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光回線で工事が早いのはどこ?

光回線

大阪の街を歩いた後で、新幹線なら僅か1時間足らずで名古屋に到着できます。その程度しか離れていないのに、移動した直後に感じるのは、周りの人の歩くスピードの差です。明らかに大阪の方が早い気がします。一般的な印象としても、大阪の人たちが、日本トップクラスの「せっかち」な方が多いと思っている方が多数派でしょう。

 

しかし、実際にデータで見ると、現実には違うようです。

 

ドコモ・ヘルスケア株式会社が2016年に発表しているデータでは、関東エリアの方が大阪よりも早歩きする人が多く、上位には神奈川・東京・埼玉・千葉が並んでいます。同社が2019年8月に発表しているデータでも、東京・神奈川・千葉が早歩き率のトップ3になっています。筆者は神奈川出身なので驚きました。

 

全国的に早歩きする人の比率は年々増加していて、日本全体がどんどん「せっかち」になっています。「せっかち」さんにとって、遅いインターネット環境にイライラする事は耐えられず、光回線が増加している要因の一つかもしれません。

 

しかし、光回線の導入には基本的に工事が伴います。依頼をしてから即日完了することは無く、開通までには数週間から、場合によっては数ヶ月以上もの時間が掛かる場合があります。

 

この期間に耐えられない「せっかち」さんや、何らかの支障がある方は、無線形式のWi-Fiを導入する手段も選択肢ですが、現状は光回線以上に快適にインターネットが利用出来る環境はありません。

 

それなら、少しでも工事期間の短縮に舵を切って考えましょう。光回線で導入工事が早いサービスはどこなのか?解説していきます。

 

光回線の種類は?

 

光回線の種類は大きく分けて4つ

光回線とは、光ガラス繊維で出来ている、光ファイバーケーブルを使った通信回線で、従来の銅線と比較して、より多くのデータを、距離による毀損が無いまま、やりとりが可能な最も速い通信回線です。基本的に利用量の制約が無く、自由に無制限に利用する事が出来ます。

 

光回線の敷設には莫大な資本はもちろんですが、回線を張り巡らせるのには、電柱が必要になります。そのため、実際に光ファイバーケーブルの敷設は、NTT(電話線の電柱)・各地の電力会社(電線の電柱)・各地のケーブルテレビ(有線の電柱)で大半を占めています。

 

数多いサービスが乱立している様に見えても、実際に敷設されている光回線の種類は、それほど多くは有りません。

 

光回線を大きく分けると、「NTT東西」「NURO光」「auひかり」「地域電力系・地域有線(ケーブルテレビ)系」になります。

 

光回線のシェアは?

ICT市場専門のリサーチ会社、株式会社MM総研の2021年3月発表のデータによれば、全国的に広く普及しているのは、NTTグループ(NTT東日本+NTT西日本)の2256.4万件であり、そのシェアは半数を大きく超える7割弱に達しています。

 

 

(出典:MM総研

 

グラフ中のその他は、限られたエリアでのサービス展開です。

 

KDDI(au)もNTTグループに続くシェアですが、実際に施設した光ファイバーケーブルのエリアは限られていて、大半のエリアはNTTの光ファイバーケーブルを使用していて、「ダークファイバー」と呼ばれる、NTTで使われていない回線を利用しています。

 

ソニーネットワークコミュニケーションズが提供する光回線「NURO光」も、auと同様にNTT光ファイバーケーブルを利用した「ダークファイバー」を使っています。

 

光回線導入の大前提

イメージや料金に魅力を感じて惹かれても、全ての光回線が利用出来るとは限りません。

 

光回線が自宅近くまで来ている必要が有ります

電柱を経由したり、地下にあったり、状態は様々ですが、光回線が利用する場所の近くまで来ている事が大前提になります。全国展開をしているメジャーなサービスでも、提供エリアになっていなければ、利用する事は出来ません。

 

提供しているエリアは、サービスごとに異なります。実際のエリアはサービスを提供するサイトで検索するか、電話で問い合わせる必要が有ります。市町村単位でエリアになっていても、必ずしも全域がカバーされていない事もあります。

 

地域限定ではなく、全国展開している代表的な回線としては、「auひかり」「NURO光」「フレッツ光(光コラボ)」があります。

 

具体的にみていきましょう。

 

auひかり

 

KDDIが全国展開している「auひかり」ホームタイプの提供エリアは、携帯電話回線のauとは異なり、限られたエリアしか展開していません。

 

「auひかり」は、提供している具体的なエリアとして、以下の地域でのみ利用できます。

 

【北海道エリア】 北海道

【東北エリア】 青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島

【関東エリア】 東京都、神奈川、千葉、埼玉、群馬、茨城、栃木

【信越エリア】 新潟、長野

【中部エリア】 山梨

【北陸エリア】 石川、富山、福井

【中国エリア】 鳥取、岡山、島根、広島、山口

【四国エリア】 香川、徳島、愛媛、高知

【九州エリア】 福岡、大分、佐賀、宮崎、熊本、長崎、鹿児島

 

人口が比較的多い、大阪を含む関西エリアと名古屋を含む東海エリアは、提供エリアになっていません。

 

auひかり提供状況の確認

 

を利用して、住所から導入可能か調べることが出来ます。

 

NURO光

 

(出典:NURO公式

 

NURO光は、以下の地域でのみ利用できます。

 

【北海道エリア】 北海道

【関東エリア】 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県

【東海エリア】 愛知県、静岡県、岐阜県、三重県

【関西エリア】 大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県

【中国エリア】 広島県、岡山県

【九州エリア】 福岡県、佐賀県

 

エリア内に居住地があっても、必ずしも利用出来るとは限りません。

光回線は、住まいのすぐ近くまで、実際にNURO光の回線が来ている必要が有ります。

 

NURO光提供状況の確認

 

フレッツ光

日本で最も広いエリアでサービスを提供しているのは、NTTが提供している光回線「フレッツ光」です。

 

NTT西日本エリア

富山県 / 石川県 / 福井県 / 岐阜県 / 静岡県 / 愛知県 / 三重県 / 滋賀県 / 京都府 / 大阪府 / 兵庫県 / 奈良県 / 和歌山県 / 鳥取県 / 島根県 / 岡山県 / 広島県 / 山口県 / 徳島県 / 香川県 / 愛媛県 / 高知県 / 福岡県 / 佐賀県 / 長崎県 / 熊本県 / 大分県 / 宮崎県 / 鹿児島県 / 沖縄県

 

NTT東日本エリア

北海道 / 青森県 / 岩手県 / 宮城県 / 秋田県 / 山形県 / 福島県 / 茨城県 / 栃木県 / 群馬県 / 東京都 / 埼玉県 / 千葉県 / 神奈川県 / 山梨県 / 新潟県 / 長野県

 

 

 

日本全国の広い範囲で、光回線を利用する事が可能です。しかし、県全域を全てカバーしているわけではなく、住所からエリアを確認する事が必要です。

 

 

マンション集合住宅では、光回線が共有部分まで引き込まれている必要が有ります

マンション集合住宅にお住まいの場合は、基本的に個別の光回線を導入することは出来ません。

 

共有部分まで光回線が入っているケースでは、その回線利用に限られますが、比較的簡単に、早ければ1~2週間程で、開通工事が完了するケースが多くなっています。

 

その理由として、建物内の各戸に既に配線工事が成されているケースでは、専門業者の工事が必要無く、局内工事等だけで簡単に行える場合が有るからです。

 

共有部分からの配分方法には、以下の3通りのケースがあります。

 

 

(出典:NTT東日本公式ページ*一部省略しています)

 

光配線方式

新しいマンション集合住宅は、この方式が多くなっています。MDF内のスプリッタで振り分けられた回線は、そのまま各戸まで光ファイバーケーブルで繋がれて、各戸内に回線終端装置を設置します。

 

もっとも安定して速く、マンション集合住宅において現状はベストな方式です。1Gbpsの光回線が来ていれば、理論上安定して1Gbpsの速度が出ます。

 

光コンセントが有れば、無派遣工事だけで完了する可能性があり、その場合は工事不要で光回線のパフォーマンスを存分に楽しむことが出来ます。

 

光コンセントが有っても利用できないケースがあり、光回線の事業者に確認が必要です。

 

VDSL方式

比較的古い時期に光回線が導入されたマンション集合住宅に見られる方式です。MDF内に有る集合型回線終端装置の先にVDSL集合装置が設置されていて、そこから各戸までは電話線に変換して回線を結んでいます。

 

各戸では、電話用モジュラージャックからVDSL宅内装置に入り、ルーターに接続します。

 

VDSL方式も無派遣工事で開通出来る可能性があります。VDSL方式では、最大の速度が100Mpbsのケースが多く、1Gbpsの光回線が引き込まれていても、速度に大幅な制約が掛かります。また入居者が多いマンション集合住宅の場合、この方式で同時に回線使用者が多数重なった場合は、さらに回線速度が落ちる可能性があります。

 

本来の光回線の持つパフォーマンスを発揮させる事は難しいですが、無派遣工事で完了する可能性があり、インターネットを簡単に楽しむ事が可能です。

 

LAN配線方式

ちょっと前に建てられたマンション集合住宅に多い方式です。MDF内に設置された集合型回線終端装置から、各戸にLANケーブルで繋ぎます。各戸ではLAN用のモジュラージャックが備えられ、ルーターに接続します。

 

導入された時代で、ケーブルが対応しているスピードが異なります。比較的新しい時代に導入されているケースでは1Gbpsの元回線に対して1Gpbsの速度が理論的に出る事も有りますが、古い時代に導入されている場合は100Mbpsの速度しか出ないケースも有ります。

 

LAN配線方式は、設置されているケーブルのスペックに回線速度は大きく依存します。そのままでも利用できるケースも有りますが、有る程度の時間が掛かっても、光配線方式の工事をして変更する事をオススメします。

 

日本で多くの建物に導入されている光回線は、「フレッツ光」であるケースが圧倒的に多くなっています。

 

共用部分まで引き込まれていない建物では、個人の意向だけで光回線を引き込むことは出来ません。他の住民・管理組合の同意や、賃貸の場合は大家さんの合意も必要になります。

 

戸建てでも工事不要の場合が有ります

戸建てで前居住者が光回線を利用していたケースでは、1~2週間程度で完了する事があります。

 

目安としては、「部屋に光コンセントの有無」を確認してください。光コンセントが有れば、基本的に光配線方式で部屋まで回線が来ている可能性が大です。

 

 

(出典:SoftBank公式ページ*一部改変しています)

 

この場合は、簡単な手続きや局内工事だけで、光回線が利用出来る可能性が有ります。

 

光回線の工事が比較的早いのは「フレッツ光」

光回線の導入には工事が必要になり、申込み完了後に開通するまでの期間を要します。具体的に掛かる日数を見てみましょう。

 

auひかり

「auひかり」の申し込んでから開通するまでの目安は、マンション集合住宅で概ね2週間から1ヵ月程度・戸建てでは概ね1ヵ月から2ヵ月程度です。

 

無効のリンク

 

NURO光

「NURO光」の開通期間の目安としては、マンション集合住宅タイプで、1ヵ月から4ヵ月程度・一戸建てで1ヵ月から3ヵ月程度が掛かります。

 

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エリアによっては、更に時間が掛かるケースも有ります。福岡県、佐賀県、岐阜県、北海道エリアは工事状況によって、さらに1~2カ月程度はプラスする必要が有ります。

 

「auひかり」「フレッツ光」の回線工事は1回で完了しますが、「NURO光」は、「宅内工事」「屋内工事」が別の日程で行われます。

 

どちらも立ち会いが必要で手間が掛かり、スケジュールの調整をすれば、さらに開通までの期間が延びる事になります。

 

フレッツ光

「フレッツ光」は、概ね申込みから開通するまでの期間としては2週間から1ヵ月程度です。

 

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何故?開通までの期間に大きな差が有るのか?

ここまで記述している期間は、通常に多く見られる、申し込んでから開通するまでの期間です。人の移動が多い3月から4月の期間などの繁忙期では、通常の期間よりも長くなる傾向になり、回線の種類やエリアによっては開通までに数か月から半年以上掛かるケースも有ります。

 

他の回線と比較して、「フレッツ光」の回線工事期間は短くなっています。その理由の一つは、NTTグループは実際に作業を行う工事業者との付き合いが古く、多くを確保している事が挙げられます。

 

もう一つの理由としては、「NURO光」では全部・「auひかり」でも多くの部分で、NTTが敷設した「フレッツ光」のダークファイバー(NTT東西が利用していない光回線のこと)を利用している事にあります。

 

社内調整がスムーズに行く事に加えて、営利を追求する企業体として自社サービスを優先する事が出来る、光回線工事のスケジュール管理における主導権を、NTT側が持っている事にあります。

 

エリアと工事期間、どちらを考えても「フレッツ光」

光回線の導入工事に、少しでも早い期間での完了をご希望なら、「フレッツ光」をオススメします。

 

日本全国に幅広いサービスエリアを展開していて、多くの建物・マンション集合住宅にも既に導入されていて、工事期間が短期で完了する可能性が大きくなります。

 

「フレッツ光が早いのは解ったけど、ドコモ光とかSoftBank光はどうなの?」という疑問、ごもっともです。解説いたします。

 

「フレッツ光」の利用形態は2種類有ります

「フレッツ光」に限らず、光回線でインターネットを利用するのには、別途に接続業者プロバイダとの契約が必要です。(NURO光はプロバイダがSo-netに限定されていて、契約先はNURO光だけになり、auひかりはプロバイダが選べますが、契約先はauのみです)

 

回線利用費はNTT東日本・西日本に支払い、接続料をプロバイダへ支払う事が一般的でした。ユーザーにとっては、「フレッツ光」+「プロバイダ」と2箇所で契約を結んで、月額料金も別々に支払う必要があり、トラブルが発生した時や、要望を伝えたくても窓口が二箇所あるのは、ユーザーにとってデメリットが大きく、ワンストップで契約支払いが出来るシステムを望む声が大きくなってきました。

 

 

出典:NTT西日本*一部改変

 

光回線をユーザーとの直接契約を結ぶシェアが、巨大企業NTTの独占状態になれば、競争原理が働かなくなり、普及が加速しないと考えた国の意向もあって、NTT東西は、フレッツ光回線の卸業務への移行へ、大幅な方向転換をします。

 

NTTは光回線の卸事業へ注力して、卸し提供を受けたプロバイダを中心とした事業者が、プロバイダ機能と回線をワンセットにしたサービスを提供する「光コラボ」が、2015年2月から開始されました。

 

 

出典:NTT西日本*一部改変

 

「光コラボ」を扱う事業者は、NTT東日本エリアで530社・NTT西日本エリアで235社が有ります。