自分の住むエリアでは当たり前の事でも、一歩離れると当たり前では無い事は多々あります。
方言などはその典型で、僅かな距離を離れるだけで、一向に意味が通じない経験をした事ありますよね?
愛知県を代表する都市と言えば、誰もが名古屋市を思い浮かべます。
しかし、海外で現地の方と話す中で、「日本のどこから来たの?」と問われた時に、「名古屋から来ました」と返しても、殆どの方は首をかしげるばかりです。
そこで、「豊田なら解りますか?」と尋ねると表情が一変して、「おお!そうなのか!知ってるよ!」という返答が返ってきます。
「所変われば品変わる」
知名度や浸透度も、当たり前だと思っていた事が、地域によって異なる事は珍しく有りません。
光回線では、全国的な知名度では「フレッツ光」の名前は広く浸透していて、光回線に興味が無い方でも聞いたことは有る方が多いのです。
しかし、全国的に見れば知名度が皆無である「eo光」ですが、関西地区内での知名度は抜群で利用者も多く、老若男女に広く浸透しています。
「eo光」は、全国展開をする他の光回線と比較してもメリットが多く、だからこそ地域密着のローカルサービスでも、数多いユーザーに支持されています。
それどころか内容を他回線と比較吟味すれば、関西地区でeo光が利用出来るエリアにお住まいの方は、とてもラッキーだと言えます。
関西在住の方が光回線の導入を考えた時に、必ず選択肢に挙がる「eo光」と全国展開する「フレッツ光」のサービス内容や特徴を、あらためて徹底比較します。
「フレッツ光」と「eo光」の運営企業を比較
光回線を敷設するためには、街中に光ファイバーケーブルを取り回す必要が有り、既に何らかのインフラ施設を持っている企業にほぼ限られ、電話線を有する「NTT」・電気供給する電線を有する「電力系」・有線放送を行っている「有線系」に大別出来ます。
「フレッツ光」はNTT東西が敷設運営していて、「eo光」は関西電力グループの株式会社オプテージが敷設運営しています。
2つのサービスは、NTT vs 関西電力の構図で、どちらも日本を代表する巨大企業が提供しているサービスのため、安心して利用する事が出来ます。
「フレッツ光」と「eo光」のシェアを比較
光回線の人気度にあたる、回線シェアを比較してみましょう。
株式会社MM総研が調査発表している、2022年3月末時点の光回線の全国シェア(市場占有率)データでは、NTTグループ(NTT東日本+NTT西日本)の2326.6万件の契約者数を誇り、全体の半分を大きく超える63.5%を締めています。
(出典:MM総研)
全国に広く展開しているNTT東西に比べて、電力系は地域で電力会社が異なり、それぞれ行っている光回線サービスは、自社の電力管内でしか提供出来ません。
そのため、全国シェアのグラフでは、その多くが個別には記述されず、その他の範疇に収まっています。
そんな中で唯一、地域限定の「eo光」を提供するオプテージが、全国展開しているNTT・KDDIに次いで登場しているのは、高い人気のある証左だと言える快挙です。
残念ながら、第三者によるエリア別の調査データは有りませんが、2022年10月のオプテージが調査した関西地区のネット契約シェア調査では、「戸建てシェアNo.1」になっています。
「フレッツ光」と「eo光」のプロバイダを比較
(出典:NTT東日本)
光回線に限らずインターネットを行うには、接続業者プロバイダが必要です。
プロバイダは、「インターネット・サービス・プロバイダー」を略した呼び方であり、その頭文字をとってISPと呼ばれる事もあります。
プロバイダとは?
自宅に接続する光回線は、直接インターネットの世界に繋がっているのではなく、プロバイダに接続されています。
プロバイダが自社のバックボーンと呼ばれる回線を介して、インターネットの世界に入り、目的のコンピュータやサーバーに接続してデータを持ち帰り、光回線を通じてユーザーに届ける橋渡し役を行っています。
eo光のプロバイダは?
eo光のプロバイダは、運営するオプテージに限定されています。
回線契約をすれば自動的にプロバイダが決まるので、契約者はプロバイダを意識する事が無く利用する事が出来ます。
スマートフォンで通信会社と回線のプラン契約を行えば、プロバイダを意識する事無く利用出来るのと、同様の手軽さと解りやすさがあります。
フレッツ光のプロバイダは?
フレッツ光のプロバイダは、数多く存在しています。
利用する契約方法には、2通りがあります。
フレッツ光+プロバイダ契約
(出典:NTT西日本*一部改変)
フレッツ光がサービスを開始した当初からある契約形態で、光回線をNTT東西で契約するのに加えて、接続業者プロバイダと別途の契約を行います。
2箇所で契約する事で2つの窓口が存在して、支払も2箇所になる上に、割高になる契約方法であり、個人利用で契約するメリットは基本的にありません。
光コラボ
(出典:NTT西日本*一部改変)
2015年からスタートした「光コラボ」は、光回線の卸し提供を受けたプロバイダが、ワンストップでサービスを提供しています。
別途で2箇所契約するよりも月額料金が安く、フレッツ光を個人利用する契約の主流になっています。
フレッツ光の現在の利用形態では、光コラボ事業者(=プロバイダ)を選ぶという事です。
先ほどの光回線のシェアを示したグラフで、一般的によく耳にする「ドコモ光」や「ソフトバンク光」などが出てこないのは、どちらも光コラボだからです。
光コラボを扱う事業者は、NTT西日本エリアだけで235社があります。
つまり、一口にフレッツ光を利用すると言っても、選択肢は235通りがあるという事になります。
「フレッツ光」と「eo光」の顧客満足度を比較
実際に光回線を利用しているユーザーの顧客満足度調査を、株式会社イードが行っています。
eo光はフレッツ光を抑えて、RBB TODAYブロードバンドアワード2022 キャリア部門エリア別総合(近畿)で16年連続第1位に輝いています。
顧客総合満足度
2022年総合最優秀の回線を、エリア別に見てみましょう。
北海道 | auひかり(KDDI) |
東北 | auひかり(KDDI) |
関東 | NURO光(ソニーネットワークコミュニケーションズ) |
北陸 | ドコモ光(NTTドコモ) |
信越 | ドコモ光(NTTドコモ) |
東海 | フレッツ光(NTT西日本) |
近畿 | eo光(オプテージ) |
中国 | メガ・エッグ光ネット(エネルギア・コミュニケーションズ) |
四国 | ピカラ光(STNet) |
九州 | BBIQ(QTNet) |
顧客満足度に影響する要素は多々ありますが、快適に利用出来る事が最も重要です。
利用形態の中では最も多く使われる、自宅でのWi-Fi回線におけるスピードの満足度も見てみましょう。
自宅Wi-Fiの回線スピード満足度
北海道 | auひかり(KDDI) |
東北 | auひかり(KDDI) |
関東 | NURO光(ソニーネットワークコミュニケーションズ) |
北陸 | フレッツ光(NTT西日本) |
信越 | auひかり(KDDI) |
東海 | フレッツ光(NTT西日本) |
近畿 | eo光(オプテージ) |
中国 | ドコモ光(NTTドコモ) |
四国 | ピカラ光(STNet) |
九州 | BBIQ(QTnet) |
関西近隣の、東海エリアや中国エリアなどでは「フレッツ光」がNo.1ですが、関西エリアでは「eo光」がフレッツ光を上回っています。
実際に利用している回線速度の具体的なデータも、比較して見てみましょう。
「フレッツ光」と「eo光」の通信速度を比較
通信速度の代表的な数値は、「公称値」と呼ばれるサービスを提供している側が発表しているもので、これは計算上の理論値であり、実際にユーザーが利用する際に出る速度ではありません。
回線の利用にあたっては、公称値よりも実際にどれくらいの通信速度が出ているのか?の方が重要です。
回線を実際に利用しているユーザーが、計測を行っている通信速度が、「みんなのネット回線速度」で公表されています。
動画視聴の快適さやwebページを開くのに影響する、ダウンロード速度のランキングを見てみましょう。
光回線の通信速度ランキング
直近3ヵ月の光回線通信速度ランキングでは
1位 フレッツ光クロス
平均ダウンロード速度: 1305.32Mbps (2097件)
2位 コミュファ光ゲーミングカスタム
平均ダウンロード速度: 1291.01Mbps (431件)
3位 eo光(イオ光)
平均ダウンロード速度: 597.75Mbps (8497件)
に、なっています。
光回線の通信速度総合ランキングで、フレッツ光は1位・eo光は3位になっています。
ただ、この数値を見て、「なんだ!eo光は速いって聞いたのに、フレッツ光の半分の速度も出ていないじゃないか!」と考えるのは早計です。
なぜなら、上位2つのサービスは通信速度に特化した特殊なサービスであり、一般的に広く利用されている回線とは言えないからです。
それは、計測者数を見ても解ります。
全国展開しているフレッツ光が2,097件しか無く、関西エリアローカルのeo光がその4倍以上の8,497件の計測者数がある事が、何よりの証左です。
幅広く一般的に利用される光回線としては、eo光はNo.1の通信速度が出ていると言えます。
eo光は何故速い?
eo光は光回線全体の直近3ヵ月と比較しても、突出して速い事が解ります。
回線 | Ping | 下り | 上り |
光回線 | 27.2ms | 355.0Mbps | 304.7Mbps |
eo光 全平均 | 15.72ms | 591.62Mbps | 510.12Mbps |
eo光 有線接続 | 13.87ms | 945.75Mbps | 796.88Mbps |
eo光 無線接続 | 17.09ms | 333.26Mbps | 302.91Mbps |
eo光 一戸建て | 15.73ms | 616.31Mbps | 530.81Mbps |
eo光 マンション集合住宅 | 15.61ms | 396.45Mbps | 340.37Mbps |
Ping値は、レスポンス(反応速度)を表していて、数値が小さいほどレスポンスが良くなります。
下り・上りの通信速度が、光回線全体の通信速度と比較して大きく上回っているのは、一般的に利用されている光回線の公称値が1Gbpsであるのに対して、eo光では1Gbpsに加えて、5Gbps・10Gbpsの公称値を誇る高速回線プランが用意されている事です。
フレッツ光でも前述のフレッツ光クロスの様に、10Gbpsが公称値のサービスを行っていますが、利用出来るエリアや場所は現状限られている事から、まだまだ一般的なサービスにはなっていません。
eo光の通信速度が速いのは、超高速回線プランを広い提供エリアでいち早く展開しているためで、提供エリア内の98%以上で、10ギガや5ギガの超高速サービスが利用出来ます。
(出典:eo光公式)
次世代の超高速通信を、一般的にしたことが通信回線の速さに繋がっています。
「フレッツ光」と「eo光」の通信量の制限を比較
光回線サービスでは、一般的にどれだけデータ通信量が増えても制限が掛からず、本当の意味で無制限に使える事が、大きなメリットの一つになっています。
しかし、eo光では月間データ通信量の上限が、コースごとに設定されています。
フレッツ光は無制限
フレッツ光・光コラボでは通信量の制限は一切無く、家族で大容量を利用したり、仕事で大きなファイルを頻繁に利用したりしても、それが理由で制限が掛かることはありません。
eo光は上限あり しかし通常利用では気にする必要無し
eo光では、コースによって変わる月間データ通信量の上限が設定されています。
上限を超えた場合は、最大通信速度など利用に制限を受ける場合があります。
これは、一部の不適切な利用をするユーザーが混じっている事で、多くのユーザーの快適な利用が損なわれるため、設定されていると推察されます。この制限はeo光の通信速度の速さにも、一役買っています。
コース | 月間データ通信量の上限 |
10ギガコース | 20TB(約20,000,000MB) |
5ギガコース | 10TB(約10,000,000MB) |
1ギガコース |