光回線を法人契約する場合、「どのサービスに申し込めば安心してインターネットを使えるのか」というのは非常に重要なポイントとなります。
基本的には大手が提供する光回線を選んでおけば間違いありませんが、法人契約であってもキャッシュバックが受け取れる光回線があるので、大手であっても適当に選んでしまうと損をしてしまいます。
そこで本記事では、法人契約におすすめの光回線や選び方、個人契約と法人契約の違いについて解説していきます。
個人契約と法人契約の違いについて
はじめに、光回線における「個人契約」と「法人契約」の違いから確認していきましょう。
個人契約と法人契約の違いを簡単にまとめると以下の通りになります。
個人契約と法人契約の違い
- 契約時の必要書類として担当者の本人確認書類に加えて「契約名義となる法人確認書類」が必要
- 登記簿謄本(登記簿抄本)、履歴事項全部証明書、法人の印鑑証明書いずれか1点
- 発行日から3か月以内の書類のみ有効
- 担当者がその法人に属していることを証明するために社員証や名刺なども必要
- 法人業務に特化した様々なサポート機能・オプションが利用できる
- 24時間故障修理オプションの有無
- 帯域保証・帯域優先による通信速度の確保
- 複数の固定IPアドレスの取得
- VPNを活用したセキュアなリモートアクセス
- 法人契約のみの大容量プランなど
-
法人契約なら利用料金を全額その法人の経費として計上できるケースが多い
- 法人契約の場合には請求書払いや口座引落が可能な場合も多い
株式会社やSOHO、個人事業主として光回線を契約する場合であっても、事業規模によっては必ずしも法人契約をしなければならない訳ではありません。
個人契約なら契約時に「担当者の本人確認書類だけ」を提出すれば済みますが、法人契約だと契約名義人が法人名となるので、法人確認書類や担当者の在籍証明書、本人確認書類などが必要となり、準備に何かと手間がかかります。
ですが、そういった手間をクリアすることで個人契約では得られない様々なメリットが享受できるようになります。
たとえば、法人契約なら24時間いつでもサポートが受けられるオプションが利用できたり、その法人だけが利用できる10〜30Mbpsほどの通信帯域が保証されたり、複数の固定IPアドレスの取得などが挙げられます。
また、法人契約なら按分などの計算をする必要なく、光回線の利用料を全額経費として計上できることもあるので、税務上においてもメリットがあると言えます。
法人契約をすることで担当者が付くこともあるので、今後はその担当者を通じて社内ネットワークにおける相談ができるようになることも個人契約との大きな違いと言えるでしょう。
法人契約で光回線を選ぶ時の5つのポイント
法人契約と個人契約の違いがわかったところで、光回線を法人契約する上で「ここだけは抑えておきたい!」という5つのポイントをご紹介します。
法人契約で光回線を選ぶ時の5つのポイント
- 法人名義で契約が可能か
- 複数の固定IPアドレスを持てるか
- 帯域保証や帯域優先があるかどうか
- 事務所移転を考慮した場合の対応エリアの広さ
- VPNやセキュリティ面のサポートが充実しているか
光回線を提供する事業者の数は100社を超えており、事業者によって利用料金やサービス、法人に特化したプランの有無などが異なります。
基本的にはNTTの「フレッツ光」といった大手のサービスを選んでおけば間違いありませんが、大手の中でも上記の5つのポイントに絞って比較することで自社に最適な光回線が選べるようになります。
それぞれのポイントについて解説していくので、光回線選びの参考にしていただければ幸いです。
法人名義で契約が可能か
はじめに確認すべきは、その光回線が「法人名義での契約が可能かどうか」という点です。
光回線の種類は非常に数が多いですが、法人契約に慣れていない事業者も多いので、光回線によっては個人契約しか受付をしていないケースがあります。
法人契約ができなければ、法人契約ならではのメリットを享受することもできないので、当たり前に思われるかもしれませんが必ず確認するようにしてください。
複数の固定IPアドレスを持てるか
法人契約をする際には、複数の固定IPアドレスを持てるかどうかも重要です。
IPアドレスとは、簡単にいえば「ネットワークに接続した通信機器の識別番号」のことで、しばしば「インターネット上の住所」とも言われています。
通常のIPアドレスは接続のたびに住所が変わる「動的IPアドレス」となっており、ご利用中の光回線(プロバイダ)から自動的に割り振られるようになっています。
ですが、社内のネットワークを動的IPアドレスで運用していると、その都度IPアドレスが変更されてしまうために、後述するVPNを活用した社外から社内ネットワークへのアクセスができなくなってしまうのです。
事業規模がそこまで大きくない場合には不要かもしれませんが、従業員数が数十人、数百人以上の規模になる場合には固定IPは必須ともいえる機能となります。
個人契約でも固定IPを持つことはできますが、1個までしか持てなかったりそもそも申し込みができなかったりする場合が多いので、法人契約をする際には必ずチェックしておきたいポイントといえます。
帯域保証や帯域優先があるかどうか
法人契約をする際には、帯域保証や帯域優先があるかどうかも重要なポイントとなります。
通常のインターネットは、利用者が増えれば増えるほど回線内で渋滞が発生し、通信速度が低下してしまうことがあります。
法人契約では、その法人だけが利用できる回線(帯域保証)や、その法人だけが優先して利用できる回線(帯域優先)を割り当ててもらえるケースがあるので、常に安定した環境下でインターネット接続が可能となるのです。
帯域保証の通信速度は10〜30Mbpsと普通にインターネットを使う分にはまったく問題のない速度が出るケースが多いので、法人契約をする際には帯域保証がどれくらいあるのかについても確認しておくようにしましょう。
事務所移転を考慮した場合の対応エリアの広さ
光回線には、大きく分けて「フレッツ光(光コラボレーション)」「auひかり(KDDI系)」「NURO光(So-net系)」「電力系光回線」の4種類があります。
フレッツ光はNTT東日本・西日本が敷設する光ファイバー網を利用してサービスを提供していることから、日本全国およそ9割以上の地域で利用することができます。
光コラボレーションはフレッツ光の回線設備を流用している光回線なので、フレッツ光と同じく日本全国の幅広い地域で利用可能です。
一方、auひかりやNURO光、コミュファ光やeo光などの電力系光回線は、各運営元が独自に敷設・加工した光ファイバー網を利用することから、一部の地域では利用することができません。
事務所の移転があることを考慮した場合、フレッツ光や光コラボレーションのような幅広い地域で使える光回線を選んでおくと余計な開通工事費がかからずに済むのでお得です。
わざわざ新しい光回線に乗り換えるよりも、これまで利用していた光回線の移転手続きを申し込んだほうが圧倒的に手間は少ないので、将来的に事務所を移転する可能性がある場合には対応エリアの広さもチェックしておきましょう。
VPNやセキュリティ面のサポートが充実しているか
最後に、法人契約をする場合にはその光回線でVPNやセキュリティといったサポート面が充実しているかどうかも確認しておくべきといえます。
VPN(Virtual Private Network)とは、インターネットを経由して安全に社内ネットワークへ接続できるようにするための専用回路を仮想空間に構築することをいいます。
固定IPアドレスを利用して専用回線で接続するので、情報漏洩や不正アクセスを防止することができ、セキュアなネットワーク接続が可能となります。
また、業務中に突然インターネットが使えなくなったなどのトラブルが発生すると、企業間や顧客との信頼関係にも大きな影響を及ぼすので、いつでも迅速に対応してもらえるようなサポート体制も重要です。
費用面は同じ事業者であっても利用する側の事業規模や契約内容によって大きく変わってきますが、そもそも法人の対応に慣れている事業者でなければそこまでの対応は期待できません。
そういった意味でも大手が提供する法人向け光回線を選んでおけば、サービス面・費用面の双方において納得できる内容でインターネットが利用できるようになるでしょう。
法人契約ができる光回線の種類
法人契約ができる光回線の数は意外と多いですが、その中でもおすすめしたいのが以下の5社です。
法人契約ができるおすすめの光回線
NURO光に関しては、個人向けプランの「NURO光」のほか、法人に特化した「NURO光Biz」があります。
月額料金や開通工事費、キャンペーンごとに各光回線を比較できるようにまとめたので、光回線選びの参考にしていただければ幸いです。
月額料金比較
光回線ごとの月額料金を比較してまとめました。
一般的な商業ビルの中にあるオフィスを選ぶ場合は集合住宅向けのプランを選ぶケースが多いですが、回線設備が導入されていない物件の場合はオフィスビルであっても戸建てプランを契約することもあります。
それぞれで月額料金が大きく変わってくるので事前に確認しておくようにしましょう。
法人契約可能な光回線の月額料金比較
光回線 | 戸建て | 集合住宅 | 契約期間 | 違約金 |
フレッツ光
(NTT東日本) |
5,087.5円
+プロバイダ利用料 |
ミニ:4,400円
+プロバイダ利用料 プラン1:3,740円 +プロバイダ利用料 プラン2:3,300円 +プロバイダ利用料 |
2年間 | 戸建て:4,950円
集合住宅:1,650円 |
フレッツ光
(NTT西日本) |
2年間:4,730円
+プロバイダ利用料 3年目以降:4,521円 +プロバイダ利用料 |
ミニ:4,345円
+プロバイダ利用料 プラン1:3,575円 +プロバイダ利用料 プラン2:3,135円 +プロバイダ利用料 |
2年間 | 戸建て:4,400円
集合住宅:1,650円 |
ソフトバンク光 | 5,720円 | 4,180円 | 2年間 | 5,720円 |
auひかり | 1年目:5,610円
2年目:5,500円 3年目以降:4,390円 |
3,740円〜5,500円 | 戸建て:3年間
集合住宅:2年間 |
戸建て:4,730円
集合住宅:2,730円 |
NURO光 2ギガ | 5,200円 | 5,200円 | 3年間 | 3,850円 |
NURO光 Biz
※NUROアクセス スタンダード |
20,735円 | 最低利用期間 13ヵ月目の末日まで |
最低利用期間内の解約は残月数分の月額料金を一括請求 |
なお、上記の料金プランは一般的な法人向けの月額料金です。
事業規模が大きいケースや契約期間の長さによっては相対契約と呼ばれる特別な条件を提示してもらえることがあります。
基本的にはその事業者内の法人部門とやり取りをすることになるので、詳細は法人部門の担当者までお問い合わせください。
工事費比較
光回線の工事費は、戸建てプランで2万円ほど、集合住宅向けプランで1.5万円ほどの費用がかかります。
ただし、auひかりやNURO光などの独自設備を利用する光回線の場合は特別な工事を行うことになるので1.5倍〜2倍ほどの開通工事費用が必要になるのでご注意ください。
法人契約可能な光回線の事務手数料・工事費一覧
光回線 | 事務手数料 | 戸建て工事費 | 集合住宅工事費 |
フレッツ光 | 880円 | 19,800円
東日本(初回 3,300円・2回目以降 687円×23回・最終月 699円) |
16,500円
東日本(初回 3,300円・2回目以降 550円×24回) |
ソフトバンク光 | 3,300円 | 26,400円
(24回・36回・48回・60回の分割可) |
26,400円
(24回・36回・48回・60回の分割可) |
auひかり | 3,300円 | 41,250円
(初回 1,194.6円・2回目以降 1,178.1円×34回) |
33,000円
(初回 1,443.2円・2回目以降 1,434.4円×22回) |
NURO光 | 3,300円 | 44,000円
(1,222円×36回) |
44,000円
(1,222円×36回) |
NURO光 Biz | 3,300円 | 初期費用:165,000円
基本工事費:55,000円 |
※土日指定で開通工事を行う場合には出張料として3,300円の手数料が発生します
オプション比較
続いて、光回線ごとのオプションについて比較していきます。
法人向けのオプションサービスについては事業者や利用者側の事業規模によって利用できる内容が大きく異なるので、光電話・固定IPの有無・VPNやセキュリティ面のサービスに限定してまとめています。
基本的には光回線事業者の法人部門に連絡を取り、どのようなイメージでインターネットを利用していきたいかを相談ベースで決めていくことになります。
大手であれば基本的な法人向けサービスは取り揃えているので、月額料金や後述の特典内容で比較して、その後でオプションについて相談していくのが良いでしょう。
法人契約可能な光回線のオプション
光回線 | オプション | 内容 | 料金 |
フレッツ光 | ひかり電話オフィスタイプ | 光回線を使ったIP電話サービス | 初期費用:4,950円
月額料金:1,430円(3チャネル・1番号) |
固定IPアドレス | 利用するプロバイダのオプションとして契約 | プロバイダによって異なる | |
フレッツ・VPN ワイド | 外出先からでもセキュアなVPN接続が可能になるサービス | 初期費用:4,400円
月額料金:管理者(プラン10)1,980円〜+参加者(プラン10)1,980円〜 |
|
フレッツ光24時間出張修理オプション | フレッツ光故障時の保守対応時間を24時間に延長するサービス | 初期費用:無料
月額料金:3,300円 |
|
ソフトバンク光 | 光電話(N) | 光回線を使ったIP電話サービス | 初期費用:4,950円
基本プラン:550円 スマート基本プラン:1,650円 |
インターネットVPNアクセス | 様々な通信デバイスからインターネットを経由して安定したリモートアクセスを実現するクラウド型サービス | 初期費用:無料
月額料金:300円/1アカウント(最低利用15IDから) |
|
SmartVPN(統合VPN) | ソフトバンクが提供する様々なVPNサービスの総称 | 事業規模によって異なる | |
Suite Ether | 国内最大級のバックボーンによる高品質の安定したインターネット接続サービス | 事業規模によって異なる | |
auひかり | auひかり電話 | 光回線を使ったIP電話サービス | 月額料金:550円 |
KDDI Flex Remote Access | 様々な通信デバイス・通信環境から安全に社内ネットワークへ接続できるサービス | 事業規模によって異なる | |
Cisco Umbrella | 企業内ネットワークの外でもデバイスのセキュリティを保護するクラウド型のセキュリティサービス | 事業規模によって異なる | |
NURO光 | NURO光でんわ | 光回線を使ったIP電話サービス | 初期費用:3,300円
北海道・関東:550円 東海・関西・九州:330円 |
NURO光 Biz | 固定IPアドレスオプション | IPv4の固定IPアドレスを追加で利用できるサービス | 月額6,600円~ |
DNSホスティングサービス | ドメイン情報の管理をウェブ上で簡単にできるオプション | 初期費用:無料
月額料金:550円〜 |
キャンペーン・特典比較
最後に、キャンペーンや特典内容についてご紹介していきます。
開通工事費無料キャンペーンやキャッシュバックは基本的に「個人契約」の場合の特典であるケースが多い、法人契約だと適用対象外となる場合があります。
新規契約時の特典は非常に魅力的なポイントと言えますが、法人契約でその特典が適用されるかどうかは必ずチェックしておくようにしましょう。
なお、フレッツ光では個人契約よりも法人契約のほうが長期的に利用してもらえる可能性が高いことから、キャッシュバックが3〜4万円ほど多めに設定されているのでおすすめです。
法人契約可能な光回線のキャンペーン・特典比較
光回線 | 工事費無料キャンペーン | キャッシュバック |
フレッツ光 | なし | 西日本:45,000円 東日本:35,000円 |
ソフトバンク光 | – | 25,000円 |
SoftBank光乗り換え新規でキャッシュバック | ||
auひかり | 初期費用相当額割引(auひかりホーム) 初期費用相当額割引(auひかりマンション) |
40,000円 |
NURO光 | 初期費用相当額割引 | 45,000円 |
契約事務手数料無料特典 | ||
NURO光 Biz | なし | なし |
法人契約をするならフレッツ光が断然おすすめ
法人契約をする際におすすめの光回線について、月額料金やキャンペーンなどの項目ごとに分けてご覧いただきました。
どの光回線でも月額料金はそこまで大差なく、いずれも魅力的なキャンペーンを実施しているので、最終的に自社でどの光回線を選べば良いのか迷っている人も多いのではないでしょうか。
そこで筆者がおすすめする法人向け光回線は、NTT東日本・西日本が運営提供する「フレッツ光」です。
フレッツ光は日本全国に敷設された光ファイバー網を利用する光回線サービスで、以下のような特徴があります。
フレッツ光がおすすめの理由
- 日本全国の広いエリアで利用できる
- 法人向けのキャッシュバックやキャンペーンが豊富
- 割引適用で他の光回線よりも安い価格で利用できる可能性がある
- NTT東日本・西日本の光回線を利用していることからサポートが手厚い
- 万が一解約する場合でも設備の撤去費用がかからない
フレッツ光を運営するのはNTT東日本・西日本で、法人・個人を問わず抜群の信頼実績があります。
法人向けには24時間いつでもサポートが受けられる「24時間出張修理オプション」が利用でき、法人が安心してネットワークを利用するためのVPNやクラウドサービスなども充実しています。
また、法人限定で超高額なキャッシュバックを行っていることも魅力的なポイントで、サービス面・セキュリティ面・特典の三拍子が揃った、法人契約にうってつけの光回線といえるでしょう。
光回線の法人契約で悩んだときは、安心安全の信頼実績を誇るフレッツ光を検討されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
本記事では、法人契約におすすめの光回線についてご紹介してきました。
法人向け光回線を選ぶ際の5つのポイントを踏まえると、法人契約でおすすめの光回線は「フレッツ光」となります。高額キャッシュバックも実施していますので、ご検討中の方はチェックしてくださいね。
日本全国の幅広いエリアで利用することができ、法人契約の実績数も多いことから安心してインターネットを利用することができるでしょう。
光回線の法人契約をする際には、ぜひ本記事を参考にしていただければ幸いです。