スパムとは、不特定多数のユーザに対して送信される広告や詐欺的内容を主とするメールのことです。迷惑メール、ジャンクメールとも呼ばれます。スパム(spam)の語源は、第二次世界大戦中に軍内で繰り返し供給されたという、アメリカの豚肉の缶詰の商標に由来しているといわれています。イギリスのあるコントでも、レストランで「スパム、スパム、スパム」と迷惑を顧みず連呼され、仕方なく注文した、というものがあり、ここからパソコンや携帯電話に大量に送られる迷惑メールが関連づけられてスパムやスパムメールと呼ばれるようになりました。

スパムには、アダルトサイトや出会い系サイト、金融サイトなどへの誘導を目的とするメールや、使用した覚えのないウェブサイトの利用料などの架空の請求メールなどがあります。

スパムメールの送信者は受信者の個人情報を知っているわけではなく、なんらかの方法で収集したり無作為に生成したりした適当なメールアドレスに乱送しているだけなので、決して「送信を停止してください」などと返信することのないようにしましょう。また、心当たりのないメールに記載されているURLは「送信停止はこちら」といったものも含めてクリックしないようにしましょう。返信やクリックによって、そのメールアドレスが実在することが知られてしまいます。

郵便等によるダイレクトメールと違って、電子メールで送信されるスパムは、発信者が負担するコストが1通でも1万通でもほとんど変わらないため、大量に送信される傾向があります。インターネット全体の通信量の大部分がスパムであり、全体では地球温暖化につながるほどの電力を消費しているという推計もあります。

スパムを受信させられる方にとっては、不要な通信料や通信時間、メールを確認するための時間を奪われてしまうことが問題です。また、スパムに記載されているホームページを閲覧した際に、ウイルスに感染したりスパイウェアをインストールさせられてしまったり、さまざまな被害が発生しています。

スパムに対する対策としては、学習機能を持つメールソフトやメールサーバ上でのスパム対策、携帯電話での受信規制などがあります。また、メールサービスを提供する企業でもシステムにフィルタリング機能を付加するなど様々な対策を行っています。