コロナ禍からの需要の回復に追いつかない供給と、ウクライナ紛争による穀物やエネルギー資源の不足、国同士の金利差から発生する円安傾向も重なって、物の値段が毎月のように値上がりしています。
給料が上がらない中での値上げ基調は自衛手段が不可欠であり、毎月支払っている固定の支払を見直す事が効果的です。
現在利用しているサービスを切る事で、固定費は確かに削減出来ます。
本当に自分にとって必要なのか?あらためて見直す事は大切ですが、生活の中に根付いている習慣にまで、我慢を強いる様な固定費削減は、多大なストレスを伴うだけでなく、意図していなかった生活パターンの変化や不利益も生じかねません。
家族でスマホを自由に利用するために、3大キャリアの無制限・大容量プランに加入しているケースは多く、各種割引を駆使しても、毎月支払うスマホ代のトータル金額は頭の痛い額です。
スマホに毎月掛かる費用の見直しは、固定費削減の効果的な手段の一つですが、利便性だけでなく生活手段に必要だと考えられる為、迂闊に手を付けることが出来ません。
そんな場合に、ストレス無く利用出来るインターネット環境は維持しながら、固定費の支払い費用を削減する方法があります。
具体的には、家族の個々で支払いが発生している、スマホの無制限利用回線を一本化する事です。
自宅に家族で利用する、無制限で利用が出来るWi-Fi環境構築のために、新たな回線を導入する事で、固定費の削減は可能になります。
回線の種類には複数有りますが、サービスタイプ別にご紹介して解説していきます。
今はインターネットの無制限利用環境が不可欠
インターネットのデータ利用量は、年々増加の一途を辿っています。
(出典:総務省)
2022年8月に、総務省が発表しているインターネットの通信量を見ても明らかです。
これは、固定系ブロードバンドインターネットにおけるトラヒック(通信量)の実態を把握するためインターネットサービスプロバイダ(ISP)9社(「(株)インターネットイニシアティブ」、「NTTコミュニケーションズ(株)」、「(株)NTTぷらら」、「(株)オプテージ」、「KDDI(株)」、「JCOM(株)」、「ソフトバンク(株)」、「ニフティ(株)」及び「ビッグローブ(株)」)や、インターネットエクスチェンジ(IX)5団体等の協力の下で、2022年5月のインターネット回線の集計と試算です。
コロナ禍で巣ごもり現象が広がる中で、インターネットの利用が以前とは一層変わり、それが定着している事が見て取れます。
1か月当たりの下り(ダウンロード)だけを見ても、1契約(1回線)あたりに換算すると、概ね175GBが利用されています。
2020年国勢調査では1世帯当たりの人数全国平均は2.27人で、少なくとも2台から3台のスマホの他に、タブレットやパソコンに加えて、テレビやゲーム機をWi-Fi接続して、1人あたりに換算すると、77GB程度を1ヵ月にインターネットを利用している計算になります。
今後もデータ消費量は増加していく事が容易に想像されて、スマホの契約プランだけで賄うためには、高額な無制限プランを家族個々に契約するしか手段がありません。
何故?自宅のネット利用をWi-Fi回線に一本化すると安くなるのか?
自宅に快適なWi-Fi環境の構築が良い事は解っていても、月額支払費用の増加を懸念して、躊躇(ためら)っているユーザーが数多く居て、よく相談を受けます。
新たに回線を導入することで、費用負担の増加は避けたい心理が働くからです。
単純に新しい回線の費用を、現在のスマホ代に加えれば確かに増加しますが、それならオススメしません。
多くのスマホユーザーは自宅での利用時間が圧倒的に多く、利用するデータ量も多くなる傾向が確実にあります。
この自宅利用に新たな回線をWi-Fiで利用することで、契約するスマホプランのデータ容量に、無制限プランは多くの場合不要になり、外出時だけの利用容量(多くの場合は3GB以下です)に合わせた小容量プランにする事が可能になります。
小容量プランの月額料金は、無制限・大容量プランよりも安価になり、サブブランドのプランや格安SIMに乗り換える事で、より一層料金が下がります。
それによって
無制限・大容量プラン×家族人数の料金 > Wi-Fi回線の通信料+小容量プラン×家族人数の料金
になります。
無制限で安い、自宅でWi-Fi利用が出来るインターネット回線とは?
自宅で無制限利用が可能な回線には、無線で利用する手段と、有線で利用する手段があります。
無線で利用するのは、筐体がコンパクトサイズで持ち運びが可能な「モバイルWi-Fiルーター」と、コンセントを挿して自宅で固定利用する「ホームルーター」が有ります。
有線で利用するのは、光ファイバーケーブルの導入工事を行う「光回線」です。
回線には向き不向きや、メリットとデメリットがあります。
それぞれ解説しながら、オススメの回線を提示します。
モバイルWi-Fiルーター
モバイルWi-Fiルーターには大きく分けて、データを無制限で利用出来るタイプと、毎月決まったデータ量が利用出来るタイプが有ります。
モバイルWi-Fiルーターの大前提として、家族で利用する用途で自宅に導入する事には向いていません。
それを考慮すれば、無制限タイプだけでなく、月に100GB程度の容量タイプなら、事実上の無制限利用が可能だと考えて差し支え有りません。
モバイルWi-Fiルーターのメリット
回線工事が不要で、導入したら即、Wi-Fiでインターネットの利用が可能になります。
自宅で利用するだけでなく、外出時にも持って出掛ける事が可能になるので、出先でも自分だけのWi-Fi基地局を持ち運ぶ事になり、スマホだけで無くパソコンやタブレット等の端末も使えます。
モバイルWi-Fiルーターを契約したら、スマホのプランのギガ消費は基本的に無くなります。
無制限で安い回線を導入すれば、スマホプランは安価な最低限のプランに乗り換えが可能になり、通信費のトータル費用が安くなります。
たとえば、LIBMOの3GBプランにすれば、月額980円でスマホの利用が可能になり、モバイルWi-Fiルーター代+980円 で、通信費のトータル費用を賄うことが出来ます。
(出典:LIBMO公式)
モバイルWi-Fiルーターのデメリット
モバイルWi-Fiルーターが家族で利用するのに向かない回線である理由は、家族の誰かが外に持ち出したら、自宅に居る家族のインターネット回線が無くなってしまう事にあります。
また、筐体サイズがコンパクトに収まっている事から、アンテナ類も全て小さく、バッテリーの電源供給になる事と合わせて、通信速度は今回比較するWi-Fi回線の中で最も遅くなり、Wi-Fiが飛ぶ範囲も狭くなることから、機器の側で利用する事が基本になる事も、その理由です。
大きなデメリットの一つに、無制限を標榜しているサービスでも、無線回線の宿命として、完全に無制限利用が出来ない事があります。
利用の仕方(短期間に大きなデータ量を消費するなど)によっては制限が掛かる事が、無線利用の無制限サービスのホームページには、必ず注意書きとして存在しています。
モバイルWi-Fiルーターはデメリットが有ることも確かですが、単身世帯がワンルームマンションで利用するための、無制限に利用出来るWi-Fi環境の構築手段としては、スマホの無制限・大容量プランを利用するよりもメリットがあります。
以下、具体的なオススメのサービスをご紹介します。
無制限で安い、モバイルWi-Fiルーターを利用したWi-Fi利用手段① 「楽天モバイル」
(出典:楽天モバイル公式)
無制限利用時の月額料金は、3,278円です。
端末本体代4,401円も楽天ポイントで満額返還されるため、実質0円で利用出来ます。
楽天モバイルは、ワンプランの従量制「Rakuten 最強プラン」で、データ利用が少ない月には、3GBまでなら月額1,078円・20GBまでなら2,178円に減額されます。
楽天モバイルのデメリットは?
安価に利用出来る楽天モバイルですが、特有のデメリットも存在しています。
最も大きなデメリットは、楽天回線の電波が提供されているエリアが、3大キャリアと比較して狭いことが挙げられます。
楽天回線の電波が利用出来ない場所では、au回線をパートナー回線として利用が出来ますが、利用出来るエリアでも通信速度が遅くなる可能性があり、快適に無制限利用出来るのは、楽天回線の電波が掴める場所に限定されます。
都市部でも建物などの影響で、窓際では大丈夫でも、部屋の中では楽天回線を掴む事の出来ないケースもあります。
楽天回線の電波が利用出来る環境では、極めてコスパの高い、無制限で安いWi-Fi回線だと言えます。
無制限で安い、モバイルWi-Fiルーターを利用したWi-Fi利用手段② 「GMOとくとくBB WiMAX」
(出典:GMOとくとくBB WiMAX公式)
WiMAXはKDDI系の無線回線ですが、auが使っている電波とは異なる周波数帯を利用しています。
WiMAXは様々なプロバイダからサービスが提供されていますが、「GMOとくとくBB WiMAX+5」は最安値級だと言えます。
月額料金4,444円ですが、端末代を36回の分割で支払う必要が有り、月々605円を加算する必要が有ります。
端末代を分割している3年間は、月額料金の割引が受けられます。
具体的には端末分割代込みで、2ヵ月目まで2,079円・3年まで4,434円になります。
コスパ良く安く利用するためには、契約時のキャッシュバックも計算に入れる必要が有ります。
今なら、新規契約で23,000円のキャッシュバックが受け取れます。
WiMAX系のデメリットは?
通信速度の速さに定評があるWiMAXですが、電波の届く範囲は限られています。
周波数帯の異なる「au 4G LTE」と、同じくauの次世代回線「au 5G」を利用する事も出来ますが、利用にはプラスエリアモードのオプション料金として、毎月1,100円が加算されます。
プラスエリアモードでは、月に15GBの利用量制限があります。
WiMAXの電波が問題無く受信出来るエリアでは、単身者が利用する、無制限で安いWi-Fi回線としてオススメ出来ます。
月100GBで安い、モバイルWi-Fiルーターを利用したWi-Fi利用手段 「クイックWiFi」
(出典:クイックWiFi公式)
単身者が利用するデータ量として月に100GBは、事実上の無制限利用が可能だと言えます。
100GBと言っても、その使用感がピンと来ないですよね?
たとえばYouTubeの高画質HD720pの視聴を、毎日欠かさず1ヵ月間、約3時間は楽しめる容量です。
月額料金は3,718円です。
前述の2つのモバイルWi-Fiルーターは、いずれも使いたい場所で電波が利用出来るか?が、大きな問題ですが、クイックWiFiはその対極にある「クラウドSIM」を採用しています。
これは、3大キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の電波が全て利用出来て、利用する場所で最適な電波を自動的に選択して接続します。
キャッシュバックも受け取る事が出来ます。
詳細は以下をご覧下さい。
クイックWiFiのデメリットは?
単身者が一般的に利用するインターネットの使い方では、基本的に問題にはなりませんが、月に100GBを超える利用が出来ない事が、デメリットだと言えます。
単身者が無制限に安いWi-Fi回線導入方法として、クイックWiFiは最適と言える選択肢です。
ホームルーター
ホームルーターは、工事不要でコンセントを挿すだけでWi-Fiが利用出来る、気軽に導入出来る無線を利用するタイプですが、モバイルWi-Fiルーターとは異なり、Wi-Fiの飛ぶ範囲が広くなり、家族が別の部屋で利用する事も可能です。
回線速度もモバイルWi-Fiルーターと比較して速くなり、家族で利用するインターネット回線として充分に機能します。
ホームルーターのサービスは、3大キャリアのそれぞれから提供されています。
ホームルーターのメリット
導入工事が必要無く、機器が届いてコンセントに挿すだけでWi-Fiの利用が出来るため、短期間で気軽に自宅のWi-Fi環境が構築出来ます。
LANポートも備えていて、スマホパソコン・タブレットのWi-Fi利用だけで無く、有線のLANケーブルを使った端末の接続も可能になり、光回線でWi-Fiルーターを使用した時と、殆ど同様の使い勝手が実現します。
コンセントを利用するので持ち出す事は出来ませんし、利用する場所を登録する必要が基本的にはありますが、手続きを踏めば利用する場所の変更は可能で、引っ越しが多い転勤族ファミリーにも、引っ越し先で即日工事不要でWi-Fi環境が可能になるため、ホームルーターはオススメ出来る回線手段です。
ホームルーターのデメリット
ホームルーターは光回線と同様の使い勝手は実現できますが、通信速度や品質の安定感など、回線品質では光回線に遠く及びません。
無線回線である以上、無制限を標榜していてもモバイルWi-Fiルーターと同様に、ホームルーターの利用の仕方によっては制限が掛かる事があり得ます。
具体的に3社のホームルーターのサービスを見ていきましょう。
無制限で安い、ホームルーターを利用したWi-Fi利用手段① 「ドコモ home 5G HR01」
(出典:GMOとくとくBB ドコモ home5G)
〇月額料金 4,950円
〇本体価格 39,600円 (月々サポートで毎月分1,100円が36回に渡り割引されるため、本体費用は実質無料で利用が出来ます。)
上記キャンペーンサイトにて「home 5G プラン」の新規契約と専用端末のご購入で、amazonギフト券18,000円分がゲット出来ます。
無制限で安い、ホームルーターを利用したWi-Fi利用手段② 「Speed Wi-Fi HOME 5G L12」
(出典:UQ WiMAX公式)
〇月額料金 1・2年目4,268円 3年目以降4,950円
〇本体価格 11,088円
他の2社と異なり分割払でも割引制度は無く、36回払いで月額308円加えてを支払う必要があります。
モバイルWi-Fiルーターで書いたのと同様に、WiMAXが掴めないエリアでは、プラスエリアモードのオプション料金1,100円を支払って、auの電波を利用する必要が有り、月に15GBの容量制限があります。
現在新規契約と端末同時購入で、5,278円のキャッシュバックが受け取れますが、クレジットカードでの月額料金支払いに加えて、auスマートバリューに加入するなどの条件があります。
無制限で安い、ホームルーターを利用したWi-Fi利用手段③ 「ソフトバンクエアー ターミナル5」
(出典:SoftBank Air 公式)
〇月額料金 1年目3,080円 2年目以降5,368円
〇本体価格 71,280円 (月々割で毎月分1,980円が36回に渡り割引されるため、本体費用は実質無料で利用が出来ます。)
現在は、「Airターミナル5 GoGoキャンペーン」を行っていて、1年間の月額料金から毎月2,288円が割引きされるため、月額料金が3,080円になります。
公式サイトではキャッシュバックキャンペーンは行っていませんが、オンライン代理店で申し込むと、高額のキャッシュバックキャンペーンを行っています。
詳細は以下をご覧下さい。
最も安く無制限でWi-Fi利用が出来るホームルーターはソフトバンクエアー
(出典:ソフトバンクエアー申込サイト)
キャッシュバックまで考慮して、実際に2年間利用した場合の実質金額を計算した、3社のサービスを比較します。
ドコモ home 5G | WiMAX +5G | ソフトバンクエアー | |
基本月額 1年目 | 4,950円 | 4,268円 | 3,080円 |
基本月額 2年目 | 4,950円 | 4,268円 | 5,368円 |
2年間合計金額 | 118,800円 | 102,432円 | 101,376円 |
キャッシュバック | 18,000円 | 5,278円 | 33,000円 |
2年間実質合計 | 100,800円 | 97,154円 | 68,376円 |
実質月額料金 | 4,200円 | 4,048円 | 2,849円 |
実質支払額で比較すれば、無制限で最も安いホームルーターは、ソフトバンクエアーです。
光回線
無線回線の2タイプと比較すれば、回線品質が最も優れているのは圧倒的に光回線です。
有線の光ファイバーケーブルを使用する回線のため、自宅への導入工事が必要ですが、メリットはそれ以上にあります。
光回線のメリット
回線品質が優れる
現在一般的に利用出来る回線の中で、最も回線品質