日本の高速道路の最高速度は、時速100kmに永らく固定されてきました。
行政で一旦決まった事は、何の疑問も持たずに継続する事が多く、自動車の高性能化や舗装技術向上が時代と共に飛躍的であっても、新たな問題などが起きる事を恐れて、現状維持が続いていました。
しかし、2020年にはようやく重い扉が開き、新東名で最高時速120kmの実証実験が始まり、現在では新東名御殿場JCT~浜松いなさJCT間の限定ですが、145kmに渡り最高時速120kmが実現しています。
新たに東北自動車道 岩槻IC付近~佐野藤岡IC付近までの、埼玉県・群馬県・栃木県を跨ぐ40km以上の区間で、時速120kmが実現しました。
高速道路の最高速度向上は、明確にメリットがあります。
単純計算で600kmの道のり(まだ120km/h開通区間はそこまで到達していませんが)を、時速100kmで走れば6時間が掛かりますが、時速120kmなら5時間で到達出来るので、1時間の時間を生み出し得ることが出来ます。
インターネットの通信速度は道路とは異なり、行政に速度制限の足枷を嵌められること無く、時代と共に着実に進化し続けています。
鶏が先か卵が先か?の話になってきますが、通信速度の向上には、扱うデータ量が巨大になっている事があります。
3.5インチのフロッピーディスク(1.44MBが保存出来る磁気ディスクです)が、バリバリの現役だった時代は、その容量に不足を感じる事は少なく、インターネットの通信速度はアナログ回線の28,800bpsでも、大きな不都合無く利用していました。
時代と共に扱うデータ量が大きくなり、今ではスマホで撮影した写真1枚でさえ、フロッピーディスクに収める事が出来なくなっています。
より容量の大きい記録媒体である、ZIPやMOディスク・USBメモリに移行していく中で、通信回線もアナログからデジタル、ADSLから光回線へと進化の移行が進んできました。
現在光回線の主力通信速度は1Gbpsですが、従来の通信速度の10倍にあたる10Gbpsのサービスが次々に誕生しています。
NTT東西でも10Gbpsのサービスである、フレッツ光クロスがサービスを開始しています。
他の同様のサービスも含めて、2022年10月現在の今、10Gbpsの光回線は時期尚早なのか?メリットとデメリットも含めて解説します。
通信速度の解説
冒頭で通信速度について書きましたが、本題に入る前に、簡単に通信速度について解説します。
単位
通信速度は、「bps」という単位です。
数値が低いほど低速、大きいほど高速になります。
bpsはBit per secondの頭文字で、1秒間にどれだけのデータ量を送れるのか?という意味を持つ単位です。
1,000bpsは1kbps、1,000kbpsが1Mbpsで、1,000Mbpsは1Gbpsと、bpsの前に付くアルファベットで桁数が変わります。
アップロードとダウンロード
上りと下り、という言い方もします。
データを利用者から送る、画像や動画のアップロード、メール送信等に影響するのが上りの通信速度で、昨今増加しているテレワーク・在宅ワークなどで利用される、zoomなどのweb会議で、自分の画像や音声が参加者に届かなかったり、画像が止まってしまったりする原因の多くは、アップロード速度が足らない事に起因しています。
動画の視聴やwebの閲覧など、インターネットの快適度に大きく関わるのは、下り(ダウンロード)通信速度です。
どんな回線でも、上りと下りの速度には違いが起きる事が普通です。
Ping値
直接の通信速度を表してはいませんが、通信品質を知る上で押さえておきたいのがPing値です。
反応速度を示す値がPing値で、単位は「ms」です。
msはミリ秒を意味していて、レイテンシと言われる場合もあります。
数値が小さいほど、反応レスポンスが速いということになります。
通常のインターネット利用では、50ms程度でも大きな問題は感じません。
いわゆるタイムラグと呼ばれる類いなので、回線の読み込み速度を含めて、利用する端末機器の性能も大きく影響するためです。
最も影響するのは、反射神経が必要になるオンラインゲームです。
20ms程度には収まっていないと、イライラする事にも繋がり、よりシビアな10ms程度を望むようになるユーザーも少なく無いようです。
公称値
従来の光回線が1Gbpsで、フレッツ光クロスなど10Gbpsの新しいサービスなど、回線速度の具体的な記述は、公称値と呼ばれるサービスを提供する側が発表している理論上の理想値で、実際にその速度が出る事は基本的にありません。
特に無線回線では、アンテナ基地局からの距離や、利用する環境・周りの建物や発信される電波等で影響を受ける範囲が大きく、ロスがユーザーに届くまでに多く発生して、公称値を大きく下回る実際の速度になるケースが多くなります。
光回線は無線回線に比較すればロスは小さいですが、ユーザーに届くまでのロスは避けられず、届いてからも、使用する端末のスペックや周辺機器のスペックによって、大きく左右されます。
フレッツ光クロスを利用するためには?
従来からある1Gbpsのフレッツ光は、日本で最も提供エリアが広く、唯一47都道府県全てでサービスが受けられる光回線です。
しかし、10Gbpsのフレッツ光クロスのサービス提供エリアは、まだ限定された一部のエリアでしか利用出来ません。
また、フレッツ光クロスは一戸建て住宅向けのサービスとしてスタートしていて、マンション集合住宅へのサービスは開始されましたが、利用出来る場所は更に限定されているのが現状です。
フレッツ光では、インターネットの利用に不可欠なプロバイダを、別途それぞれ2箇所で契約する方法と、NTT東西から回線の卸供給を受けたプロバイダだけの、1箇所で契約する方法があります。
フレッツ光のサービス開始からある、「フレッツ光」+「プロバイダ」の契約形態は、現在では法人契約の主流になっています。
(出典:NTT西日本*一部改変)
NTTと直接契約を結ぶことで、通信だけで無く電話やシステムなど、幅広いジャンルでのNTTのノウハウを有効に利用出来るのが、その理由です。
個人契約の主流は、別々に契約するよりも安価になる、「光コラボ」が主流です。
(出典:NTT西日本*一部改変)
一箇所に窓口や支払先が集約されるメリットだけで無く、月額料金も2箇所で契約した合計金額よりも安くなります。
「光コラボ」を扱う事業者は、NTT東日本エリアで530社・NTT西日本エリアで235社がありますが、これはあくまで1Gbpsのフレッツ光のプロバイダ数です。
10Gbpsのフレッツ光クロスでも、フレッツ光と同様に2つの形態での契約が可能です。
しかし、取り扱っているプロバイダの数は大幅に少なくなるため、光コラボの数も極端に少なくなっています。
具体的に利用可能な、フレッツ光クロスのサービスと提供エリアを見てきましょう。
フレッツ光クロスの一戸建て住宅提供エリア
提供されるエリアは、徐々に広がりを見せていますが、まだまだ限られています。
提供エリア以外での、フレッツ光クロスのサービスの利用は出来ません。
東京都
「全域提供エリア」
23区・狛江市・三鷹市・調布市・稲城市・小金井市・小平市・清瀬市・西東京市・東久留米市・東村山市・東大和市・府中市・武蔵野市・日野市・福生市
「一部提供エリア」
羽村市・あきる野市・国立市・国分寺市・青梅市・昭島市・多摩市・武蔵村山市・町田市・立川市・八王子市・西多摩郡瑞穂町
神奈川県
「全域提供エリア」
横浜市旭区・横浜市磯子区・横浜市栄区・横浜市戸塚区・横浜市港南区・横浜市港北区・横浜市神奈川区・横浜市瀬谷区・横浜市西区・横浜市南区・横浜市青葉区・横浜市泉区・横浜市中区・横浜市都筑区・横浜市緑区・横浜市保土ヶ谷区・川崎市幸区・川崎市高津区・川崎市多摩区・川崎市中原区・川崎市宮前区・川崎市麻生区・茅ケ崎市・綾瀬市・大和市・高座郡寒川町・足柄上郡開成町
「一部提供エリア」
横浜市金沢区・横浜市鶴見区・川崎市川崎区・相模原市中央区・相模原市南区・相模原市緑区・横須賀市・海老名市・鎌倉市・厚木市・伊勢原市・逗子市・座間市・小田原市・秦野市・藤沢市・平塚市・足柄上郡松田町・足柄上郡大井町・足柄上郡中井町・中郡大磯町・中郡二宮町
千葉県
「全域提供エリア」
千葉市稲毛区・千葉市中央区・千葉市美浜区・市川市・習志野市・松戸市・白井市・浦安市・鎌ヶ谷市・流山市
「一部提供エリア」
千葉市若葉区・千葉市花見川区・千葉市緑区・市原市・成田市・船橋市・袖ケ浦市・大網白里市・東金市・八街市・木更津市・柏市・茂原市・八千代市・四街道市・君津市・銚子市・旭市・印西市・我孫子市・鴨川市・佐倉市・山武市・富里市・野田市
埼玉県
「全域提供エリア」
さいたま市西区・さいたま市浦和区・さいたま市桜区・さいたま市南区・ふじみ野市・志木市・新座市・草加市・富士見市・北本市・和光市・蕨市・南埼玉郡宮代町・入間郡三芳町・三郷市・越谷市・戸田市・所沢市・川口市・八潮市
「一部提供エリア」
さいたま市緑区・さいたま市見沼区・さいたま市大宮区・さいたま市中央区・さいたま市岩槻区・さいたま市北区・坂戸市・狭山市・飯能市・本庄市・羽生市・桶川市・加須市・吉川市・久喜市・熊谷市・幸手市・行田市・鴻巣市・春日部市・上尾市・深谷市・川越市・鶴ヶ島市・秩父市・朝霞市・東松山市・日高市・入間市・蓮田市・ 白岡市・児玉郡神川町・秩父郡小鹿野町・秩父郡横瀬町・比企郡滑川町・北葛飾郡杉戸町・北足立郡伊奈町
大阪府
「一部提供エリア」
大阪市・東大阪市・八尾市・松原市・藤井寺市・豊中市・堺市・茨木市・吹田市・大東市・門真市
和歌山県
「一部提供エリア」
和歌山市
京都府
「一部提供エリア」
京都市・長岡京市・向日市
滋賀県
「一部提供エリア」
草津市・彦根市
兵庫県
「一部提供エリア」
加古川市・伊丹市
愛知県
「一部提供エリア」
名古屋市・岡崎市・豊川市・刈谷市・江南市・小牧市・津島市・春日井市・北名古屋市・半田市・瀬戸市・大府市・豊橋市
静岡県
「一部提供エリア」
藤枝市・袋井市・富士宮市・三島市・浜松市・焼津市・磐田市
岐阜県
「一部提供エリア」
岐阜市・美濃加茂市
フレッツ光クロスのマンション集合住宅提供エリア
マンション集合住宅での利用は、提供エリアが更に大きく縮まります。
西日本エリア
NTT西日本では、フレッツ光クロスのマンションタイプをスタートさせていますが、提供エリアは以下の様に、極めて限られています。
・大阪府
「一部提供エリア」
大阪市
・愛知県
「一部提供エリア」
名古屋市
東日本エリア
2022年の9月以降に、東京近郊とマンション集合住宅への提供が開始する事が、NTT東日本から発表されています。
しかし、現状で公表されている提供エリアは一戸建てタイプのみだけです。
マンションタイプのエリアは公開されておらず、個別の問い合わせをする必要があります。
主なフレッツ光クロスが利用出来るサービスと料金
フレッツ光クロスの利用方法には、フレッツ光と同様に、プロバイダを別契約する方法と、光コラボを利用する方法があります。
従来の1Gbpsのフレッツ光では、一戸建て住宅とマンション集合住宅の月額料金は異なりますが、フレッツ光クロスでは同額になっています。
主なサービスを具体的に見てみましょう。
フレッツ光クロス+プロバイダ
NTT東日本 6,050円+プロバイダ料金(1,100円程度から)
NTT西日本 5,720円+プロバイダ料金(1,100円程度から)
従来からある1Gbpsのフレッツ光は、マンションで3,575円から・戸建てで4,730円が月額料金のため、割高感が否めません。
ドコモ光 10ギガ
10ギガ タイプA 6,380円
10ギガ タイプB 6,600円
支払先が一箇所になる、10Gbpsのフレッツ光クロスの「光コラボ」です。
一般的な光コラボはプロバイダと契約を行う為、プロバイダの選択肢は当然有りませんが、その中でもドコモ光は特殊で、複数のプロバイダから選ぶ事が可能です。
選択するプロバイダによって安価なタイプAとタイプBが分かれていて、月額料金が異なります。
1Gbpsのドコモ光は、タイプAのマンションタイプで4,400円・戸建てで5,720円になっています。
ソフトバンク光 10ギガ
月額料金 6,380円
別途必須オプションのホームゲートウェイ(N)10ギガの、月額550円が必要です。
支払先が一箇所になる、10Gbpsのフレッツ光クロスの「光コラボ」です。
1Gbpsのソフトバンク光は、マンションで4,180円・戸建てで5,720円になっています。
NTT東西以外の10Gbpsのサービスは?
数多いサービスがあると感じる光回線ですが、実際に敷設されている光回線は、それほど多くありません。
全国全ての都道府県で利用出来る光回線は、NTT東西のフレッツ光だけですが、KDDIの「auひかり」・ソニーネットワークコミュニケーションズの「NURO光」は、フレッツ光の利用していない部分のダークファイバーと呼ばれる部分を使って、フレッツ光には及びませんが、全国でサービスを展開しています。
auひかりとNURO光も、利用出来るエリアは限られますが、10Gbpsのサービスを展開しています。
他の光回線は、電力会社と有線放送が行う地元限定エリアが中心です。
これらの地域限定光回線の中でも、10Gbpsのサービスを行っている事があります。
具体的なサービスを見ていきましょう。
NURO光 10ギガ
月額料金 5,700円(3年契約 自動更新)・8,300円(契約期間無し)
回線がフレッツ光ではないため、光コラボではありません。
料金はプロバイダ料込みで、プロバイダは選択出来ず、自動的にSo-netになります。
NURO光の主力である2Gbpsタイプでは、月額料金が5,200円(戸建て・マンション集合住宅とも同じ)です。
NURO 光 10Gのサービス対象エリアは北海道、関東(東京、神奈川、埼玉、千葉)、東海(愛知、静岡、岐阜、三重)、関西(大阪、兵庫、奈良、京都)、九州(福岡、佐賀)の一部エリアだけに現状は限られています。
法人契約は受け付けておらず、個人契約のみです。
auひかりホーム 10ギガ
月額料金 7,678円(2年契約 自動更新)
auひかりホーム1ギガは月額5,610円ですが、多くのユーザーが利用するauスマートバリュー対象になるためには、電話利用料が別途550円掛かるため、実質6,160円と比較して、10ギガの場合は1,518円高くなります。
auスマートバリューの適用を考えなければ、電話を無しでネットの利用だけでも可能です。
その場合、月額料金は7,128円になります。
月額料金は、プロバイダにau one netを選び、口座振替・クレジットカード割引の月額110円引きが適用された時の価格です。
10Gbpsのサービスで、選択出来るプロバイダがau one net以外に5社あります。
auひかりホーム10ギガの提供エリアは、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の一部エリアに限定されています。
eo光 10ギガコース
月額料金 3,280円(一年目) 6,530円(二年目以降)
関西電力系のオプテージが運営する光回線で、関西電力管内をサービス提供エリアに展開しています。
従来の1Gbpsの月額料金は、3,280円(一年目) 5,448円(二年目以降)です。
提供エリアは、大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県・福井県の、一部エリアに限られます。
eo光は10Gbpsのサービス提供エリア拡大に熱心で、現在、従来の提供エリア内の98%以上で、10Gbpsのサービスの利用が可能になっています。
コミュファ光ホーム10G
月額料金 6,490円
コミュファ光は中部電力系の光回線で、ctcが運営しています。
中部電力管内エリア限定の光回線を提供しています。
通常の、コミュファ光ホーム1Gの月額料金は5,720円です。
提供エリアは、愛知県・岐阜県・三重県・静岡県・長野県の一部です。
10Gbpsの光回線サービスのメリットとデメリット
一通り10Gbpsのサービスを見てきました。
ここで、メリットとデメリットを考えてみましょう。
10Gbpsの光回線サービスのメリット
利用するインターネットの通信速度は、遅いよりも速い方が良いに決まっています。
通信速度
10Gbpsのサービスを利用するメリットは、これに尽きます。
広く普及している、通常の1Gbpsのサービスの10倍の公称値になるサービスは、実際に利用出来る通信速度が10倍にはなりませんが、高速になる事は疑いようがありません。
実際の利用者が通信速度を計測している「みんなのネット回線速度」で、フレッツ光とフレッツ光クロスを比較してみましょう。
「フレッツ光ネクスト」 公称値1Gbps
直近3ヶ月に計測された63,972件のフレッツ光ネクストの測定結果から平均値
平均Ping値: 20.19ms
平均ダウンロード速度: 273.45Mbps
平均アップロード速度: 220.72Mbps
「フレッツ光クロス」 公称値10Gbps
直近3ヶ月に計測された869件のフレッツ光クロスの測定結果から平均値
平均Ping値: 11.04ms
平均ダウンロード速度: 1078.74Mbps
平均アップロード速度: 1279.63Mbps
公称値通りの10倍にはなっていませんが、ダウンロード速度は4倍近い数値が出ています。
10Gbpsの光回線サービスのデメリット
10Gbpsのサービスによる通信速度は大きなメリットですが、シビアに見ればデメリットの方が現状では多いと言えます。
利用出来るエリアが限定されている
通常の光回線と比較して、大なり小なりはありますが、10Gbpsのサービスが利用出来るエリアは限られているのが現状です。
提供エリアに居住の一戸建て住宅の方を中心に、利用出来る方は限られていて、マンション集合住宅での利用は極めて少ないです。
どれだけ望んでも、提供エリアで利用出来る環境下に無いユーザーは、10Gbpsのサービスを利用することが出来ません。
利用端末や機器に新たな投資が必要
現在メインで販売されている機器も含めて、その多くは1Gbpsの通信速度で利用する前提の設計がなされています。
回線速度だけが速くなっても、従来の規格の機器やケーブルが、通信環境に一つでも混じっていれば、それがボトルネックになり通信速度の向上は期待出来ませんし、機器の処理能力が追いつかなくては、回線速度のメリットが活かせません。
パソコンやルーターのLAN規格は、従来の1000BASE-Tではなく、10GBASE-Tを搭載したタイプに買い換える必要が有りますし、LANケーブルもそれに対応したカテゴリ6A以上のタイプに交換する必要が有ります。
パソコンのCPU(パソコンの頭脳にあたるパーツです)は、最低でも最新のi5クラス以上が必要になります。
Wi-Fiルーターも最新のWi-Fi6に対応した機種で、利用するスマホやタブレットもWi-Fi6に対応した機種にしなければ、回線のメリットを充分に享受する事は叶いません。
月額料金が高額
従来の料金と比較して、10Gbpsのサービスの月額料金は割高になってます。
もちろん、コスト増になっても「高速の通信回線が利用出来るなら、それでも構わない!」という考え方もあります。
高速通信を充分に活かせるコンテンツが無い
しかし、現状では10Gbpsのサービスでの実測値である、1,000Mbpsを必要とするコンテンツが存在していません。
データを送り出す側のサーバー(動画やwebサイトのデータが置いてあるコンピュータです)も、現状では10Gbpsのサービスに最適な環境は殆ど整っていません。
回線速度が必要になる使い方として、動画視聴がありますが、多くの動画は10Mbpsから20Mbpsの通信速度で充分に快適な視聴が可能ですし、HDなど、かなりの高画質動画を同時に家族で視聴しても、100Mbps程度の速度で不足がありません。
現状の公称値1Gbpsの実測値である273.45Mbpsで、通信速度に不足を感じる状況は、多くの場合で発生しません。
もちろん、時代の進歩と共に、従来の回線速度では対応出来ない、巨大サイズのコンテンツ等も、出てくる可能性は有ります。
しかし、現状の10Gbpsのサービスに高額な月額料金を支払い、利用する通信機器・端末等を対応する最新のタイプに買い換えても、ハッキリとしたメリットが感じられるのは、回線速度の計測サイトで通信速度を測る時と、巨大なサイズのファイルをダウンロードする時の時間が短縮される事ぐらいです。
結論:現状では10Gbpsの光回線サービスは時期尚早
スマートフォンで撮影するデータサイズも、新しい機種ではどんどん巨大化しています。
無線回線では、新世代の5Gサービスが始まっています。現状では本来の5Gのスペックが利用出来る環境は整っていませんが、扱うデータの巨大化に併せて、超高速が利用出来る環境が整ってくる未来は見えています。
そんな未来では、光回線の主流も10Gbpsになっている事は充分に考えられます。
しかし、現状ではその環境が整っているとは言えず、コスパの悪い10Gbpsのサービス導入は、時期尚早であると言わざる得ません。
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2Gbpsの通信速度が魅力で提供エリア内なら「NURO光」
(出典:NURO公式)
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それでも、現在主流にある1Gbpsの2倍にあたる、2Gbpsの公称値になっています。
10Gbpsと比較すれば、安価な月額料金で、現状では使い勝手の良い通信速度の環境が得られます。
マンション集合住宅・戸建ても区別が無く、3年契約で月額5,200円・2年契約で5,700円が、公称値2Gbpsの月額料金です。
デメリットとしては、マンション集合住宅での利用が殆ど整っておらず、戸建て住宅でも利用出来るエリアは限られている事と、前述の光コラボにあるような、長期に渡って割引が受けられるセット割が存在していない事です。