基地局とは、携帯電話、PHS等のモバイル通信網において無線通信を実現するためのアンテナや付随する装置一式のこと。

基地局は、携帯電話等の通信端末と直接交信をおこなう装置である一方、電話網の末端装置となり通話、データ通信の中継を担っています。一つの基地局では、周囲数キロメートルから十数キロメートルまでをカバーすることができ、この電波の届く範囲がそのまま通話可能エリアということになります。

基地局の設置形態は様々であり、都市部においてはビルやマンション等に設置されるものから、そのような建造物が少ない郊外や地方山間部においては鉄塔を用いて設置されるものもあります。また、都市部であっても地下鉄や地下街など、地上の基地局ではカバーしきれないエリアでは小型の基地局が設置されるなどして、通話可能エリアを拡げています。

1つの基地局で通話できる人数は限られるため、繁華街などの人の多い場所では、2個以上の基地局設備が同じ場所に置かれていることもあります。

携帯電話が基地局と電波で交信できる範囲がいわゆる「通話エリア」で、この範囲内でしか通話することができません。

初期のPHSは、通話しながら移動すると、交信中の基地局の電波が届かなくなり、通話が途切れてしまっていました。携帯電話や最近のPHSはこの弱点を克服するため、端末の移動にしたがって最も受信感度の高い基地局に交信相手を切り替える「ハンドオーバー」機能を持っています。

PHSは携帯電話に比べて1つの基地局がカバーする範囲が狭いため、どの基地局と交信しているかを調べることにより、PHSの所有者の所在をある程度絞り込むことができます。このシステムは部分的に実用化されており、認知症の老人の徘徊対策や、企業が営業社員の現在地を調べるシステムなどに応用されています。