制限無く「誰でも」契約が出来るWi-Fi環境について、考えてみましょう。
一般的にWi-Fiの利用には、インターネットが利用出来る回線の契約が必要です。
その上で、Wi-Fi基地局として機能する機器も必要になります。
通信会社ではこれをワンセットにしたサービスを、数多く展開しています。
年齢の制限から考えてみましょう。
通信契約も一般的な契約と同様、明治時代から最近までのおおよそ140年間は、民法で成年年齢が20歳と定められていて、未成年が親の承諾無しに契約を単独で結ぶ事は出来ませんでした。
しかし、2022年4月1日から民法が改正されて、成年年齢が18歳に引き下げられました。
そのため、現在の通信会社の契約は18歳以上なら、基本的に契約が可能になっています。
17歳未満での単独契約は、行う事が出来ません。
年齢以外の制約としては、平たく言えば支払能力があります。
Wi-Fiを継続的に利用する場合、毎月一定の金額をコンスタントに支払い続ける必要が有ります。
支払う内容としては、毎月の通信料の他に、Wi-Fi基地局になる機器の分割支払いが有り、利用する回線サービスによって機器も異なり、掛かる金額は異なってきます。
通信料や機器の代金が高額になるほど、契約時の審査基準は当然厳しくなります。
Wi-Fi回線の契約には、サービスを提供する会社ごとに独自の審査基準が設けられていて、難易度もそれぞれ異なっています。
そのため、契約時の事前審査に通らないケースが発生します。
審査基準は一切公開されておらず、審査に落ちた場合の理由についても、一切回答を得ることは出来ません。
しかし、巷で言われているような、各社で共有する情報としての「ブラックリスト」は存在しておらず、回線の種類によっては審査に通らなくても、別の回線なら審査に通るケースは少なくありません。
誰でも契約できるWi-Fiはあるのか?回線の種類ごとの審査基準などを考察します。
年齢不問で審査が無く、誰でもWi-Fi回線を利用できる方法は?
契約が必要になるWi-Fi利用のための回線は、大なり小なりの審査を完全に避ける事は難しいと言えます。
そのため、年齢も審査も問われない手段としては、契約では無く、回線の利用権と必要な機器の購入する手段が最も近道です。
契約ではなく購入
Wi-Fiでインターネットを利用するためには、有効なデータ通信用のSIMを先払いで購入して、そのSIMをWi-Fi基地局として活用する機器を一括購入します。
データ通信用のSIM
SIMとは小さなチップで、利用出来る電波の情報が書き込まれていて、「スマートフォン」「モバイルWi-Fiルーター」「ホームルーター」などの機器に差し込む事により、SIMの情報を器機が読み取りインターネットに接続します。
SIMの入手は通信会社との契約が一般的ですが、それ以外の手段として、利用出来る容量や期間が決められていて、先に支払いをするプリペイド型のSIMなら、購入するだけで利用が出来るため、審査は不要になります。
プリペイド型のSIMの電波は特別なものではなく、概ね3大キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)のいずれかの電波を利用していて、どれを使うSIMなのかが必ず明記されています。
SIMフリーのWi-Fi基地局になる機器
Wi-Fi基地局になる機器の購入は、利用出来る通信会社が限定されない「SIMフリー」タイプを入手します。
一括購入すれば、当然審査も不要です。
使える通信会社が限定されているSIMロックの掛かっているタイプは、プリペイド型のSIMが利用出来ない事が多くあります。
利用出来る周波数帯にも注意してください。
プリペイド型のSIMで利用する電波の周波数帯に、対応している機種を選ぶ必要が有ります。
現在主力で利用されている4Gの、周波数帯は以下の通りです。
バンド | 周波数帯 | 使用するキャリア |
1 | 2GHz帯 | docomo・au・SoftBank |
3 | 1.7GHz帯 | docomo・au・SoftBank・楽天モバイル |
8 | 900MHz帯 | SoftBank(特に重要なバンド) |
11 | 1.5GHz帯 | au・SoftBank |
18 | 800MHz帯 | au |
19 | 800MHz帯 | docomo(特に重要なバンド) |
21 | 1.5GHz帯 | docomo |
26 | 800MHz帯 | au(特に重要なバンド) |
28 | 700MHz帯 | アジア太平洋共通バンド(docomo・au・SoftBank) |
41 | 2.5GHz帯 | Wireless City Planning・UQ コミュニケーションズ |
42 | 3.5GHz帯 | docomo・au・SoftBank |
購入する機器の対応バンドと、購入するプリペイド型のSIMの電波が合っているのか?は非常に大切で、必ずしも全部のバンドが利用出来る必要は有りませんが、複数のバンドに対応している方が、回線速度や安定感が向上します。
特に(重要なバンド)と表記しているのは、各社のプラチナバンドと呼ばれている周波数帯で、ここに対応していない場合は、他の周波数帯だけでカバーするのは事実上難しく、避けた方が無難です。
たとえば、ドコモの電波を利用するプリペイド型のSIMで、バンド19に対応していない機器は、組みあわせて利用するべきではありません。
購入でWi-Fi回線が構築出来れば他の端末でも自由にインターネットが利用出来る
購入したプリペイド型のSIMとWi-Fi基地局の機器で、Wi-Fiが利用出来る環境が構築出来ます。
Wi-Fiを利用して接続すれば、他の機器(SIM契約していないスマートフォンやパソコンなど)では回線契約の有無に関わらず、インターネットを楽しむ事が可能になります。
購入で利用出来るWi-Fiの具体例
契約ではなく、購入する事でWi-Fiを利用する為の、具体的な商品を見てみましょう。
一般的な家電量販店等では簡単に見つかりませんが、Amazonなどの通販では容易にみつかります。
Amazonで購入する場合、必ずしもクレジットカードは必要無く、着払いやコンビニ払いにも対応しています。
プリペイド型のSIM(先払い)
販売されているプリペイド型のSIMは、利用出来る容量や期間などによっても、価格が変わってきます。
プリペイド SIMカード 10gb Softbank
回線にはソフトバンクを利用する、10GB容量が利用出来る、先払いのプリペイド型のSIMです。
有効期限は設定されていますが、10GBのデータ量は有効期限内なら利用日数の制限は、別途設定されていません。
4G-LTE高速回線接続 プリペイドSIMカード
回線にはドコモを利用する、20GB容量が利用出来る、先払いののプリペイド型のSIMです。
有効期限が設定されていて、その期間内に使い切るのと共に、利用開始からの期間も31日間に限定されています。
Docomo data sim 日本 SIMカード
回線にはドコモを利用する、50GB容量が利用出来る、先払いののプリペイド型のSIMです。
開通期限は設けられていませんが、利用開始からの有効期間が31日間に限定されています。
SIMフリー スマートフォン
プリペイド型のSIMを差し込んで利用するのに、最も簡単な手段がSIMフリースマホを利用する方法です。
スマホを利用してインターネットを使う事に限定するなら、別途の機器(Wi-Fi基地局)も必要ありません。
プリペイド型のSIMはデータ通信専用であり、電話通話用の電話番号を持っていません。
音声通話の手段としては、既に利用しているLINEやSkypeのIDが有る場合、通話に利用出来る可能性が有ります。
スマートフォンをWi-Fi基地局にするテザリング機能を使って、他の機器を接続してインターネットをする事も可能です。
SIMフリースマホには、元々SIMフリースマホとして存在しているものと、SIMロックが掛かっている通信会社が販売している機種を、SIMロック解除をしてSIMフリー化したタイプがあります。
SIMフリー docomo Xperia Ace III SO-53C
ドコモで販売されていたスマートフォンを、SIMロック解除した端末です。
ドコモの電波を利用するプリペイド型のSIMとの相性が良く、対応バンドも当然問題が有りません。
Amazonに書き込まれているレビューでは、ソフトバンクの電波も問題無く利用出来る様です。
SIMフリー SoftBank Redmi Note 9T 128GB
ソフトバンクで販売されていた機種を、SIMロック解除してSIMフリー化したものです。
ソフトバンクの電波を利用するプリペイド型のSIMとの相性が良く、対応バンドも当然問題が有りません。
SIMフリー モバイルWi-Fiルーター
バッテリー駆動が可能なWi-Fi基地局としての機能を果たす機器で、鞄に入れてもち運んでも負担にならないため、自宅だけで無く外出先でも、自分だけのWi-Fi基地局を常に持ち運ぶ事が可能になります。
NECプラットフォームズ Aterm モバイルルーター MP02LN
ソフトバンクの重要な周波数帯である、バンド8に未対応になっていて、基本的にはドコモの電波を使うプリペイド型のSIMを利用します。
富士ソフト +F FS040W モバイルWi-Fiルーター SIMフリー 端末 FS040WMB1
数多くの周波数帯に幅広く対応していて、その時々のメリットやニーズで、自由にプリペイド型のSIMを選択が出来ます。
バッテリー駆動だけでなく、バッテリーを取り外してUSBでの電源供給にも対応するなど、使い勝手が良く、ホームルーターとしての利用や車載Wi-Fi基地局としても活用出来ます。
Aterm (NEC) LTEモバイルルーターSIM付属セット SIMフリー MR10LN
1GBのデータ容量のプリペイド型のSIMと機器が、セット販売されています。
付属のSIMは、日本国内だけの利用に留まらず、170以上の国や地域で利用が出来る様になっていて、機器も幅広いバンドに対応しています。
付属のSIMだけでなく、もちろん先述のプリペイド型のSIM等も、自由に利用することが可能です。
SIMフリー ホームルーター
筐体サイズがモバイルルーターよりも大きく、アンテナ等のパーツ設計にも余裕があるため、通信品質が向上してWi-Fiの飛ぶ範囲も広くなります。