一人暮らしでは、家賃や光熱費に加えて「通信費」も家計の大きな負担です。
特にスマホとインターネットを両方契約している場合、毎月1万円前後かかるケースも少なくありません。固定費の中でも削減しやすいのが通信費であり、上手に見直すことで年間数万円の節約につながります。
ただし、通信費をただ安くするだけでは快適なネット環境が損なわれることもあります。動画視聴やリモートワーク、オンラインゲームなど、生活スタイルによって必要な通信品質が異なるからです。
本記事では、一人暮らしの通信費の相場や節約のポイントを整理し、モバイルルーター・ホームルーター・光回線それぞれの特徴を踏まえて、おすすめの契約プランを解説します。
一人暮らしの通信費の平均と見直しの重要性
一人暮らしをしていると、通信費が家計に占める割合は決して小さくありません。実際、家計調査においても、スマホとインターネットの契約を合わせると、生活費の中でも大きな固定費となっていることが分かっています。
ここでは、一人暮らし世帯の通信費の相場と、見直しの際に注目すべきポイントを整理します。
一人暮らしにおける通信費の相場
政府統計e-Statの「家計調査(2024年版)」によると、単身世帯の「通信費(携帯電話・インターネット接続料を含む)」は、平均で月額6,379円でした。これは食費や水道光熱費に並び、生活費の中でも大きな割合を占める支出です。
特にスマホの大容量プランと固定回線を同時に契約している人の場合、通信費が1万円を超えることも多いので、節約を検討する価値は十分にあります。
通信費を節約する際のポイント
通信費を見直す際には、単純に「安いから契約する」という選び方では失敗することがあります。ポイントは、以下の3点です。
- 通信の品質:十分な速度と安定性があるか確認する
- 利用頻度とデータ容量:毎月の通信量によって判断する
- 料金とキャンペーン:総合的に見て判断することが大切
通信の品質は、特に在宅ワークが多い人やオンラインゲーム用途が中心であれば重要なポイントといえます。
スマホの通信量が多い人は、無制限プランや光回線の方が安心です。逆に自宅でネットをあまり使わない人には、モバイルルーターや小容量プランで十分です。
月額料金だけでなく、キャッシュバックや特典、スマホとのセット割などを含めて総合的に金額を比較して判断することが節約につながります。
モバイルルーターで節約する
一人暮らしで自宅のネット環境を整えるとき、光回線のような工事を避けたい人にはモバイルルーターが便利です。工事不要で契約当日から利用でき、外出先でも持ち運んで使えるため、コストを抑えながら自由度の高い通信環境を手に入れられます。
ここではモバイルルーターの特徴と、一人暮らしにおすすめの3機種を紹介します。
モバイルルーターの特徴と一人暮らしに向く理由
モバイルルーターはポケットサイズの端末で、SIMカードを挿入することでWi-Fiを利用できます。光回線のような開通工事が不要で、契約後すぐにインターネットが使えるのが最大の利点です。
さらに、持ち運びが可能なため、カフェや旅行先でもスマホやパソコンを快適につなげられます。引っ越しが多い単身者や、外出先でネットをよく使う人にとって、モバイルルーターは柔軟性が高い選択肢です。
ただし、利用するエリアや時間帯によって速度が変動するため、安定性では光回線に劣る点は理解しておく必要があります。
おすすめのモバイルルーター3選
ここでは一人暮らしの通信費を抑えつつ、安心して使えるモバイルルーターを3つ紹介します。それぞれ料金体系や特典に違いがあるため、自分の生活スタイルに合うかどうかを比較して選びましょう。
おすすめ①:楽天WiFi Pocket
(出典:楽天モバイル公式)
「楽天WiFi Pockt」は、データ無制限で月額3,278円(税込)、20GBまでが月額2,178円、3GBまでが月額1,078円 というシンプルさが魅力です。プラチナバンド整備中で通信が不安定になる場合もありますが、都市部に住む一人暮らしなら十分実用的です。
さらに「楽天モバイル紹介キャンペーン」やポイント還元を利用すると、実質的な負担をさらに抑えられます。スマホとモバイルルーターを楽天で統一すれば、楽天ポイントも効率的に貯まります。
おすすめ②:クイックWiFi
(出典:クイックWiFi公式サイト)
クイックWiFiは、大手4キャリアに対応したクラウドSIMを利用できる点が大きな特徴です。また、海外でも端末がそのまま使える(500MB1日990円)ので、渡航時に専用の端末をレンタルする必要はありません。
多くのWi-Fiサービスは契約1年目前後の期間しか割引していないのに対して、クイックWi-Fiは契約期間中ずっとお手頃価格で利用可能です。基本的なプランは、50GB月額2,948円(税込)、100GB月額3,718円(税込)の2種類であり、使用する容量に合わせて選べます。
引っ越しや転勤の可能性が高い一人暮らしの方には安心感のあるサービスです。

おすすめ③:GMOとくとくBB WiMAX
(出典:GMOとくとくBB WiMAX公式)
GMOとくとくBBが提供するWiMAXは、データ無制限が月額4,807円(税込)で利用できます。下り最大4.2Gbpsの高速通信に対応しており、大容量データのやり取りや動画視聴に適しています。
さらに、GMOではキャッシュバックキャンペーンが充実しており、高額な還元を受けられます。大手プロバイダが運営しているためサポート体制も整っており、安定性とお得さを両立したい人におすすめです。
おすすめモバイルルーター3社の比較
サービス名 |
月額料金 | データ容量 | 無制限プラン | 下り最大速度 |
1,078円〜 | 月間20GB〜 | あり |
150Mbps |
|
2,948円〜 | 月間50GB〜 | なし
最大100GB |
150Mbps |
|
GMOとくとくBB WiMAX | 4,807円〜 | 無制限 | あり |
3.5Gbps |
※料金はすべて税込み
ホームルーターで節約する
「固定回線ほどの速度や容量は不要だが、モバイルルーターよりも安定した通信が欲しい」という人には、ホームルーターが向いています。自宅に置くだけで利用できるため工事の手間もなく、動画視聴やオンライン授業など日常的な利用に十分な速度を確保できます。
ここでは、一人暮らしに適したホームルーターの特徴とおすすめ機種を紹介します。
ホームルーターの特徴と一人暮らしに向く理由
ホームルーターとは、コンセントに挿すだけで利用できる据え置き型の通信機器です。
固定回線のような工事が不要なため、引っ越しの多い一人暮らしでも契約しやすいメリットがあります。さらにモバイルルーターに比べてアンテナ性能が高く、通信速度や安定性に優れている点も特徴です。
月額料金は光回線よりやや安く、データ通信量も基本的に無制限で利用できます。外出先での利用はできないものの、自宅中心の生活ならコストパフォーマンスの高い選択肢になります。
おすすめのホームルーター4選
ここでは、一人暮らしにおすすめできるホームルーターを4種類紹介します。それぞれの料金や割引内容に特徴があるため、自分のスマホキャリアや生活スタイルに合わせて検討しましょう。
おすすめ①:ソフトバンクエアー×ワイモバイル
(出典:ソフトバンクエアー申し込みサイト)
ソフトバンクエアーはソフトバンクとワイモバイルのスマホ利用者に特におすすめです。
「おうち割光セット(A)」を適用すると、スマホ料金が毎月最大1,650円(税込)割引されます。
例えば、ソフトバンクエアーの月額基本料金は5,368円(税込)ですが、ワイモバイルで「シンプル3 Sプラン(税込3,058円)」を利用している場合、割引後の合計コストはおよそ6,800円程度に抑えられます。
スマホと自宅回線をまとめることで、実質的に大きな節約効果を得られます。

おすすめ②:ドコモ home 5G × ドコモmini
(出典:ドコモ home 5G)
ドコモが提供する「home 5G」は、広いエリアカバーと安定性が強みです。現在、ドコモの5Gエリアは全国主要都市を中心に拡大しており、地方でも対応が進んでいます。
月額料金は5,280円(税込)で、ドコモスマホとのセット割「home 5Gセット割」が適用されるため、家族全員で毎月最大1,210円(税込)のスマホ割引を受けられるのが大きな利点です。家族でドコモを利用している人には特にコスパの高い選択肢といえます。
おすすめ③:Speed Wi-Fi HOME 5G L13 × UQモバイル
(出典:UQ WiMAX 公式)
UQ WiMAXが提供する「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」は、オンラインだけでなく店頭での申し込みにも対応していて、「auスマートバリュー」や「自宅セット割」の対象になります。特にUQモバイルと組み合わせた場合、毎月最大1,100円(税込)の割引が適用されます。
例えば、月額5,280円(税込)のホームルーターにUQモバイルをセットで契約すると、実質的な利用料金は4,180円まで下がります。通信速度も安定しており、動画視聴や在宅ワークを快適にこなせるスペックです。
おすすめ④:Rakuten Turbo × 楽天モバイル
(出典:Rakuten Turbo公式)
楽天経済圏の利用者には、「Rakuten Turbo」と楽天モバイルの組み合わせがおすすめです。「最強おうちプログラム」の適用で、新規契約の特典として楽天ポイントが毎月1,000ポイント還元されるうえ、SPU(スーパーポイントアップ)が7倍になります。
月額料金4,840円(税込)で、契約期間の縛りや最低利用期間はありません。5Gエリアは都市部が中心なので、都市部に住む一人暮らしの人に向いています。(ただし4Gエリアの人口カバー率は98%)
おすすめホームルーター4社の比較
サービス名 |
月額料金 | データ容量 | セット割の割引 |
5,368円 |
無制限 |
最大1,650円 | |
5,280円 |
最大1,210円 |
||
Speed Wi-Fi HOME 5G L13×UQモバイル | 5,280円 |
最大1,100円 |
|
Rakuten Turbo | 4,840円 |
1,000pt |
※料金はすべて税込み
一人暮らしで通信費を節約するなら『光回線と格安スマホ』がベスト!
モバイルルーターやホームルーターは工事不要で便利ですが、通信の安定性や速度を最優先するなら光回線が最も安心できます。特に、格安スマホと組み合わせることで月額料金を大幅に下げられるため、一人暮らしでも十分コストパフォーマンスの高い選択肢になります。
ここでは、光回線が単身世帯にもおすすめできる理由と、実際に通信費を抑えられるプランを紹介します。
光回線が一人暮らしでもおすすめな理由
光回線は自宅に光ファイバーを引き込むので、安定した高速通信が可能です。
最大のメリットは、速度と安定性が他の回線方式より優れている点です。特にリモートワークやオンライン会議、動画視聴、オンラインゲームなど、複数端末を同時に使うシーンでは強みを発揮します。
また、総務省の「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(2025年3月末)」によると、固定系ブロードバンドの契約数は約5,177万件、そのうち光回線は約4,099万件を占めています。
近年では契約件数が横ばいではありますが、微増で推移していることからも、利用者の多くが光回線の安定性や信頼性を重視して選んでいることの裏付けといえます。
(出典:「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(2025年3月末)」)
さらに、光回線は月額料金だけを見ると高く感じるかもしれませんが、長期的に使えば回線品質の安定とキャンペーン特典により、実質コストはモバイル系サービスと大きく変わらない場合もあります。
おすすめの光回線と格安スマホセット3選
ここからは、一人暮らしでも負担を抑えながら利用できる光回線と格安スマホのセットを3つ紹介します。品質重視から料金優先まで、自分のライフスタイルに合ったプランを検討してみましょう。
①バランスを重視:ビッグローブ光 × UQモバイル
(出典:ビッグローブ光申し込みサイト)
ビッグローブ光はIPv6対応で通信速度が安定しやすく、品質とコスパといったバランスに優れています。UQモバイルとのセットで「自宅セット割」が適用され、1台目からスマホ料金が毎月最大1,100円(税込)、最大10回線まで割引が適用されます。
また、正規代理店から申し込むと最大97,000円の現金キャッシュバック特典があるので、毎月の通信費を大幅に節約できます。
おすすめポイント
✅「自宅セット割」でスマホ代が毎月最大1,100円割引
✅正規代理店からの申し込みで最大97,000円のキャッシュバック
✅開通前のレンタルWi-Fiルーターが無料(正規代理店)

②通話・通信の品質を重視:IIJmioひかり × IIJmio
(出典:IIJmioひかり申し込みサイト)
IIJmioひかりは、月額4,356円(税込)と光回線の中でも安価です。格安SIMで人気のIIJmioと組み合わせると、「mio割」が適用され、スマホ料金が毎月660円割引されます。
例えば、スマホを5GBプラン(税込950円)で利用した場合、光回線とスマホの合計はおよそ5,800円台に収まります。動画視聴やSNS利用が中心で、できるだけ月額を抑えたい人に適しています。
おすすめポイント
✅「mio割」でスマホ料金が毎月660円割引
✅セットで申し込みむと、光回線の利用料金が6ヶ月間無料
✅IIJmio新規申し込みで、基本工事費用28,600円が無料
③安さを重視:@TCOMヒカリ+LIBMO
(出典:@TCOMヒカリ申し込みサイト)
@TCOMヒカリは地域密着型の光回線サービスで、地方在住者でも利用しやすい点が魅力です。月額は5,610円(税込)で、キャンペーンなども充実しています。
LIBMOのスマホ料金は月額528円(税込)からと安価であり、@TCOMヒカリとセットで契約すると、毎月220円の割引が受けられます。正規代理店からの申し込みで、最大50,000円の高額キャッシュバックが受け取れる点も大きなメリットです。
おすすめポイント
✅スマホ料金が税込528円から利用できる
✅セット割の適用で、スマホ代が毎月220円の割引
✅正規代理店からの申し込みで、最大50,000円のキャッシュバック

光回線 × 格安スマホのおすすめの組み合わせを比較
組み合わせ |
光回線の月額料金 | セット割の割引 | キャッシュバック | |
戸建 |
マンション |
|||
5,478円 | 4,378円 | 最大1,100円 |
最大97,000円 |
|
5,456円 | 4,356円 | 660円 |
– |
|
@TCOMヒカリ×LIBMO | 5,170円 | 3,850円 | 220円 |
最大50,000円 |
※料金はすべて税込み
※キャッシュバックは、正規代理店で申し込んだ場合の金額
自分に合った通信プランを選んで通信費を節約しよう
一人暮らしで通信費を節約するには、自分のライフスタイルに合った選び方が欠かせません。動画やリモートワークを快適にこなしたいなら光回線が最も安定しており、キャンペーンや格安スマホとの組み合わせでコストを抑えられます。
外出先でも使いたい人にはモバイルルーター、工事不要で自宅中心に使う人にはホームルーターが便利です。
通信費の見直しは、年間で数万円の節約につながる可能性があります。固定費を抑えることで、趣味や貯金に回せる余裕が生まれ、生活の満足度も高まります。自分にとって最適なプランを選ぶことが、一人暮らしをより快適にする第一歩です。