までUQモバイルのスマホ代が月額最大1,100円(税込)割引になります。
そして、正規代理店からビッグローブ光を申し込むと、最大97,000円のキャッシュバックが受け取れます。
UQモバイルの料金
(出典:UQモバイル申し込みサイト)
プラン名 |
月間データ容量 | 月額料金 |
無料通話 |
コミコミプランバリュー |
35GB | 3,828円 |
1回10分以内の国内通話 |
トクトクプラン2 |
5GB未満 |
2,948円 |
– |
5GB~30GB |
4,048円 |
– |
※料金はすべて税込み
※無料分超過時の通話料金は22円/30秒
通話オプションとして、以下3つの「えらべる通話オプション」があります。
オプション名 |
月額料金 |
オプション内容 |
通話放題 |
1,980円 |
国内通話が24時間かけ放題 |
通話放題ライト |
880円 |
1回10分以内の国内通話が24時間かけ放題 |
通話パック60 |
660円 |
月間最大60分相当(最大2,640円分)の国内通話が無料 |
※料金はすべて税込み
上記から通話の用途に合わせて選択することができます。
「ビッグローブ光 × UQモバイル」のおすすめポイント
✅最大97,000円のキャッシュバック(代理店からの申し込み)
✅ファミリー、マンションタイプともに初期工事費が無料
✅移転工事費が無料

ライフスタイル別・10ギガ光回線の選び方
10ギガ光回線は、単に「速い」だけでなく、使い方によって選ぶべき回線が異なります。
リモートワーク中心の人と、家族全員で動画やオンラインゲームを楽しむ人では、重視すべき性能も違います。また、通信費を抑えたい家庭にとっては、セット割などのコスト面も重要です。ここでは、ライフスタイル別に最適な10ギガ光回線を紹介します。
地方や郊外にお住まい:「ドコモ光 10ギガ」がおすすめ
ドコモ光の提供エリアはNURO光より広く、フレッツ光クロスを活用しているので、主に大都市周辺で利用エリアが拡大しています。マンションにも対応しているうえ、ファミリータイプで契約可能な点も魅力です。

テレワークやゲームを楽しみたい:「auひかり 10ギガ」がおすすめ
料金は他社の10ギガよりもやや高額ですが、通信速度の速さはauひかりが圧倒的です。KDDIの専用回線や独自の接続方法を採用していて、家族で複数の端末を接続しても快適に利用できます。
また、4K/8K動画やオンラインゲーム、テレワークなどの利用が中心の家庭であっても、安定した通信を提供するauひかりが最適です。

通信費を安く抑えたい:「ビッグローブ光 10ギガ」がおすすめ
月々の通信費をできるだけ抑えたい方には、「ビッグローブ光 10ギガ」がおすすめです。特に、UQモバイルやauのスマホを使っている人は、「auスマートバリュー」「自宅セット割(UQモバイル)」の対象となり、大幅な節約が可能です。
しかも、正規代理店からの申し込みで最大97,000円ものキャッシュバックが用意されている点も大きな魅力といえるでしょう。

光回線の10ギガは「回線スペック+相性」がポイント!
光回線は「速度が速ければそれで良い」という時代ではありません。10Gbpsという超高速回線が当たり前になりつつある一方で、それを十分に活かせない環境や使い方も少なくありません。
たとえば、4K動画の視聴やクラウドゲーム、重たい業務用データのアップロードなど、帯域を大きく使う用途が明確にある場合には10ギガ回線が大きな力を発揮します。しかし、ウェブ閲覧やSNS、動画視聴が中心なら、1Gbps回線でも十分快適です。
そして最適な光回線を選ぶには、「通信速度」「料金」「スマホとのセット割」「エリア対応」など、複数の軸で比較することが大切です。
「今より速く・安く・ストレスなく」を目指すなら、回線の再チェックは今が絶好のタイミングです。